「ソロスは警告する」 ジョージ・ソロス著  講談社

                  ー読書日記ー

 まずは、この本の背裏のジョージ・ソロスの紹介文からして面白い!
生き馬の目を抜く世界でトップのクラスの利益を出しているのだから、余程の知識と哲学がなければ勝ち抜けない。 
私事になるが、10年前から哲学に興味を持って継続して学んできた結果として、学べば学ぶほどこれまでの人生を
根こそぎ否定せざるを得なくなる。(ただし、それだけ掘り下げたということだが)
歴史も哲学同様に学ぶべきである。権力者の都合のよいように作り変えられるとしても、学ぶべきことは膨大にある。
ソロスという人物はマスコミでは知っていたが、実際に読んでみると、その骨組みが見えてくる。
哲学と歴史を徹底して学んで、それを長期投資に振り替えていることだ。
  まずはアマゾンの、この本の紹介からコピーしてみる。
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人物紹介: 金融投資家。ソロス・ファンド・マネジメント会長。
  1930年ハンガリーに生まれる。 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス卒。
  1956年、アメリカに移住後、証券会社勤務を経て、投資会社(後のクォンタム・ファンド)を設立。
   以後、世界一ともいわれる運用実績を上げ、今日までに1兆3000億円ともいわれる莫大な資産を築き上げる。
  1992年には、ポンド危機に乗じて100億ドル以上のポンドを空売りし、莫大な利益を得たために、
  「イングランド銀行を破産させた男」としても有名になった。 自ら設立した財団を通じての慈善事業や、
  巨額の資金を投じた政治活動にも積極的に取り組んでいる。 著書『ソロスの錬金術』『グローバル資本主義の危機』
  『ブッシュへの宣戦布告』『世界秩序の崩壊』はいずれも世界的なベストセラーとなった。
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以下は、あるブログの内容紹介文である。
・2008年5月5日に発売されたジョージ・ソロスの「The New Paradigm for Financial Markets」の日本語訳である。
 本書は、ジョージ・ソロスが2008年以降の激動の世界経済・金融について書いたものであり、
 恐慌論でおなじみの松藤民輔氏が解説をしている。
・内容としては、ソロスの「再帰性」の理論について多くがさかれているが、かなり難解で難しい。
 解説で松藤氏も書かれているが、ソロスの現状認識と未来予測はカンタンにまとめるなら以下のとおりである。
 ー現状は、ドルを国際基軸通貨とした信用膨張の時代が終わりを迎えつつあり、未来は、サブプライム・バブルとは別の、
 さらに大きな『超バブル』が崩壊寸前で、その規模は、あの大恐慌以来のものになるだろう」というもである。
・ソロスは、欧米などの先進国は「売り」、中国、インド、中東諸国を「買い」としているが、
 素直に未来についてはよくわからないとしている。 経済問題が政治に飛び火し、それがさらに世界経済へ影響を
 与えるといった事態になるかもしれないし、そうはならないかもしれない。
 ただ、政治的にも経済的にも不安定な時代に入ろうとしていることだけは正しいのだろう。
 CDS市場の巨大さとそれがデフォルトした時の影響と中東のドルペッグ制である。
 ソロスはロシアには悲観的であるが、中国には楽観的である。中国を楽観視している理由がよくわからなかった。
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更に他のブログの要約の紹介文、
 1: 現在の景気後退は、単なる「アメリカの住宅バブル崩壊」以上のものである。
 2: 現在のサブプライムバブルは、はるかに大きな「超バブル」のわずか一部分に過ぎない。
 3: 今年末までに、一九二九年の大恐慌と比肩するほどの「超バブル」が崩壊するであろう。
 4: アメリカ・ドルを国際基軸通貨とした信用膨張の時代が終焉を迎えようとしている。
 5: この「超バブル」は、これまでの信用膨張の飽くなき肥大化(支配的なトレンド)と、
   市場原理主義という支配的な誤謬とによって生み出され、強化されてきた。
 6: 長年にわたって筆者が主張してきた「再帰性理論」を用いれば、
   現在のバブル崩壊の過程を有る程度まで正しく認識することが可能である。
 7: 「経済エンジン」としてのアメリカは間違いなく衰退化する。
  新しいエンジンとして中国・インドおよび中東が期待される。
   彼は「2008年中に巨大バブルが弾け大恐慌の危機が来る」と見事に予告している。
他に
 ・サブプライム危機は巨大なバブルの一部にすぎない
 ・このバブルは信用マネー取引の膨張と市場原理主義によって生み出された
 ・ドルの下落は今後も進んで行く。
 ・CDS市場に大きな問題が発生するであろうが、もし、そうなったら、それがヘッジファンド 
  の連鎖破綻を引き起こし、資金提供元である大手金融機関をも直撃する大変な事態に至る。
   と見事なまでに、現在進行中の金融危機を的中させている事は驚くべきことである。
  なお、これらのソロスの予告の後の数年間、一体、どうなって行くのかに興味のある方には
  副島隆彦著「恐慌前夜」、ラビ・バトラ著「2010年資本主義大爆裂! 緊急近未来10の予測」と
  「資本主義最後の5年」、藤原直哉著「世界同時株大暴落」そして恐慌論の名著ガルブレイスの「大暴落1929」を是非、
  読んでいただきたいと思う。それぞれの本についてもレビューを書かせていただいたので、ご一読いただければ幸いである。
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  本を買ったら、「まえがき」と「おわりに」と「目次」を読んで、その後、ネットで検索をしてから
 本文を読むようにしている。それも飛ばし読みである。そうでもしないと、短時間で、読みこなせるほど軽くはない。
 この本の冒頭に松藤氏が、解説をしているが、この文章も簡潔に、そのものズバリにまとめてある。お勧めの本である。

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