2004年06月17日(木)
1171, 哲学についてー5
ー合理主義ー 

近代科学と同時に、近代哲学の芽吹きが始まってきた。
「世界は理性で理解できる」という「合理主義」の考え方である。

初めて合理主義哲学を提唱したのはデカルトである。
16世紀末にフランスに生まれた聡明な学者だった彼は、志願将校としてヨーロッパを
見てまわって、人間の世界が書物の世界より多様性に富んでいることに気がつく。
そして次第に、「人間が芯に確信できるもの、確実に知ることができることが
あるのだろうか」と思うようになる。

人間の思考というものを、哲学、数学、科学の分野から研究を始めた。
出発点に戻って思考する「私は何を知ることができるか」である。
そしてかの有名な「われ思う、ゆえにわれ在り」という結論に達する。
彼は「人間の究極は精神である」という結論から現実世界は精神と物質という
二つの要素から構成されるという考え方を導き出した。
このように自然界を精神と物質、主体と客体、観察する人される人の2種類に分ける考え方は、
西洋人の考え方に組み込まれていく。今日まで哲学者の間で「デカルト的二元論」といわれてきた。

デカルトは、このシリーズで取り上げなくてはならない一人である。
その時は、より詳しくその思想の内容をマトメテみたい。
彼から後、多くの合理主義哲学の一派があらわれる。
彼らの基本理念は「現実世界の知識は理性をとおして得られるのである、知覚することによって
得られた情報は本質的に信頼できず、知識になるどころか、間違いの原因になる」というものである。

デカルトの後にはスピノザライプニッツのなどが出てくる。
デカルトスピノザは天才的な数学者であり、この二人にとって数学は
「真に確実な知識を手に入れるための理想的な手本」であった。 彼らは数学者が使っている手法を、
現実世界を理解する為に利用できるなら、あらゆることが解明できると考えた。

我々が何気なく考えていることや、言葉などが先人によって考え出された上のことでしかない。
そう考えると、自分とは何ぞやと考えること自体ばかばかしくなってくる。                      
                           −つづく
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