2007年11月18日(日)
2419, 『楽天主義
     *ヾ(´∀`o)+。才ノヽ…YΘ!
  
    『楽天主義』ーヘレン・ケラー著  
                     ー読書日記
   この本を図書館で見つけ、数ページ読んで、その行間から溢れ出てくる光のようなメッセージに驚いてしまった。
   三重苦を乗りこえた偉大な人物ということは周知のことだが、実際に彼女の本を手にするのは初めてであった。
   それも何と彼女の処女作で、100ページ足らずの読みやすい本である。
   この一冊を、20歳前に読んでいたら人生が変わっていただろう。
   三重苦の中で、言葉の持つ意味を深く理解したのである。もしかしたら、今年の最高の本といってよい本だろう。
   この本はもう廃刊になっていて、中古本で二倍の値がついていた。

ーその概要といえばー
この本は、ヘレン・ケラーが1903年、大学在学中に初めて書いた処女作である。
ヘレンは三重苦の身でありながら、88歳の生涯を障害者の救済のために力強く生きた。
彼女は生後19ヶ月の時に熱病に罹り、聴力と視力を失い、三重苦の生活を強いられた。サリバンという女先生と出会い、
読み書きを覚え、大学を卒業後、世界各地で講演したり福祉活動を行い「奇跡の人」と呼ばれた女性。
ここで彼女は「楽天主義者とは、善を信じ、輝かしい未来の到来を確信し、明日を今日より美しいものにするための
努力を重ねる生き方」と述べている。楽天主義者は、信じ、試み、そして目標を成し遂げる。楽天主義こそいっさいを
成功に導く信念である。 希望がなければ何ごとも成就するものではない。

人生の目的は何か、などと堅苦しく考える必要はない。
楽しく生きて、この世を去るときに、「生まれてきてよかった。幸福な人生だった」
と振り返ることができたら、その人は人生を楽天主義者として過ごした成功者である。
将来に希望をもって努力することで幸せは得られるものである。
逆に、悲観的な考え方のクセがある人は、幸せになりにくく、不幸になりやすい。
幸せになるためには、悲観的な(不幸になる)考え方をストップし、
意図的に楽観的な考え方をできるだけ心がけたほうがよいのである。

ー彼女は、ここで次にように述べている。
「幸福は心の持ち方の問題で、外見から他人が判断できるものではない。
私は、盲・聾・唖の障害者でも、世間の常識に反して自分は幸福である、という考え方を信条としている。 
どんなに幸せそうに見えても、本人が幸せと思っていなければ、その人は幸せではありません。
どんなに不幸に見えても、本人が自分は幸せと思っていれば、その人は幸せである。
『自分は幸福であるという考え方を信条としている』という強い意志と、意図的楽観主義こそが自分である。」

ー評論家の小林秀雄は彼女を評して以下のように書いている。
「人生の深淵を覗いて、ニーチェは大声で喚めき、ランボーは静かに引き返した」(ニーチェはドイツの哲学者、
 ランボーはフランスの天才詩人。ともに人間の悪徳をのろい、生を受けたことの悲劇を説く)
 もしヘレンだったら、こう述べたであろう。
「人生の深淵を覗き、さらにその奥深く、神の善の世界があることを知り、幸福と歓喜に打ち震えた」と。 ー

未来に用意された、光に包まれたバラ色の善の世界。その存在を確信するゆえに、
ヘレンはその人生は幸福に満たされて精一林に生き、その希望を人々に与えて生涯を送ったのである。
 ー目次ー
第1章 私の楽天思想
 (私の幸福;思想の輝き;現実に立つ;善の世界;働く喜び;信じること)
第2章 楽天主義の世界
 (哲学との出会い;心の支え;神の世界で;楽天主義の根拠;教育の進歩;寛容の精神)
第3章 楽天主義の実践
 (厭世主義者;楽天主義の力;楽天主義の文学;神からの贈り物;
  光明を招く;キリストの福音;未来への確信;私の信条)
             
             ☆ァディオス☆(`・ω・´)ノ
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