閑話小題 ~阿部首相の辞意を受止めてみれば…

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   * 阿部首相の辞意表明から二日経って…
 辞意表明から2日経ってみれば、逆に遅きに失した感さえ思えるから不思議!
数年前から、官邸周辺が何やら異常感が強くなっていた。それ以上に、野党も
野党呆けが正比例した下降角度が鋭くなっていたことが、それを隠してきた。
一番の政治的成果は、白人第一主義のトランプ大統領の御守りを熟したこと。
まあ、良くぞ乗越えていた。 …このパンデミックの中で、あとはアメリカの
次期大統領に無事、日米関係を引継ぐこと。その殆どを安倍首相が無事平穏に
乗越えたのは褒めるに充分、値できる! 伊達で7年8ヶ月も政権維持は無理!
実に総理大臣職は激務である。次の総理大臣は、繫ぎとしても大変だ。
大腸は脳そのもの! 変にならない方が変だ! バタンギューの可能性も…。
繋ぎの流れからして、官房長の「管」だが、政治の世界は魑魅妙霊! 
   ―
   * 異常の暑さ!
 ある意味で、世界も、日本も土壇場! パンデミックの最中、アメリカは
大統領選にむかい、不安定に! 欧州も、今は落ち着いている? 難民問題と、
経済問題が大きく覆い被さてくる。経済恐慌の可能性も日ごと大きく浮上する。
100年前の第一次+第二次世界戦争と、スペイン風邪世界恐慌が重なってくる。
そして、異常な暑さが、このパンデミックと重なるというから… 今後、この
事態の波がウネリとなるなら… 悲観過ぎることもないが、として楽観視も、
していられない。世界各地の全域で、マスク姿が一般化!異常事態を象徴する。
 そうこう考えると、10年近く前の事業清算が正解かも? このところ特集
されるパンデミックに関する特集… 知れば知る程、その深刻度の深さに驚く。
 <「直にワクチンが出回り、終息に向かうさ!>の声が聞えてきそうだが、
そうはいかないのは、オゾン層の破壊を容認してしまった問題が背景にある。
丁度、一週間前になるが、信濃川の大手大橋の真中辺りで、投身自殺未遂の
場面に出くわした。中年夫妻に気転で未遂になったが、これらも一連と思える。

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6741,閑話小題 ~カラスと遊ぶ 
2019年08月30日(
    * 隼型の人形を括りつけ3日目に
 一週間程前に、カラスの死骸に模した人形をベランダに括り付けた。
去年の‘カボチャの張りぼて’ほどの効果がないのではと考えて、ネットで
百均の「ダイソー」に「隼」の姿を模したのを見つけ、念押しに付け加えた。 
そのため静粛の日が続いた数日間後、1羽のカラスが斥候で?庭先に来て
鳴いていた。まずは様子見、で、その数時間後、3羽のカラスが庭先の松の木
から激しい威嚇の鳴き声。 野生動物は、テリトリーへの天敵の侵入に敏感。
怖れる風もないため、もう一羽、「隼」の人形を購入し応援に加えた。
今のところ近所にきてない。それでも数日に、再び威嚇してくる? カラスと
戯れるのも面白い。次は、新たにハロウィンのカボチャを加える予定…。
 ―
    * トランプも酷いが、何も酷い
 韓国の大統領が交代する度に、75年前の日本による朝鮮統治時代の問題を
新たなカード持ちだして反日運動を喚起して国民の目を向けることで、国家
体制維持の政策をとってきた。今回は徴用工問題。 国家間で解決済み問題を、
「個々の問題は解決してない」と強引に理屈づけてきた。さすがのアメリカも、
呆れ果ててしまった。韓国の歴代の大統領は、逮捕か、自殺の運命が間違い
なく待つ御国。その上に、側近の汚職問題を国民から目を逸らすため、軍事の
秘密事項の共通開示の協約を破棄。これではクーデターさえ起きかねない事態。
いまだに朝鮮戦争終結がされてない臨戦状態で、権力が大統領に集中する国。
貧すれば鈍するそのもの。諸外国からみれば「近親憎悪」と思って然るべき事態。
戦勝国家たる朝鮮が、未だに分断され、日本との格差は歴然となれば、嫌日感情
も仕方がないと、上から目線が彼らのプライドを傷つけるのだろう。

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6378,閑話小題 ~同月、同日分を先に読んでみて
2018年08月30日(木)
   * 過去文からテーマを考えた
 テーマを考えあぐねて、同月、同日の17年余のテーマの幾つかを読みをして、
その感想を書いてみることにした。何時も、当日分を書いた後に読返していた。
当日の文章から、「過去」をふり返っていたのが、過去の文章内容からテーマを
起案するのは初めての経験。新たな気持ちで読返すと、思いの外に重く真面目
くさったテーマばかり。この程度でもテーマ探しを入れると3時間のエネルギー
が入っている。それが重苦しさ?を生み出している。本来、生真面目?なのか。
 毎日、過去の文章をコピペする過程で読返しているが、真っさらな気持ちで
ジックリと読返すのは初めて。毎日、一期一会で選び出してきたテーマと内容。
ネット上に連日ともなると、極度の緊張と、集中が必要となる。尤も、それが
狙いだが。としても、我ながらシリアスである。それも毎日毎日。
 そうともしてないと、精神のバランスが保たれないため? こんなことを
誰に頼まれた訳でなし。ただ面白いため。秘異郷の大自然の光景との邂逅で、
日々、生きている価値が認識出来るようになったためだろう。極限を超えて、
広く、深く、明るく、経験と知識を重ねる必要性を、改めて感じた。
重くても、軽くても、暗くても、シリアスでも良し。広げ、掘下げた知識、
経験しか、世界は感知出来ない。 で、このテーマは何? 過去の文章は、
今の私に何を語りかけてくる? <肩に羽根を付けて、もっと、舞え>と!
これが隠れテーマ! 死んで三日もすれば、元もと存在してないのと同じこと。

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4916,一度、死んでみましたが
2014年08月30日(土)
             『一度、死んでみましたが』神足 裕司著
   * 重介護5のスーパー闘病記
 平々凡々の日々を当たり前のように過ごしているが、実は、これが最上で
あることに気づくのは、失ってから! あと一年余りで、平均すると同年齢
の男の過半数は介護生活、5年後には寝たきりに、10年は死んでしまう。 
TVや、西原の漫画に度たび出ていた神足裕司を、この数年見かけなかった。
実は三年前にくも膜下出血で倒れ、重介護度5でリハビリ生活の中、
去年12月に、不自由なベッドで書いた『一度、死んでみましたが』という
スーパー闘病エッセーを出していた。コラムニスト復帰の第一弾の本を、
偶然、図書館で見つけ、借りてきた。脳の大手術で、現在も殆ど動くことが
できず、寝たきり。ここで、介護、寝たきりとか、言っているが、この書を
読むと、さほど遠くない未来に似たような事態になる可能性が十分にある。
50歳半ばから還暦辺りにかけて、友人、知人が次々と、半身不随になったり、
癌で死んでいるが、どれもこれも、最期は壮絶な状態。これは、その実況
中継のような闘病エッセーで、ベッドの中の苦闘が、そのまま伝わってくる。 
本の題名が『スーパー闘病エッセー! 一度、死んで見ましたが』 
HONZ http://honz.jp/36901 の書評が、要点の7~8割は押さえている。
「その時から、それまで生きてきた一生分を生きることになる」と言うが、
そう信じさせられる内容。 ーアマゾンのレビューの、息子のレビューより
≪ はじめに、家族という立場にあるものからのレビューであることをお許し
 いただきたい。本が手元に届いてからも、私はなかなか本を開く気に
なれなかった。怖かったのだ。父の、つまりはこの本の筆者の状態はもちろん
百%ではない。ページを繰っていけば、彼がこれまで積み上げてきたものが、
私の前に立ちはだかる者としての彼が、崩れ去ってしまうのではないか、
そんな恐れを抱いていた。杞憂だった。そこにあったのは、私にはとても
紡ぎ出せない「凄み」のある言葉の数々。いや、もしかしたらこれは、
以前の筆者にも書けなかったのかもしれない。薀蓄をちりばめ、変幻自在の
修飾語を用いながら、ページを埋め尽くすのが豊穣な表現だとするならば、
この本はそれには当たらないかもしれない。むしろ、そのような表現は
全てが余白へと沈み、筆者にとっての瞬間の全てがこめられている。
少なくとも筆者の生きる「世界」において、その瞬間、それ以外の表現は
あり得なかったのだろう。切り詰められた音の数。他の人が弾いたら、
ミスタッチだと思われかねないフレーズ。彼の憧れたジャズピアニストを
思い出す、なんていったら笑われるだろうか。
・・ 病気は誰にでも訪れうることだ。「病気」とはなんなのか、「家族」
とは「友人」とは、そして「生きること」とは何か。誰しも考えたことのある
テーマについて、文章を書いているその瞬間の筆者にとっての虚飾のない、
研ぎ澄まされた言葉が胸に迫ってくる。深刻なテーマに思われながら、
どこかにおかしみを含んでいるのは筆者のコラムニスト魂だろうか。
くも膜下出血高次脳機能障害の患者・家族の方はもちろん、今立ち
止まって「これから」について考えたい方には、ぜひお勧めしたい一冊です。≫
▼ こうなるか、癌で壮絶死をむかえるか、今の私に出来ることは、日々を
 味わうしかない。どのみち、少し早いか遅いだけ。それでも奥さんが優しい
人のようだが・・ 本人は、このスーパー闘病記を、自分の愛読者に読んで
もらうことが、慰めのようだ。私のエッセイ『事業人生を決心して・・』
の続編として「その後、脳溢血で倒れてと、この事態になった」と
吾が身に例えて読むと、他人事でない内容である。

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5646,不幸な国の幸福論 ~③
2016年08月30日(火)
       <不幸な国の幸福論  2009/12/16 加賀乙彦 (著)>
    * 考えないと、正しく悩めない
 ここまで生きてきて、思うことは、多くの「人は、考えない」ということ。
だから、正しく悩めない。5年半前に、会社の清算に至ったが、その創業設計に、
破綻前提に「万一に備え」を組みこんでいた。幼児期に、太平洋戦争の戦災に
焼けだされた両親の血の滲む苦労の後姿を見て育ったこともある。 夜半、
隣で、母が父に、『死にたい、何もかもが嫌になった』と話しているのが聞こ
えていた。 両親にとって、長年かけて築いた財産の大部分を長岡空襲で焼け
出された前後に、様々な問題が家庭内に起こっていた。両親は、子供8人を
含めた10人家族分を稼が必要があったため、普通の働きでは、生活出来ない。
(当時は、多くの家庭が大家族だったから、別に珍しいことではない)。
この幼児体験があったため、準備を含めた45年の事業人生、大変だったとか、
会社整理に対し、何ら後悔がなかった。決心をした時点から、万一の覚悟も
立てていた。 何事も、『事前の一策は、事後の百策に勝る』。そのためには、
考えて考えて考えなければならない。博打は、恐怖を見据え、乗越える中で
勝機がやってくる。そのため、考えてない人は、直ぐに感知できていた。
日本人は、島国で海に守られている閉鎖社会。考えないで済まされることも、
ある。 ~ネットによる書評から~
≪ 日本人特有の性質は、自分で考えることをせずに評価の基準を他者に求め
 それに合わせようとする。狭い人間関係の中で簡単に人間にレッテルを貼り、
本来なら複雑な要素から出来ている人間を単純に理解してしまう。それが故に
別の環境であれば何でもないことでも必要以上の敗北感やつまづきを覚える。
 だが、気の持ちようでいつでも人間は幸福を手にすることが出来る。
本来幸せに形なんかない。むしろ理想の幸せの形を決めてしまった時から、
自分はアレが足りない、コレが出来ないとあら探しをしてしまい不幸が始まる。
 人生万事塞翁が馬である。変えることが出来ないものを受け入れる冷静さ、
変えることが出来ることを変える勇気、そしてその2つを見極める知恵。
正しい諦めから生まれるしなやかさを手に入れれば、幸福はもうそこにある。≫
▼ この城下町では、「同化圧力」が異常に強い。だから、地元の長岡高校の
校訓、「和して同ぜず」の和同の精神があるが、実際は、同化しないと、
「どうかなる」のが実情。地元の41年前になるが、Uターンをしてきて、
直ぐに直感したのが、この「同化圧力」の毒素で、脳がやられる恐れである。
そのため、地元の卒業校の同級会以外の会は、一切、参加しないことを決めた。
会社整理で、この御蔭で、人間関係では最小のストレスで済んでいる。
 人間は感情の動物、理性で割切れといっても、そうはいかないが、感情が
元もと皆無のため、同級生の範囲で済まされる。怒りの感情は、全てここで?
 <考えない、なやめない、カッパエビセン> が、何故か浮かんできた。

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5281,「うさぎちゃん」が、心肺停止になって考えたこと! ー④
2015年08月30日(日)
      ーその時、言葉は私の「神」となるー   (新潮45/6月号)
             ~心肺停止になって考えたこと! 中村うさぎ
   * 言葉は原罪から生まれた
 他人からみた私を意識する「自意識」過剰が果たして罪なのか。
二つの私、「自意識の私」と「自我の私」の両者が頭の中で、常に問答をする。
老齢期では、「私の人生、果たして、これで良かっただろうか?」と。
 良かったのだろうか? 人間は生きている限り、原罪を犯すもの。
老いて、その原罪を見つめて悔悟する。知識を持つことは原罪なのか?
知恵を持つことが原罪なのか。他者=世間の目を神のごとく信じるのは、
プラ・マイの両面を持つ。 最後は、自分の自意識で、どう受け止めるか?
 死線を漂い、社会復帰をする中で思った心の奥底は深いもの。~その辺りから
≪ ああ、諸君。「自我の私」として唯我独尊で生きるのと(もちろん、孤独は
 感じない。もとより孤独という概念がないからね)、「自意識の私」として
他者と繋がりながら傷つけ合いながら生きるのと、どちらが幸福なのだろうか?
少なくとも心肺停止前の「自我の私」で生きていた私は、多幸感に満ち満ちて
いた、他者のいないたったひとり楽園に住んでいて、寂しさも不安も感じず、
その中でぬくぬくと微笑んでいた。周りの人々から見たら、それは呆けた抜げ殻
であったようだが、本人はそんなことちっとも気にかけず、ふわふわと漂い
幸せに生ぎていた。・・心肺停止の後に生ぎ返って、目覚めた私は自意識も取り
戻していた。肉体が回復すればするほど、自意識も回復し、他者との関係に
悩まされるようになった。特に例のMXTVの降板以降は、人と会うのが嫌になって
完壁に引きこもった。社会に拒絶された気分になってひどい孤独感に苛まれ、
誰にも必要とされない自分にはもはや何の価値もないと苦しんだ。
おそらく「自我の私」であったなら、そのような苦しみは味わわなかっただろう。
「孤独」も「自分の価値」も、他者との比較や承認から生じる相対的な概念である。
他者を通して自己を確認するから、他者から拒絶されることが自分の存在まで
脅かすのだ。自己の存在の絶対性を疑いもしない「自我の私」は、仕事を失って
経済的な不安を感じることはあっても、それを己の存在意義の問題とは捉えまい。
そうやって考えると、我々の苦しみの原因は、ほぼ「自意識」に起因している
ように思える。 我々は「自意識」を持つべきではなかったのか。エデンの園
幸福に暮らしていたイヴに蛇が勧めた「知恵の実」は、やはり禁断の木の実で
あったのか。「自意識」を持つことで我々は他者の目に裁かれ続け、他者に
見捨てられる不安に怯え、大きな苦しみを背負うこととなった。だから聖書は
それを「原罪」と呼んだのか。「自意識」は「罪」であったのか。
犬や猫は鏡に映った自分の姿を「私」だと認識しない。鳥にいたっては、鏡の中の
自分に向かって求愛のダンスを踊るらしい。彼らには己を客体視する能力がない。
彼らにとっての「私」は、ほぼ百%「自我の私」である。彼らは幸せなのだろうか。
他者にとっての客体ではなく、「私」という主体としてのみ生きていくことは、
どんな苦しみも生じさせないのだろうか。いや、待て。「苦しみがない」ことを
「幸せ」と考えていいのだろうか? 苦しみば確かに幸福感とは程運いものでは
あるが、我々は「甘美な苦しみの自意識」というものも知っているではないか。≫
▼「起こってしまったことは変えられなくとも、受止めかたは変えられる」と
 いうが、これも、「自意識の私」を「自我の私」への変換ということ。
「他者を通した自己の確認」を超越して、己の原罪を見つめることが必要である。
そこまで自分を追詰めないと、内なる二つの問答が、蒟蒻問答になる。
・・・・・・
6011,『超一極集中社会アメリカの暴走』
2017年08月30日(水)
   * アメリカ分断の大元は
 図書館から『新潮45・6月号』を借りてきたが、面白いリポートがあった。
【世界を呑込む「超一極集中」社会~アメリカの暴走」を著者が解き明かす―
 上位0.1%の超富裕層がすべての富を牛耳り、ますます金持ちに
 (小林由美)】のレポートがあった。
 ~ネット検索をすると、ジャーナリストの池上彰の解説があった~
  ~ネット検索をすると、ジャーナリストの池上彰の解説があった…
【 アメリカ“強欲資本主義”の現実
 <池上彰が『超一極集中社会アメリカの暴走』(小林由美・著)を読む>
      
アメリカのトランプ大統領による予算教書が五月に提出されました。
アメリカの大統領には予算編成権がありません。予算を編成するのは議会。
そこで大統領は、「こういう予算を組んで欲い」という要望を予算教書として
提出するのです。 トランプ政権は所得税法人税の大幅減税を打ち出して
います。金持ちほど大幅に税金が戻ってきますが、庶民には恩恵がありません。
その一方で、貧しい家庭に食料を支援したり、低所得者が医療を受けられる
ようにしたりする施策は予算が大幅にカットされます。去年の大統領選挙で
トランプに投票した支持層が打撃を受ける予算案です。金持ちは一段と金持ちに、
低所得者はさらに生活が困窮していく。アメリカの現状を象徴する予算案。
金持ちの一極集中が進むアメリカ。書名通りの事態が進行しています。
アメリカの所得格差が大きいことは日本でも知れ渡っています。国民のわずか
1%の人が富の大半を所有している。そういう認識を持っている人が多いと思い
ますが、もはやそんな状態ではないと著者の小林由美さんは指摘します。
上位0・01%の2014年の平均年間所得は2009百万ドル(約32億円)という驚く
べき数字です。上位0.1%で見ると平均所得は6百万ドル(約6億6千万円)ですが、
上位1%で見ると、126万ドル(約1億4千万円)に下がります。 過去の歴史を
見ると、1980年代以降、上位0・1%の所得は増え続けているのに、それより
下位はほとんど増えていないという現実があります。
・こんな格差社会で我が子を「勝ち組」にするには、質の高い教育を受けさせる
必要があります。そのためには幼稚園から私立に入れる。ところが私立の幼稚園
の学費は日本円で年間300万円。私立大学の四年間の学費は計3300万円。
いったい誰が払えるというのか。もちろん奨学金制度はありますし、学費ローン
を借る手もありますが、大学卒業と同時に多額のローンの負債を抱えることに
なる若者も少なくありません。「大学を卒業して社会人として第一歩を踏み出す
時には、多くの人が既に多額の借金を負っている。これがアメリカの現実です」
・こんなアメリカで繁栄を謳歌しているのが金融業です。資金を集めて投資する
ファンド。その周辺には、アナリストやトレーダー、ブローカー、投資顧問、
コンサルタントなど数多くの人が群がります。「こうした介在者の増大が金融
サービス従事者を増やし、その人件費と利益が金融サービス業の付加価値として
国内総生産GDP)に現れ、不動産金融も含めると、金融サービスはGDPの12%
近くを占める主要産業になっています」
・強欲資本主義の支え手である富裕層は、自らの利益のため政治家に接近する。
民主党は都市の進歩派富裕層やハイテク産業から政治資金を得て、都市部に
集中しているマイノリティを取り込み、共和党重厚長大産業やエネルギー、
金融界から政治資金を得て、中西部や南部に集中している貧しい白人を取り込んだ」
アメリカという国が分断されるわけです。アメリカという国を分析する著者の筆法
は鋭く、ときにアメリカに対して絶望的な気分になりますが、他方でアメリカの
強さも知ることができるのです。(池上 彰)

▼ トランプ大統領になって以来のアメリカの分断は、この本を読むと、理解
 出来るようだ。10年前に、同じタイトルの本を出している。出だしからして、
アメリカ人は4種類しかない。超金持ちと、仕事のプロと、貧乏人と、社会的
 落ちこぼれだ--。>である。この現実が社会問題にならないのは、誰もが、
アメリカンドリーム、「いつか私も大成功し… 」の妄想があるため。現在の
日本も、同じ傾向になっている。 情報機器も含め4割が情報関連を占めている
現在、若い人は、何はともあれ上質な情報と知識に対し、敏感であらねば。