読書日記 余命宣告されたら何を読みますか?  -2

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        <生きることばへ ~余命宣告されたら何を読みますか?> 
                          金子 直史 (著)
   * ‘ワオ’に込められた、豊かな感受性と闘う意思
          ~スーザン・ソンタグ 生の美しさ、揺るがない軸~
 著者の言葉がランダムに散りこまれた内容。母親が余命宣告をされて、家に
帰る車中で、『ワオ』と叫ぶ、そのひと言に万感が込められており、強く印象に
残った。病名は骨髄異形成症候群。 その告知が成された04年3月から死去する
12月前が著述される。
         <死の海を泳いで ~スーザン・ソンタグ最期の日々> 
                     デイヴィッド リーフ著
 Amazon:内容 
≪ 2004年12月28日、スーザン・ソンタグ死去、享年71。
◉「私は生活の質などに興味はない。自分の命を救うために、あるいは長引かせる
ために、打てる手はすべて打ってもらいたい― それがどんな大博打であっても」。
 亡くなるまでの9ヵ月間、この傑出した批評家・作家は、文字通り死の荒海を
泳ぎ続ける。本書の『死の海を泳いで』は、その短い期間、母に寄り添い、ともに
「死の海」を泳ぎ続けた一人息子が記した渾身のルポルタージュ。そこから
浮かび上がるのは、ソンタグの鮮烈な死にざまであり、生きざまである。
 死出の旅にある肉親に、いかに向き合うか…。誰もが避けて通ることのできない
問い、そして誰も答えを見出すことのできない問いが、ここにある。
  ~投稿より~
◉ 批評家スーザン・ソンタグがMDS(骨髄異形成症候群)にかかってしまい、
 そこから必死に生きようとして力尽きる母の姿を綴ったドキュメンタリー。
同じような状況はメイ・サートンの小説『総決算のとき』でも描かれていたが、
こちらは、まだ生きたいのに時間がなくなってゆく、という痛切な叫びが聞こえ
てくる。ソンタグの批評家としての顔は知っていたが、プライベートについては
初めて知ることも多かった。またガンに侵されたときには『隠喩としての病い』
を執筆したが、今回は本人ではなく、息子が書いているというのも、闘病の
様子が推し量られる。
 ―
 ソンタグの気持ちをよく表わしている言葉がいくつか紹介されているが、
◉ マルグリット・デュラスの『私は無になるという事実と折合いがつけられない』、
◉ エピクロスの『私の存在するところに死は存在しない。死の存在するところに、
 私は存在しない』
◉ そして一番は、以前どこかで読んだことのある言葉、ジョーン・ディディオン
 の『私たちは生きるために、自分自身に物語を語り聞かせる』というものだ。
『母が作り上げた物語とは、致命的な病いと診断されたところから始まり、
 医療界のペシミズムに突き当たり、希望を与えてくれる医師を探し(略)苦しい
 けれども生命を救ってくれる可能性のある処置を受け、快癒に至るというもの』

 ソンタグは以前にも病魔を克服したことがあるとはいえ、それでも状況に応じて
 精神的にも肉体的にも揺れ動いている様子がよく分かる。それでも自分を冷静に
見つめようと必死に生きる姿に息子は『母には、自分自身の死に方で死ぬ権利が
あった』と語る。 
 ―
▼ 私も、余命宣言をされたら、独りで『ワオ!』と、自嘲をこめ叫びたいもの。
 いや、そんな余裕などあろう筈はないか。
精神腫瘍学が明らかにしたことは「癌は…感情表出の苦手な人々、抑圧のある人々
ーとくに怒りや性的感情を抑圧している人々―がとくにかかりやすい」ということだ。
病んだ臓器を診るだけではいけない、病んでいるその人をまるごと全人的に、身体的
/精神的/社会的にとらえなければよい医療はできないという語りと同じことが、
健康増進を掲げる予防医学でも唱えられている。
同期の男たちが3割、亡くなってしまったが、その共通点が、
・抑圧に耐え、押しつぶされてきた人々。
・そして、私の9年前の会社清算から、この方、掌をかえして検事・判事役に変じて
攻撃してきた人々。それそのことが、自分の傷口の化膿した血を振りまき、自らを
傷つけていることさえ、気づかない体質。スーザン・ソンタグが、その体質のようだ。
 その具現化したのが、「オバサン」「オトウサン」。その共通点が、小さな世界に
留まり続けて岩場から抜け出れない『山椒魚』。 果たして息子の言う
『母には、自分自身の死に方で死ぬ権利があった』と語るのは息子が故の主観か。
身近な二人称が、死を看取るのは、供に苦しむが故の温もりと、哀しみが伴う。
ガンでも何でも… 肺炎を伴うが、これがキツイという。知っていれば、
『ああ、これか』と思える余裕が出来るから、敢えて言語化した。余命宣言だけで
なく、死を受け入れ、死んでいくのはたった独りの大事業。その前に結婚も!
 これは二人の共同事業になるが! 

・・・・・・
6560,閑話小題 ~コミック版・トランプ劇場 ―第二ランド
2019年03月01日(金)
   * まさかドタキャンとは!
 まさかドタキャンとは!誰も思わなかったが、合意に至らなかった理由として、
<米側は?トランプ大統領は、北朝鮮側が「経済制裁の完全解除」を要求したが、
寧辺以外の核関連施設の廃棄に応じる姿勢を見せなかったことが理由>と述べた。 
 半年前に、現在進行形の政治ショーの前書きのような文章を書いていた。 
ここで寅に「…北朝鮮が核廃棄するなんて有得ないこと。」と言わせていた。 
 一方、アメリカ本土では、元側近のコーエンが、公聴会
「トランプ氏の違法行為を隠蔽したことを恥じている。彼は人種差別主義者で
ペテン師だ」と言及した。その背景もあって、ここで北朝鮮のペースの会談の
合意を直前になって破棄せざるを得なくなった背景もある。 これで弾劾裁判、
云々になるが、国家権力を掌握をしているトランプを追落すのは至難の業。
不人気をカバーするために意図的に朝鮮戦争の可能性も考えられる。
韓国も仮想敵国・北朝鮮かわりに、70数年前の日本の悪行を持ちだし、目先を
乗越えようとしている。 本当に危ない第2ランドが、始まった?
ギリギリの瀬戸際で、果たしてドチラが無理難題を突き付けたのか?
最悪の事態は、最悪の人物の群れから起きるが、どれもメンバーが悪すぎ。
恐ろしい限り… 。プーチン、習主席にとって、朝鮮戦争で、アメリカの体力を
削ぐには… 。 考えみれば、国家として、これほどメンツが潰れた会談はない。
何やら大きな黒鳥?が飛んでこなければいいが。今年は、経済も含めて大荒れだ。
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閑話小題 ~ コミック版・トランプ劇場
2018年 8月18日
  * お笑いで済まされない危機!
 少し収まりかけていたトランプ劇場、何やら火の手が本格的に上がりだした。
たびたび閲覧する<豊島逸夫の手帖>の『 トランプ大統領、女性スキャンダル  
(2018年8月22日)が、アメリカ国内の緊迫度を紹介している。

《 今米国はこの話題で持ちきり。日本のモリカケみたいな騒ぎで。トランプ氏
 の個人弁護士マイケル・コーエン氏が、選挙資金法違反などを認め司法取引に
応じたのです。トランプ氏のお相手女性に13万ドルの口止め料を払ったと
されています。いよいよ女性スキャンダルからお尻に火がついてきましたね。
当のストーミー・ダニエルズ嬢は今や米国で最も話題の女性でしょう。
60minutes という人気テレビ番組で60分にわたる生インタビュー
が放映された時は、6千万人の米国人が見たほどです。翌日職場はこの話題で
持ちきりでした。かなり際どく生々しい話でしたから。
 この問題がロシアゲート疑惑にも飛び火してます。口止め料についてロシア人
富豪も関わったとされるからです。ロシアゲートを捜査中のモラー特別検察官
率いる精鋭弁護士チームもマイケル・コーエン氏を聴取するようです。
トランプ氏にとってはこれから中間選挙を控える段階で極めて「やばい」ね。
国民の関心をそらすために保護主義などをこれまで以上に激しく展開する可能性
もあるので要注意です。昨晩米国のテレビを見ていたら、NYの裁判所ビルの前
にカメラが並び、コーエン氏が有罪を認めると同時に脱兎の如く記者たちが走り
出てきたので「日本と同じだな」と思いました。これから詳細が明らかになり
事態が急展開する可能性もあるので要注意です。》

▼・寅:出ては消えを繰返してきた、トランプのスキャンダル。くすんだ火の手
  が、本格的上がってきたね。元もと、アメリカ建国の理念を全面否定した泡沫、
  ロシアのスパイ網に助けられ当選したことが衆人が知るところ。
・大家:よくぞ、ここまで持ったことが、アメリカの不健全? ということ。 
  こんなのが大統領に選出されるのが変ですよ。北朝鮮というより、中国とロシア
  がトランプが弾劾される前に、アメリカに痛手を負わせようと打合せた茶番劇が、
  米朝首脳会談。困ったもんだね。
・熊:与野党も、中間選挙の大敗を待っている節があるのは、俺でも分かるよ。
  「これで、自分は相応しくない人材と少しも思ってないから始末が悪い」と、
  ある側近が言ったとか言わんとか。でも、これがアメリカの中核の本音さ。
・八:この男だったら、北が隠密に核開発をしていると決め込んで保身のための
  戦争を仕掛ける可能性が出てきたね。あってはならないことだが、日本が
  丁度良い標的になる。いざとなると誰も助けてくれないのが国際政治。
・寅:だいたい北朝鮮が核廃棄するなんて有得ないこと。国家としての脳梗塞状態
  ですか。いや、このままじゃ脳溢血? ベストの筋書きは、本人が、その病で
  倒れること? 
・大家:「プーチンよ、何てことをしてくれのさ」である。バカなポピリズムを
  最大限に利用してくれたね。年末は何が起きても不思議じゃない状況ですか。
・八:あの肥満度からして、体力的限界も含め、何かあるよ! 

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6196,閑話小題 ~春のめざめの時節ですか
2018年03月01日(木)
   * つれづれに ~春
・大相撲の番付が先日、発表になり相撲モードに入ってきた。十両にユニーク
 なのが揃うと、その場所が面白くなるが、今場所は多く揃ってきた。
貴乃花部屋の双子の力士や、暴行を受けた貴乃岩とか、大関から落ちてきた
照ノ富士。小柄の翔猿、炎鵬、照強。そして将来性のある水戸龍、矢後とか。
 それと、三人の横綱横綱アドバンテージの張手なくして、10勝以上、
勝てるか否かなど、面白い材料が豊富である。
春の高校野球の情報も新聞紙上を賑わせ、プロ野球のオープン戦も始まった。

・また、日々、朝鮮戦争の気運も高まっている。やはり4月に何か起きそうな
気配がするため、初春にしても何か心が晴れない。100%とは言わないが、
6割以上の確率で交戦の確率があると思うが、如何だろう? 3月一杯は大丈夫
だろうが、それでも、何処かでテロがあるのかも。
――
   * 腰痛が半減
 1963年1月の三八豪雪で、高校の屋根の除雪で腰痛になってから55年になる。
年に数回、腰骨が横にづれた状態になり、鈍痛が半月ほど続く。3~4年に1度は
脂汗が出るほどになる。その都度、ホッカイロで温め、腰痛ベルトを装着して
治してきた。 500mほど先に出来たスポーツジムに週に5日間、通いだし7年に
なるが、当初の3年は、逆効果で悪化したが、二年前からサプリ効果が加わった
のか鈍重が半減している。 椅子に長時間、座り続けるのが腰痛には良くないが、
現在、書斎コーナーに4~5時間は座り続けても大丈夫。一月半ばの大雪の中で、
10日ほど連続して1~2時間程、駐車場の入り口の除雪したが、腰痛が出ることは
なかった。 数年前からみると、信じられない状態である。9年前に大学の10年に
1度の同期会の時、酷い腰痛に、腰を屈めながら強引に上京をした。その時に、
本気で腰痛対策に取組むと決意、布団上や、居間の座布団、椅子の上に、低反発
マットを設置したり、海老反りマシーンや、マッサージ機を買って、施術したり、
SJに通い、ストレッチや、ヨガを取入れり、サプリのをセサミンを飲んだり
した総合効果が出てきたようだ。家内に常日頃、腰を屈めた姿を揶揄われて
いたが、「ホッカイロと腰痛バンドはしないし、腰の曲がりが無くなったし、
別人のよう」と… とはいえ、腰痛は、何時なんどき出てくるかしれない難敵。
 あと一月足らずで、早朝のポタリング(ミニ・サイクリング)が始まる。
これも腰痛の大きな要因。ゴールデンウィーク直後に、疲労が溜まって鈍重が?

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5829,閑話小題 ~しまった! ー 視点の変更から考えるー 16
2017年03月01日(水)
   * 視点の変更で考える
 この本で、「ローソク問題」が紹介されている。考えたものである。
 箱入りの画びょうと、箱を分ける発想に考えに至らない。思いつくのは極、
 一部の人たちだけ。人生も似ているところがある。手持ちの材料の再点検を
 して、使い方を考える。考えて考えて考えて、無い知恵を出す。そして、
 「機能的固着」に気づいて、一歩外に出て、視点の逆転をする。役割における
「機能的固着」は、私たちの人生を牢獄にする。それが… ある日、突然に、
 『さあ、自由に羽ばたきなさい!』と、不要物として、放り出されたとしても、
 成す術が出来てない。 ~以下は「ローソク問題」ネット検索で調べた内容~
 《 …心理学者のKarl Dunkerは、ある実験をした。
  被験者に図を見せて、ロウソクと、マッチと、箱一杯の画びょうがあります。
テーブルに蝋がたれないようにロウソクを壁に取り付けてくださいと尋ねた。
 被験者たちはなかなか正解に辿り着けない。この問題は、ちょっとした発想の
転換を必要とする(でも労力は要らない)、結構な難問なのだ。
  この実験では、もう一枚の図が用意されている。大きな差はない。
パーツは全て同じだ。でもその図では、画びょうが箱の外に出ているもの。
テーブルの上にあるのは、マッチと画びょうとロウソクと、箱。
これで同じことを被験者に求める。「テーブルに蝋がたれないようにロウソク
 を壁に取り付けてください」こうすると、被験者たちは易々と正解に辿り着く。
もともとの問題が解けない理由は「機能的固着」のためだとされている。
 人々は、画びょうが入っている‘箱’の存在に気がつかない。気がついても
 その真の価値に気がつかない。箱の機能を無意識に固定してしまっている為だ。》
▼ 箱から画びょうを外に出した後に、内側から壁にとめて、土台にする考えに
 至るのは非常に難しい。そこで元もと外に出しておくと、直ぐ正解に辿りつく。
 中村天風のカリアッパとの禅問答、『一度、コップの水を空にしてから、新しい
水を入れろ』の教えに通じる。私たちの日常生活でも、固定してしまった箱に
目を捉われ、その中身を取り出したり、箱そのものを他に利用しようとしない。
 死を直前にした虚無の怖れに直面して、それまで縛られ、拘っていた固着に
初めて気づく。そして、独り、『しまった!』と嘯くのが人生の常。そして、
 般若心教を急ごしらえで学ぶことになる。それさえ極、一部だけ。
そこで、ドリップアップをした向こう側からの逆転の視線が必要となる。