2003年12月29日(月)
999, 人間って何の為に生きているの?

 昨日、TVで「男はつらいよ」を見ていたら、「人間って何の為に生きているの?」という質問に
「『ああ〜、生きていて良かった!』と思う為に生きている」という寅さんの言葉が良い。 
刹那的な言葉であると同時に,複雑な思いが残る。「ああ〜、生きていないほうが良かったのに!」
と思いざるを得ないような背景があるからこそ、この言葉の重みが出るのだ。
また、柴又の住職が「寅さんの言葉を借りて仏様は話しているんだよ。
仏様は愚か者を、むしろ愛しているようだ」という言葉に監督の思い入れを感じた。
  ところで、この質問を自分に投げかけられた何と答えるだろうか?
「飯食って、糞して、死ぬだけ」という名僧・暁烏敏の言葉が思い浮かぶ反面、
「よく遊び、よく学び、よく働くこと」が私の答えになる。死ぬ時に「ア〜よい人生だった!」と思えるかどうかだ。
 哲学とか何とか難しいことを言っているが、突き詰めればこの問題になる。
「自分の人生は何だったのか?」=「人間って何の為に生きているの?」しか究極はない。
生老病死」という大問題を乗り越えた果てに「あ〜生きていて良かった!」と言えてこそ人生を勝ち取ったことになる。
 そういえば母や叔母から、この言葉を聞いたことがあった。
叔母の場合足を切断するかしないかの瀬戸際に、あわや信濃川に投身自殺をしそうになって思いとどまった。
その後切断しないで済んだが、その直後に法事で聞いた話である。絶望の果てに、この言葉がある。  
暁烏敏といえば「十億の人に十億の母あらむも わが母にまさる母ありなむや」の歌がよい。

・・・・・・・