閑話小題 ~「想像は思考に打ち勝つ」

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   * クーエの法則

  エミール・クーエの言葉… 
<日に日に 私は あらゆる面で 良くなっていく> である。
このクーエの考えを発達させて、シャルル・ポードゥアンは
「努力逆転の法則」と定義している。 
  クーエの原則は以下の通りである。
≪・ ① 意思は想像力に絶対勝てない。
  ② 想像力は意思の力の二乗に正比例する。
 ③ 意思と想像力が同調している場合、そこから生じる力量は、
  両者の和ではなく、積によってはかられる。
④ 想像力は誘導可能である。
・以上を総じていえば、「想像は思考に打ち勝つ」という法則である。
 自己暗示法の創設者フランスの精神科医・心理学者エミール・クーエに
よって実証された。人生の方向は、おおかた、自分が日々どのように
考えているかによって決まってくる。
・「すべてはますますよくなっていく。」の言葉をリラックスして繰り返し
 静かに自分の心の深み(霊)にこう語り掛けていると、だんだん否定的な
思いから解放され、すべてがよくなっていくように思えてくると気力が回復し、
体調もよくなり、現実の問題に前向きに取り組む力が湧いてくる。結果として、
時間の遅速はあるが、生活のすべてがよくなってくる。自己暗示(想像)は、
その人の思考を変え、その人の人生を変えていくというのが、この法則」。
・この法則、聖書的な原則でもある。「スピリット(霊)はマインド(魂・思考)
を支配し、マインドはボディ(体)を支配し、ボディはライフ(生活)を支配する」
という法則。霊が健全であれば、魂が健全になり、体が健康になり、生活が健全
になる。だから、霊の健全性を保つことが一番大切である。もちろん「原則
」には、時と場合によっては「例外」もある。≫

▼ 姉の一人が両親に次ぐ指導者であった。10歳の頃、勉強に目覚めさせる戦術。
<まず一つの科目で優をとりな、そうするとコツがわかってくるし、面白くなる>
そして14歳時に、<いま成績を上げておかないと、一生、手遅れになる。両親に
口添えしてやるから東京の高校に挑戦しなさい>  その言葉で周囲を見渡すと、
手遅れと、手遅れでない同級生が二分されていることに気づき、猛勉強をした。
無理だったが、それで何とか地元の受験校に合格。 そのチャレンジが
なかったら無理。そして、最後に、大学の頃、
< よ~く見ておきなさい。私の夢が、日々、切ったはったの商店だけは嫌でね、
 東京郊外の辺りに、庭のある小さい家にと温和な旦那と子供に囲まれた生活を
夢見ていた。それがフッと振り返ると、そのまま有るの。それにはね、何になり
たいか、何をしたいかをハッキリさせてイメージを具体的に持つことよ > 
 そして一年後に、創業を目指すという立志ご、二年後に欧州一周旅行に行く
キッカケになった教えである。 時は昭和40年代、日本は高度成長真只中、
本屋の書棚には、このクーエの法則を発展させたような本が多く並んでいた。
 この法則は、まさに肯定思想の自己暗示そのもの。司馬遼太郎歴史小説が、
…世界が緑の原野、それも木々の枝には鈴なりの果実が実っているような原野に。
<日に日に 世界は あらゆる面で 良くなっていく>の バブルの世界に。
しかし、こと情報革命がもたらしている、情報社会の面白さと、それが齎す現象
に関しては、この言葉が、あながち間違っているとはいえない。
クーエの原則の想像力を映像力に置換えると
【 ① 意思は映像力に絶対勝てない。
  ② 映像力は意思の力の二乗に正比例する。
  ③ 意思と映像力が同調している場合、そこから生じる力量は、
    両者の和ではなく、積によってはかられる。
  ④ 映像力は誘導可能である。】 とあいなるが、
この映像力を、ネット力、AI力に、置換えると、更に考えさせられる。

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6244,閑話小題 ~自由化された売春 -2 新潟県知事版
2018年04月18日(水)
   * 自民党対、野党の場外乱闘ですか! 
寅: 新潟県知事が少女買春を週刊誌に素っ破抜かれて辞任騒ぎ。
  自民党対野党の場外乱闘ですか!
大家: 財務省事務次官のセクハラ疑惑のお返しというところ?。
  一番喜んでいるのが東電と自民党原発反対を売りに、県知事になった
  んだから。そりゃ… 
熊: 俺が東電なら、50歳の独身男なら、下ネタ・スキャンダルを徹底的に
  調査して、週刊誌に流すね。知事とはいえ男の何は「生理現象」だもの、
  ストレスも多いしね。妙に弁護したいよ。だって男って…分かるだろう。
寅: 八つぁんが、数日前に、ここで、デリバリの売春・買春が合法的だって
  言ったばかりじゃないか。
熊: 御相手は未成年があり、その都度、相手が変えていたというじゃないか。
寅: 県知事が、この下ネタじゃ、続行が不可能ですよ。 
大家: 脇が甘いということ。この妙手があったと、逆に納得しましたよ。
寅: 東大、ハーバード大出の御医者様というじゃないですか。何で結婚を
  しなかったのだろうね。下ネタと初め聞いた時には、ホモ、ロリコンとか、
  変な想像をしてしまったがね。
熊: 俺様なんぞ、10数年前から、ロングラン犯罪捜査サスペンスの
  「クリミナル・マインド」を数百本も見続けてきたから、異常者の犯罪
  には、詳しいんだ。
八: そういう話なら私も参加するね。マザコンで、優等生タイプの典型。
  あれだけの肩書で未婚とは、勘繰られても仕方がないよな。世の男ども
  からすれば、羨ましい肩書だが、それが逆に不自由にしてるんだよ。
大家: 「維新の会」の橋下が、『米山を県知事に頂いた新潟県民は、
  不幸だね。』と言っていたが、どうだろう?現在の松井府知事も、訴訟を
  しているようだしね。それにしても、政治の世界は嫌ですね。
寅: 妻子持ちなら非難されても分かるけど、独身でしょう。 少女買春か
  どうかを知る由もないのでは?
大家:三人は、いやに下ネタに甘いのは分かるがね。
寅: 彼が県知事の間は、柏崎・刈羽原発の再開が無いと、安心していたが、
  これで如何なることやら。時節が時節だけに心配だね。少しでも煙が
  たてば、誰もが推進派に入れないだろうがね。
熊: まだ30年、40年の人生が残されているのに… 順調な人生を過ごして
  きたのに気の毒だよ。
八: これだけは幸か不幸か分かりません。医師免許を持っているんだから、
  海外にでも行って、何もかもから解放されて生きる道もあるし。
  ドッチもどっちだよ。 地元の原信というスーパーがあるだろう。
  30年前頃に、兄が弟を追い出した件さ。当時の4億の金を手にした弟の方
  が、遥かに良かったさ。現在でいえば10~20億だろう。弟が私のところに
  訪ねてきたがね。「自分は創業に向いてないし」、と迷っていたけど、
  今からすれば、その御蔭でハワイでノンビリ出来て、兄はガンで壮絶死!
  万事、塞翁が馬だからね。これだけは!

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5877,世界がもし100人の村だったら お金篇 ~1
2017年04月18日(火)
     『世界がもし100人の村だったら お金篇
          ~たった1人の大金持ちと50人の貧しい村人たち 』
              池田 香代子 (著), C.ダグラス・ラミス (著)
  ~まずはAmazon(内容紹介)より~
≪ 「お金」を糸口にすると、世界の仕組みがよりリアルにわかる!
   累計160万部のシリーズ最新
  世界のGDPは2000年からの15年で2倍以上になりましたが、
 貧しさはなくなりません。
  世界がもし100人の村だったら
1人の大金持ちの富と 99人の富はだいたい同じです。
なぜ、そうなったのでしょう?

 イギリスのEU離脱トランプ大統領就任……
新しい時代に生きるわたしたちが知っておくべき世界の実態を
 わかりやすい数字と解説で紹介する 新『100村』の「お金篇」、緊急出版! ≫
 ―― 主な個所を抜粋 ――
 ▼ 出版以来、15年経過するが、
・ その後の世界はネットが飛躍的に普及し、
  世界の半数近くがネット環境を持つようになった。
・ 人口は60億人から73億人と20%増加。
・世界のGDPは2倍以上になりましたが、貧しさはなくならない。
・100人のうち、
  26人が子供で
 74人が大人で、
  8人がお年寄り
 ・60人がアジア人で、
  16人がアフリカ人で、
  13人が南北アメリカ人で、
  10人がヨーロッパ人で、
  あとは南太平洋地域の人です。
・54人が都市に、46人が農村や砂漠や草原に住んでいる。
  その都市に住む54人のうち12人がスラムの住人です。
・33人がキリスト教
  23人がイスラム
  13人がヒンドゥー教
  7人が仏教を信じている
 18人が、ほかのさまざまな宗教を信じているか、
  あるいは何も信じていません
――
 ▼ 僅か15年で、世界の人口が2割も増えているとは驚き。
  このままいけば20年数年後に100億人になる。地球にとっては
異常な人口過剰状態になる。そこで起こるのが何らかの自然淘汰
そして現在起きている一強多弱の世界。そこには当然、争いが多発する。
 「お金は、剥き出しの真実」とすると、この<お金篇>は、
シリアスの世界を、そのまま写しだすことになる。 ~つづく

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5512,人類史上最大のバブルが弾ける時 ~②
 2016年04月18日(月)
      ~【中国とどう付き合うか】人類史上最大のバブルが弾ける時
                熊谷亮丸『大和総研』チーフエコノミスト
   * 中国の成長モデルは賞味期限切れ
 隣りの中国は、今や世界恐慌をもたらすかもしれない火薬庫でもある。
 経済の失敗を覆い隠すために、戦争を仕掛ける可能性もあり、その時期が、
3~5年先かもしれないというから、尋常の話でない。日本は、大地震
大噴火、そして異常な国債過剰などを抱え、中国経済の問題は、他山の石
ではない。現役だったら、その危機感は想像を超えたものだろう。特に、
 地方は、激流の波の被害を一番早く受けることになる。問題は、その後の、
 日本への難民の処遇問題になる。 グローバル化とは、こういうこと!
≪ 中国の成長モデルは最早、賞味期限切れが近付いている。
  構造問題が山積しており、経済的・社会的な矛盾が臨界点を超えつつある。
 経済面では、政府との癒着が続く中、国有企業の改革は遅々として進まず、
 労働生産性が低迷している。 国有企業は利益を配当として政府に還元する
 ことなく、非効率な事業への再投資を続けている。経済の牽引役は依然として
“箱物”中心のインフラ投資で、経済のサービス化も遅れている。
 結果として民業は圧迫され、規制緩和等を通じた民間企業のイノベーション
進展していない。社会構造の面では格差が拡大・固定化し、低賃金労働者の不満
が溜まっている。社会保障・教育・医療等のセーフティーネットの整備が不十分
であることも、消費低迷を助長している。
  中国には“ネズミ族”という、地下の明かりの無いところで共同生活を送る
貧困層が100万人以上存在すると言われる。その多くが地方からの出稼ぎ労働者
 (農民工)だ。彼らの部屋に窓は無い。その暮らし振りは、宛ら洞窟で生活する
 ような印象だ。 これらの構造問題を根本的に解決しない限り、中国がどれだけ
公共投資等のカンフル剤を打っても、それは問題の先送りに過ぎない。
 将来的には、より一層膨張した“バブル”が弾けるという最悪のシナリオが
不可避となるだろう。
  ここで、中国で“バブル”が崩壊した場合の潜在的マグニチュード定量
しておきたい。 筆者のシミュレーションに依れば、
 〔資本ストック調整が本格化する“メルトダウンシナリオ”では、中国の潜在
 成長率は1.6%まで低下し、実際の経済成長率は大幅なマイナスに陥る。〕 
  勿論、一般論として言えば、世界経済のドライバーは依然としてアメリカで
 あり、決して中国ではない。仮に中国経済が少々減速した場合でも、日本経済に
与える影響は軽微なものに留まろう。しかし、中国経済が“メルトダウン”する
場合には、全く別次元の話となる。その影響は、〔世界経済を奈落の底に叩き
落とす程の強烈なインパクトを持つ〕ことになりかねない。中国の政策当局には、
 自らが置かれた状況を的確に認識した上で、中長期的な構造改革と、短期的な
 カンフル剤に依る景気刺激策をバランスよく講じて、何とか中国経済
“ソフトランディング”に導くことを切に期待したい。尚、中国での“バブル”
崩壊に伴う日本への悪影響は、主に中国向け輸出の低迷と、消去法的な
円高進行を受けた他地域向けの輸出低迷という2つのルートから生じる。
 中国人に依る“爆買い”の消失を懸念する向きもあるが、2014年のデータでは、
 日本の対中輸出は13.3兆円程度と、訪日中国人の日本での消費額(5600億円程度)
の24倍に達する。つまり、中国向けの輸出は中国人に依る爆買いよりも、日本
 経済に与えるインパクトが遥かに大きい。中国経済の減速に備えて、我が国の
政策当局は何をなすべきか? “Do your homework.(自分の宿題をやれ)”と
 いう言葉があるが、日本政府は自らの積残した課題に粛々と取り組むべきだ。
 現時点では、当初のアべノミクスの3本の矢の中で、“第1の矢”(金融政策)
に過度な負担が集中しており、構造改革は若干遅れ気味である。今後は、
①農業・医療・介護といった分野における所謂“岩盤規制”の緩和
社会保障制度の抜本的な改革を通じた財政規律の維持等の国民にとって
 耳の痛い構造改革を断行することが、最大の課題となるだろう。≫
 ▼ 今回の熊本地震、まさか九州の中部で大地震が起こるとは思っても
 いなかったようだ。そして、いざ災害になると、その準備態勢が如何に
甘いか知ることになる。これは、中国のメルトダウンに対しても言えること。
 問題は、弱者ほど、その対応が不十分ということ。「弱者だから準備ができ
 なかったからではなく、準備をしてないから弱者」 とも言えることになる。
 「南海トラフ地震が本陣とすると、その一部の部隊が動いた一現象」か!
 東北大震災が本陣とすると、中越地震刈羽地震、一連の東北地区の地震が、
 熊本大地震にあたる。 直近でないとしても、本陣が控えていることは事実。

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5147,1%による1%のための勝利戦略 ー②
 2015年04月18日(土)
      【金持ちが確実に世界を支配する方法】スーザン・ジョージ著   
  ー内容紹介ー 
    ~ネットにあった概要の後編より
≪・本書の前半では、「第1回報告」(これも架空)を振り返り、社会、経済、
  環境問題の展開を検証する。後半では、「階級闘争勝戦略」の提言を行う。
 「階級闘争勝戦略」は、投資家で世界第三位の大富豪ウォーレン・バフェット
 の2006年の発言、「階級闘争があると言いたいなら、そう言ってもいい。しかし
戦いを仕掛けているのはわれわれの階級、金持ち階級のほうで、勝利は目前だ」
から取られたものであり、1%の野望をはずかしげなく洩らしている。
・本書によれば、リーマンショックにもかかわらず、1%への富の集中は進んで
 いるので、彼らが仕掛けた階級闘争は順調。彼らの「必勝戦略」は、ひたすら
99%を洗脳する事と、言い変えると「文化的乗っ取り」あるいは「メディア戦略」。
 「民主主義をお払い箱に」にし、人権を縮小し、自由競争や自己責任の言葉の
連発で、新自由主義に洗脳することが、1%層の宿願である。
・本書の架空の作業部会が、日本の採点をするとしたら、世界の優等生として
褒めてもらえそうである。福祉(医療、年金、生活保護)の切り下げ、消費税に
 よる99%層への収奪、一方では大企業への減税の大盤振る舞い、経済格差の進展、
 実所得の低下、子どもの貧困率のさらなる悪化、東電福島原発事故の発生と
 その被害者の切捨て、秘密保護法の制定、集団的自衛権行使への動きとそれに
伴う軍需産業の動き、国民を犠牲にしても自由貿易を拡大しようとするTPP推進、
ますます政府の広報機関と化している新聞・テレビなど、日本で進行中の動きは、
 本書が暴き出した「1%による99%支配の強化」の日本版と読替えれば、すべて
納得がいく。本書は、日本での動きが、世界を席巻するグローバリズム
新自由主義化)の一環であることを改めて教える。
・本書の性格上、99%による1%への対抗戦略は書かれていない。1%が何を考え、
そのためにどのような手段を使っているか、を寓話形式で知らしめることが
目的だからである。99%が明日からでも実行可能な、1%への対抗戦略については、
ジーン・シャープ著『独裁体制から民主主義へ』がある。≫
 ▼ この政策を実行するに、3つのS戦略が重要としている。 スピード
(すばやく)、セクレシイ(知らせず)、ステルス(水面下)である。これに
 サプライズも加えることができるという。中国は、彼らと同じ体質を持っている。
この傾向は、短期間で達成している。地中海クラブに住む劣等国民には、憎悪
すら感じている。彼らは身に合わない生活をしてきたため、債権は、他の国が
払うべきと信じて疑わないが、これも時間の問題。アフリカ、中近東は、彼ら
 の手先の一部王族が、天然資源を独占、営利を貪っている。それがIS国として
大きなウネリとして支持を得ている。世界は、1%の人たちのためにあるようだ。
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4782,大不況には本を読む
2014年04月18日(金)
  * 「本書のまとめ」      「大不況には本を読む」橋本治
  今さらだが、時代を鳥瞰するにクリアーで解りやすい。 ー(P183)
 《【十八世紀の後半に起こった産業革命は、それまでの世界のあり方を変えて
 しまった。その新しくなった"世界秩序"が日本にやって来て、日本は150年前に
開国した。開国した日本は、その時の世界秩序にのっかって、見事に成功した。
 成功して行き過ぎて、第二次世界大戦バブル経済という二度の破綻を経験した。
 成績トップになった優等生の日本は、それゆえに"見事な破綻"を経験するが、
その他の国はまだそこまで行っていないので、相変わらず"産業革命以後の体制"
は健在だったが、今度はアメリカが新たな破綻にぶつかった。産業革命以降の
体制は、アクセル全開の自由貿易主義だったが、そのこと自体にブレーキが
 かかってしまった以上、改め"ブレーキをかけることの意味"を理解した方がいい。
  そんな世界的なあり方は、″会社の仕事に追い回されて、自分及び自分の家族
やその周辺のあり方を省みない゜という日本人のあり方にシンクロする。自分の
 あり方を省みるために、もう一度‘本を読む’というところに立ち戻ったらいい】
  この考え方をエコノミスト的に裁断すると、私は「保護主義のイデオローグ」
ということにもなるが、私はエコノミストではない「人間のあり方に立脚する」
 文芸関係者なので、「そりゃお門違いだろう」ということにしかなりません。
  バブル経済へ向かって進行する中で、いくつもの誤解は生まれましたが、
 「経済が分からないのはバカだ。物事は経済的見地’にのっとって見なければ
 ならない」ということになってしまったのも、その一つです。 経済の方で
保護主義的」と言われるものは、「人間のあり方に立脚する」立場からすれば、
 「人が生きて行くために押さえておかなければならない基本」でもあって、
だからこそ私は、経済の方では「保護主義的」と言われるものを「自立」と
関連づけるのです。「金儲け」のことをあまり考えない、その能力があるとも
思えない文学や思想、哲学といったもの ーつまり「文学」「その他」は、
 「働いて金を稼ぐ」に代表される現実生活のことを、ともすれば忘却しがちです。
  ・・・ 2008年秋以降の・金融危機・経済危機はそれで、「破綻してよかった」
でもあります。しかし、でありながらも「世界」の方は「豊かさの達成は進行中」
という前提に立って、相変わらずの「富の均質化」を求めます。だから、輸出量
や輸入量の調整は求められるのですが、この「調整」の向う方向は、一つです。
 「豊かである国の、既に達成された豊かさを目標にして、世界中を均す」です。
 既に経済危機で「豊かな国の豊かさの基準」はぐらついているのですが、世界が
「豊かさの達成はなおも進行中のはず」という前提に立っている以上、目標と
 される基準値は「豊かな国の豊かさ」です。そしてこれは、「工業に追い抜かれ、
 工業にすがりついて追いつこうとする農業の哀れさ」と同じ質のものなのです。》
▼ 大きな節目時に、読書をして行間を読むしかない、ということ。
  特に、アメリカの露ばらいをさせられた日本こそ、新たな解決をしなければ
 ならない。「経済の自立=保護主義的になりざるをえない、という基本を押さえて
 おくこと」には、考えさせられる。日本は明らかに衰退の道を歩き始めた。
しかし、現実をみると、誰も直視しない。そのツケは、株価と国債の暴落という
突然の崩壊で生じることになる。日本は近い将来、豊かさとは、かけ離れた国の
悲哀を味わうことになる。150年の間の政治経済のマクロの流れを振り返り、
 今後の方向性を見つけることは至難の業だが、それでも見つけ出すしかない。
 「普通の国」が、キーポイントだが、地政学的に見て、日本は中国とアメリ
 の間にある海洋国家。その辺りが鍵になる。今後10年間は、これまでの10年間
より遥かに厳しい事態になる。この20年間の変化が、10年間に圧縮して襲い
 かかるとしたら、考えただけでも身震いがするが、興味もそそられる。
 気の毒なのは、若い人たちである。