読書日記 ~世界急変とは

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        < 欧州壊滅 世界急変~
         「英EU離脱」で始まる金融大破局の連鎖/渡邉哲也(著) >

         * さもあらん、この英国と欧州の動揺
 2016年に英国がEU離脱を決めた直後の書かれた著書を図書館の天使に導かれ?
借りてきた。その三年後の時節が、今まさにやってきた。 が、いざ直面して、
ことの大きさに、英国とあろう国が大きく動揺。あの大英帝国だった国が…。
直接国民投票の弊害とは、このこと。 英国にEU経済戦略拠点を置いていた
グローバル企業が次つぎと撤退を発表。 これでは欧州における存在価値は
廃れる一方。「自国ファースト」の本音が表立って、新たな冷戦状況が顔を
もたらしている。この流れに影響された米国で、トランプが大統領に成上り、
世界を震撼とさせている。 3年前の著書の内容そのままが、現在、その時を
むかえた。 欧州経済にとって大混乱の幕開け。かっての力を失った英国は
前ほど強くはない。 政治のプロが決めるべき政策を、凡庸の国民の一時的
意志に委ねるとは… この根底には情報化、グローバル化の潮流がある。 
それを先読みして、導くのが政治家。 この酷い状況の時節には、ヒトラー
ムッソリーニスターリン毛沢東などの醜悪の独裁者が現われ出てくる。
冷静にふり返れば、解ることだが、当時は雲上人の存在。 違いは現在は、
知能程度がまる見え。とはいえ、問題は、一度与えた権力の持つ脅威。
「欧州激変」だけに留まらず、これは「世界激変」。21世紀に入ってから、
たて続きに「ブラック・スワンが」が到来している。そして、彼方から更なる
鳴き声が近づいているような。世界を植民地化した欧米の白人向きに造られた
世界が、ここで崩れようとしているのか、そんな軟弱でないのか?
 ―
  内容紹介
 英国の国民投票の結果、予想外のEU離脱が決定した2016年6月24日以降、
世界では経済の乱高下が繰り返され、移民問題やテロ問題が拡大、2017年の
仏・独・蘭での選挙により欧州分裂が現実となる可能性が高まっている。
一方で英国と蜜月関係を築いた中国への影響も大きく、AIIBは先行き不透明
となり、さらに仲裁裁判所で南シナ海の支配権も否定され習近平政権は暴発寸前。
米国大統領選の帰趨、混乱する世界の行方と参院選後の日本の変化を読む!
◉第1章「英EU離脱で世界の勢力図が大激変する」では、
 イギリスの国民投票の結果分析と、直近1ヶ月ほどの間の市場や世界の動きを
 解分析。グローバリズムの終焉と、イギリスの動きがなぜ中国に影響するのか
 を解説しています。
◉第2章「2017年、EU分裂への秒読みが始まる」では、
 金融、経済、難民といったEUが抱える問題を紹介。CoCo債とドイツ銀行
 フォルクスワーゲンなど、金融も経済も深刻な状況であると分析しています。
 また難民問題では収拾がつかず、EU各国が国境を復活。EUが自力では
 この問題を解決できないと指摘。
◉第3章「日本主導で『中国排除』が世界の新秩序に」では、
 混乱する欧州とは対照的に存在感を増す日本の話題。日本が進める対中包囲網
 を伊勢志摩サミットと首脳宣言から分析し、次代の世界秩序が日本主導で構築
 されつつあると、指摘。
◉第4章「絶命寸前の中国経済、そのウソと矛盾」では、
 中国問題を解説。バブル崩壊後の中国が、さらにイギリスという後ろ盾を
 失ったことで混迷を極めてると指摘しています。 
 なお、この章は昨年出版された『中国壊滅』と『余命半年の中国経済』の
 「その後」であり、併せて読むといいでしょう。中国の状況が渡邉先生の予想
 した通り… というか、悪いほうに悪いほうに進んでいるのが、わかり過ぎて
 切なくなります。
◉第5章「租税回避でねらい撃ちにあうグローバル企業」では、
 脱グローバルを経済の面から解説。世界の流れがグローバルから現地生産方式
 にシフトしていくことを、アップルとトヨタを例にしてりして、わかりやすく
 説明されています。この章については今年5月に発売された
 『パナマ文書:「タックスヘイブン狩り」の衝撃が世界と日本を襲う』
 のダイジェスト的な感じになっていますので、『パナマ文書』も合わせて
 読むといいかも。
◉第6章「大混乱へ向かう世界で日本が躍進する道」では、
 消費増税再延期と参議員選挙など、最近の国内問題を採り上げています。
 参議員選挙で浮き彫りになった野党の迷走ぶりと連合の分裂、安倍政権と
 財務省やメディアの関係に言及。日本の製造業の可能性を評価するいっぽう、
 銀行には厳しい指摘をしています。

 全6章のうち2章がEU、中国で1章、脱グローバル関連で1章、
日本メインが2章です。『欧州壊滅 世界急変』ですが、全体の3分の1は
日本に割り当てられています。というのも、読んでいただければわかると思う
のですが、この荒ぶ世界でキーマンとなるのが日本あり、私たち日本国民です。
 読後には、そういう使命感が湧いてくると思います。
 大変な世の中ですが、がんばらないといけませんなぁ……。  ≫

▼ その最中に起こったのが、日産のゴーンの逮捕劇。これは検察の権威回復
 を狙った突発行為。一番、慌てたのが安倍政府。トラの尾を踏んでしまった
のである。ならば、トラの狙い目は『東京オリンピック』の妨害。誘致先の
決定の全ての何れの場面をとっても、汚職につながる。アベノミクスの推進に
必要かもしれないが、幾らなんでも、この時節にオリンピックはない!
 その付けは、次世代の人たちにやってくる。衰退する国家を彼らが担う。
世界は、第一次、第二次世界大戦の前夜に酷似している。 その前に、
今年は、あの歴史的経済事件・リーマンショックの前年の状況と同じ。生臭い
空気が流れている。火種は、世界中に幾らでも転がっている。 英国にしろ、
アメリカにしろ、中国、北朝鮮問題しろ、一神教の仲間内と、一神教対その他
の争いになる。それは、人種、民族の相克の永遠のテーマになる。それらは
抱え込んで発火に注意するしかないが、これも何時まで保たれるのか?

・・・・・・
6224,閑話小題~ 「わがままこそ最高の美徳」だと!
2018年03月29日(木)
         <「わがままこそ最高の美徳」ヘルマン ヘッセ (著)>
   * 我が道を行け!
 何処かの誰かが聞いたら卒倒しそうな内容だが、我ままの核心を如何に上手く
隠しながら、生き方として貫けるか否かに人生がかかっていると。
利己的遺伝子論は、ドーソンは遺伝子を人間的表現の利己的遺伝子と表現して
広まった説である。集団内の他者に対する「利他性」は、種の生命維持のため、
必要に迫られたものとする。その説の一部を引用して本来の自我は「わがまま」
であり、それを前提にコントロールの必要性があると飛躍した論が罷り通った。
  ~内容紹介~
≪ ヘッセは少年時代から我が強く、親の手に余る子で、神学校の寄宿舎から脱走
 して落ちこぼれになる。しかし、ずっと詩人になる夢を諦めず、独学で大作家
になった。自分を信じて生きることの重要性を説いたエッセイと詩を集めた詩文集。
 「人生の下劣さに抗する最良の武器は、勇気と、わがままと、忍耐です。
勇気は私たちを強くし、わがままは愉しさを生み出し、忍耐は平安を生み出して
くれます」(ヘッセ) ―小さいときから我が強く、非行少年のレッテルを貼られ
ながらも、自分の好きな道を邁進し世界的な文学者になったヘッセの「わがまま」
礼賛の書。戦争や政治の季節の中でも自説を曲げなかった強靱な精神とは。
素敵な詩文集。」
  ~レビューより
「わがまま」と言えば、悪徳とさえ思われるもの(特に、日本において)なのに、
何故に「最高の美徳」なのか?ドイツ語圏でも「わがまま(Eigenshinn)」と
言えば、「普通あまりよい意味で用いられる言葉ではない」と翻訳者の岡田朝雄
も「訳者あとがき」に記している。
「個性の尊重」と日本でも言われる場合があるが、本当にそれを実現していこう
とすれば、「わがまま」「組織を大事にしなくちゃね」「世間はそんなに甘くない」
などという非難にすぐに出くわすことだろう。 日本では、「大勢順応主義」が
唯一のイデオロギーであるだけに、諸外国に比べても、「個性の尊重」に対する
圧力(もっといえば、抑圧)の度合いがいっそう深いといえるだろう。
 ヘッセは、この本の中で、「真に個性をもつ人びとは、この世でほかの人びと
よりも難儀しますが、またずっとすばらしい生活をします。彼らは群衆の保護を
受けませんが、自分自身の想像力の喜びを享受します」と言う。
 自己実現には、困難や孤独が付きまとうものらしい。 しかし、そこには、
何物にも侵されない喜びもあるのである。
ヘッセ自身、学校からの脱走、自殺未遂、心の病を体験しつつ、自己実現を成し
遂げからこそ、その喜びを語ることができたのだと考えられる。 

▼ 我ままといえば、子供の頃の黒柳徹子。そこで調べると、
【 彼女が通ったトモエ学園は、かつては東京・自由が丘に実在した。
 2016年5月7日付朝日新聞によると、自由教育の提唱者である手塚岸衛氏が
1928年に創立した「自由ケ丘学園」の幼稚園・小学校を、小林宗作氏が1937年に
引き継いだかたちで創設した。小林氏は音楽教育法リトミックを基盤に、子ども
の個性と自主性を尊重する教育を実践したという。
ドラマの原作となった自伝小説「窓ぎわのトットちゃん」によると、
黒柳は母の紹介で、この学校に転入した。黒柳は好奇心旺盛すぎて授業中に机の
フタの開閉を100回ぐらい繰返したり、教室の窓から大声でチンドン屋を呼んだり
したため、尋常小学校を1年で退学になったという。
トモエ学園では、本物の電車も教室に使われ、授業はめいめいが好きな科目を
選んで始めることができた。午後にはみんなで散歩という、一風変わった学校
だったが、黒柳は大好きだった。当時の自身について、「びっくりする事件を、
いくつも起こしていた」と黒柳は「窓ぎわのトットちゃん」で振り返った。
しかし、そんな事件が起きても、校長の小林氏が黒柳の両親を学校に呼び出す
ことはなかったという。かわりに小林氏は黒柳見かけると、「君は、本当は
いい子なんだよ」といつも言った。】とあった。
 ここで、<ヘッセへの治療にもかかわったといわれるユングは、
「人格が未熟の状態から完全な自己意識へと発達することは、賜物であると同時
に呪いでもあるのだ」と述べたが、ヘッセの主張とも符合する。それは二人とも
自己実現がいかに激しい二律背反を伴うものかをよく知っていたからだと言える。
だからこそ、孤独を恐れずに自分自身と向き合いつつ、日々の生活の中で、自己
実現に心を砕いていく「狂狷の徒」に対し、この本は勇気と喜びと平安を与える
ものとなるだろう。>が、ずばり核心をついている。 
 創業で自己実現を図ってきた人生に少し疑問を持っているが、その面白味と
充実感が残っている。父親の後ろ姿を、幼児の頃から見てきたから、何とか続け
てこられたようだ。結果など、二の次と… 何を選び、何を徹するか。
彼女が繰り返し語る言葉に、「他と比べない」がある。経験と知識の絶対量の
少ない三分の二の人達は、身辺の比較だけが、彼らの科学になる。それが長年
かけて自分自身を押さえつける。
 
追)以下の文章を読返し、芸術家とは、「エゴそのまま」の人間になる。
 ということは、芸術家には都会の環境が良いことになるか?それも閑静の。

・・・・・・
5127,「魂」の思想史 ー④
2015年03月29日(日)    
       ~「魂」の思想史: 近代の異端者とともに ー酒井健 (著)
  * ゴッホの魂 ーA
 ゴッホの魂は、ルター派のひとつ、カルヴァン派の職業観から生まれ出て
くる「働く神」であった。貧しかった彼は、いつも神から「退けられた者」
という劣等感にさい悩まされ、それが、そのまま、魂のエネルギーとして
絵画の中に残っている。  ~その辺りから(p27)~
≪ ドイツ人のマルティン・ルター(1483~1546)がカトリック権力者たちの
 信仰姿勢にプロテスト(抗議)したのが始まり。ルターによれば、信仰は、神と
信者の直接的な関係を本質としており、両者の間で唯一認められる媒介項は
聖書だけだとなります。カトリックの総本山ヴァチカンの豪華な教会装飾などは
邪道の最たる例となります。質素に信仰に励み禁欲的に労働に従事することが
称えられ、贅沢、無駄遺い、怠惰は批判されました。聞くべきはイエスの言葉。
「わたしの父は今に至るまで働いておられる。わたしも働くのである」
天上の神も地上の神イエスも労働に専念しているのだから、神に喜ばれたけれ
ば、禁欲的に働かなければいけないというわけ。こうしたルターの禁欲的労働
思想をさらに神中心に改革したのがジャン・カルヴァ(1509~1546)でした。
人類を救済する全権は神が握っている。救われる人を神はすでに選んでいる
(「予定説」)。 では、「選ばれていること」は何によって分かるか、その証は
何なのか。カルヴァン派の人々は、自分の職業を神から与えられた天職とみなし、
それに禁欲的に励んでいられることが「選ばれていること」の証だと考えた。
こうなると、誰しも、この証を示そうと自分の仕事に真剣に従事するように
なります。同時に、職についていない人間は、神から「退けられた者」と
みなされ、蔑まれます。カルヴァン派の労働論にはもう一つ注目すべき点が
ありました。労働を個人の問題ではなく、社会への貢献・社会にいる人々への
隣人愛と捉えた点です。隣人愛といっても、神中心に考えられているわけです
から。まず神への愛があり、それから同じ社会に生きる人々への愛があるが、
端的に言えば、人類を愛する神に愛をもって応えねばならないということです。
カルヴァン派にとっても神は基本的に「働く神」でした。その神は神自身に
合わせて人間の社会を働く集団にしようと欲した。人類の幸福を願って、
そう欲した。こうした人類に寄せる神の愛に応えるべく、労働社会に役立つ
労働をしなくてはいけない。神への愛の証とて社会に役立つ仕事、社会の人々
を愛する仕事をしていなければいけないとカルヴァン派は考えていた。
(略)・・「逆境にいる人々に平和と安ぎを与える。」これがゴッホにとって、
愛するということの第一義でした。この愛に照らして神学部の受験勉強は役に
立たないと感じられたため、彼はこれに興ざめし、アムステルダムの赤線地帯
の補助説教師に、ボリナージュ炭田の見習い伝道師に、身を転じていった。≫
▼ ロンドンのナショナルギャラリーのゴッホの‘ひまわり’の前に立った時、
 その漂っている空気に立ち竦んでしまったが、その作品が、ゴッホの2千点
ある作品の中で、最高傑作のひとつだったことを最近知ったが、納得である。
ひまわりに関しては、次回に取り上げる。
・・・・・・
4021, シングルイン、31年間の総括 ー3
2012年03月29日(木)
  * 計画倒産というが
 何人かの知人に、「計画倒産?」と揶揄された。目先の資金ショートで
倒産したのではないので、言われて当然である。売上が10年で三分の一に
減少、東北大震災で四分の一が予測されれば、99%行きずまりは見えている。
それを前提に続けるべきかを考えれば、見切り千両の決断は当然のこと。  
そこで計画倒産について考えてみる。何度か、ここで書いたが、私の理解して
いる意味は、「手形決済をしている会社が倒産をする場合、仕入れ商品を増やし、
現金にして私用にまわし倒産すること」と、思っていた。 
そこで弁護士に、「計画倒産って何ですか?」と聞くと、
≪ 計画倒産と、計画的倒産は別物。 普通、倒産は資金繰りがつかなくなり
 資金ショートをして倒産する場合をいう。しかし同じ倒産でも、事前に継続
不能と察知したら、最小の混乱で済むように手はずを踏むのを「計画的倒産」
という。計画倒産と、計画的倒産は全く違う。詳しくない人は、それを混合し、
噂のネタにする・・ 計画倒産か計画的倒産かより、「良い倒産」と、
「悪い倒産」の分類を私はしています。≫ との答え。
 高利貸しなど、街の金融が入り、家族・親戚に連帯保証の受け判を押させて、
最後が自殺か夜逃げが、倒産に付きもの。幼児の頃から、何時も夜逃げ話を
聞いていた。それだけ商売の恐ろしさは知っていた。そして、身近の倒産を
つぶさにみていた。それもあり、「万一の場合、危機管理用の準備資金を用意し、
運転資金に食い込んだ時点で、会社整理を考える」と決めていた。
それが去年の1月末に一時的に使いざるを得なくなった。二年続けて2割半ば
減少していた売上が、三年目に入っても、とどまることなく続いた結果である。
そこで、色いろシュミレーションをしたところ、半年から一年内の資金ショート
が明白。会計事務所の担当に相談すると、「事務所の三割の会社が今日明日の
資金繰りに駆け回っているのが実態。現時点は下から4割レベル」という。
しかし、取引先の月末の支払いをし、退職金を、ある程度、払えるのは、
今しかない、とシュミレーションの数値は示している。 7月には地デジ化
のための客室テレビの入れ替えが予定されており、その上、ボイラーの入れ替え
予定がある。両方ともリース会社の受諾を受けていたが、事業継続が果たして
正しい判断かどうかの正念場。 その矢先に、東北大震災。30年の現事業
経験からして、更に2~3割の売上減が予測。春恒例の催事が、ほとんど中止、
宿泊のキャンセルが続いた。その時に浮かんだのは、「一瞬早い決断は、打撃
は半分で済むが、一瞬の遅れは2倍になる。この躊躇は、差引き4倍の打撃。」
そして、閉鎖の二週間前に決断をした。これを計画倒産の範疇といえば、
答えようがない。明日で丸一年になる。これも事業の一環。
(字数の関係でカット2017年03月29日)
・・・・・・
5857,物語で経験する「生老病死」 -5
2017年03月29日(水)
       <老いの風景 ー物語で経験する「生老病死」~石光勝(著) >
   △ 4C主義にライフワークの経験を当てはめると
・地球上をキャンバスに見立て、4C、4S主義で行先を埋めていくゲームを、
 30年かけて経験してきた。トラベルの語源のとおり日常のトラブルが短期間に
 圧縮して現れ出てくる。そのハードルを一つずつ熟すのが旅行の醍醐味であり、
 それが楽しい上質な遊びになる。この主義で51回のサイクルを熟してきた。
1・チェンジ =行先をチェンジし経験の枠を拡大する。日常からの脱皮も。
2・チャレンジ =アフリカ大陸、南米、北欧のアイスランドシルクロード
 などに挑んでいくが、それには息が詰まるほどの決意と決断がいる。
3・チャンス =機会の開発は情報収集から。手っ取り早いのが、添乗員と
 同行の旅行キャリアの生情報と勧誘パンフレットから始まり、それらを
 元に機会の開発を計る。
4・コンペティション =自分との戦いと、際どい旅行そのものが戦い。
  「極限までは誰でも行けるが、問題はその先」
・6年前のリタイア時も、然り。「節目を打つ」の言葉とおりに、環境の変化を
チャンスと捉えて、ランクアップした生活習慣にチャレンジ、日々を充実させ、
楽しむように努めてきたが… 
・父親からは事業に、母親からは趣味の世界に、このサイクルを熟していた
 姿を見せられていた。父が常日頃に語っていたのが、太平洋戦争と、敗戦。
 家族10人分の生きる手立てが… それは何れの家族にも言えたこととしても。
 時代の激変に挑戦し、空襲で焼出された混乱をチャンスと捉え、日々、戦い、
 働いていくしかない。その渦中に生まれたこともあって、不安心理が人生の
 ついていた。 右上がりの潮流のなかで、このサイクルを合理化して拡大して
 いったのが、戦後世代の成功者。そこには、4C主義が有効に働いた。
 これを具体的にしたのが4S主義になる。
私の経験を振りかえると、創業10~15年で事業売却をした転進が必要だった。
バブル崩壊の潮流の変り目を事業転進のチャンスに出来なかった。
これが4C主義のサイクルから外れた結果が、現在の事態ということか。
「脱皮できない蛇は死ぬ」、いや「茹でかえる」の戯言ですか、これは。
・・・・・・
4762,私を癒したのは、許しである
2014年03月29日(土)            
  * 究極の許しとは    ーひと言でいいのですー吉川直美編より 
 キリスト教的ケースの中の、私の規範を遥かに超えた世界である。
究極の心の傷には、究極の対応がある。8人兄弟の末っ子で、親の目が
届かないところで、いつも誰かから揶揄われてきた反面、許されてもきた。
そのため、許されるのが当然という甘さがつきまとっている。しかし、
許されないことが人生には数多くある。以下の許しのプロジェクトには、
非常に教えられる。人生には色いろあったが、許し、許されているのである。
  ーまずは、そのケースよりー
《『正義は私を癒してくれなかった。私を癒したのは、許しである。
 ーデビー・モリス』 米国には、人を殺して服役している被害者と、
殺された被害者の家族が面会をする、和解のためのプロジェクトがある。
コーディネーターが間に入って、文通からはじめて、慎重に長い時間を
かけて面会に向けて双方を整えていきます。実際の記録映像を観る機会が
ありましたが、若い女性を襲って銃で撃ち殺した少年と、その女性の母と
妹が初めて顔を合わせる場面。極度に張り詰めた空気の中で挨拶が交わされ、
当然、会話もはずみません。加害者の少年は顔をあげることもできず、
緊張と恐れで体調を崩していました。観ているだけでも胃がせり上がってくる
うな重苦しさの中、家族は、「ずっとあなたに一つのことを訊ねたかった、
そのためにやってきた」と切り出します。それは、愛する者を失った日から
知りたいと願って、叶わなかったこと。警察も裁判所も答えてはくれなかった。
やはり、「なぜ殺したのか?」「娘を返して」と訴えるのでしょうか。
  母親が静かに問いかけます。
「私の娘は、最期に何かを言い残しませんでしたか? 最期の言葉を
 知りたいのです、」
  沈黙のあと、少年は泣き崩れて、言葉を絞り出します。
「あなたを許します……。あの人はそう言いました。」
「……やはりそうでしたか。娘ならそう言うと思っていました。」
「……許してください。」
ひとしきり、肩を寄せ合うように涙を流すと、亡き人の許しの宣言が憎しみ
の連鎖を断ち切ったかのように、いつしか彼らは談笑はじめていました。
最後は、少年の体調を家族のように気遣って別れました。許しは簡単では
ありません。どうやっても許せるはずのないものを容赦することなのです。
ですから、この物語を理想として押しつけることをしてはならないのです。
それでもなお、これは誰にでも起こり得る、解放の物語であると信じています。》
▼ 結局、殺された側と、殺した側の溝は広く、深い。殺される間際に、
「あなたを許します」と言うなど、深い信心がなければ言えないこと。
そう言っただろうと確信していた母親も素晴らしい。そうこうみると、人間
には、宗教が必要である。例え、幻想でも、それが深まれば、やはり人間の
魂をすくうことになる。人生には、自分の力では、どうにもならないこと
ばかり。だが、一つずつ、一人で解決しなければならない。そして、最後は
許し、許され、生きていくしかない。それにしても、すざましい事例である。