『幸福の探求―人生で最も大切な技術』マチウ リカール著
   * 倫理の核心は心の状態
 倫理の核心は、「叡智を養うことと、利他的モチベーションの機能を
発揮することで、これを使う叡智は体験でしか養えない」という。この逆を
売りにしている人物が多く存在している。あの内幕情報屋である。誰もが、
その要素を持っているが、程度の問題になる。その隠れた毒が回りまわって、
自分を毒していることに気づいていない。 ーその辺りからー
≪ 利他的なモチベーションとポジティブな結果をを生じようとする努力を
 選択することはいつでもできる。 そのために、自分のモチベーションを
繰り返して点検することはいつでも出来る。
 これについて、ダライ・ラマの言葉を引用しよう。
{ー自分の心が寛大か、それとも偏狭か。 大きな視点で状況判断しているか、
それとも些細な事項のみを考慮している か。 見方が短期的かそれとも
長期的か。 モチベーションが純粋に思いやりに基づいているか。
 その思いやりは自分の家族、友人、親密な人だけに限定されていないか。
等々と考えて、考えて、考え尽くすことが必要であるー}。
 そうであれば、倫理の核心は行動様式ではなく、心の状態ということになる。
外部に現れる行為が本物だと信じ込むと、例えば、罪のない嘘と悪意に満ちた
嘘の区別がつかなくなる。殺人者に「自分が追かけている奴がどこに隠れたか
教えてくれ」と訊ねられたとしても、それが真実を告げる場合でないことは
明らかである。攻撃的な行為も同じことが言える。ただし、自動車に櫟かれ
そうな我が子を母親が道路からぐいと押しやる際の乱暴な行為は、見かけに
過ぎず、子供の命を救う善の行為である。逆に、誰かが笑顔でお世辞たらたら
近づいてきたとしても、その人の目的が物を奪うことだったら、行為は一見
非暴力的だが、意図は悪意に満ちている。
 ここで基本的な疑問が湧く。それは、他者を幸福にする、他者を苦しめると
いう基準は、何を根拠として決まるか、という疑問である。飲兵衛を「幸せ」
にするために、酒瓶を与えるだろうか。あるいは、その人の寿命が縮まるのを
避けるために与えないようにするだろうか。ここで、叡智を養えという教えと
利他的なモチベーションが機能を発揮するのである。真の幸福と、快楽などの
幸福のまがい物とを識別することが、本書の趣旨である。純粋無垢な幸福と、
それを破壊する思考と行動を正しく区別させてくれるのが、他でもないこの
叡智であり、それは教義ではなく実際の体験でしか養えない。≫
▼ 倫理とは、行動様式と思いがちだが、心の状態とは驚き!
 幸福な人とは、自分の倫理観を持っている人だ。いや、ないのもいる?
叡智は教養の度合いと品性で決まってくる。倫理といえば、西欧では
キリスト教倫理になり、明確な規範がある。それは心に幼少の頃から、
刻み込まれる。日本の規範は、バナナのようなもの。外側が黄色で、
内側は白。とすると、外見と同じことになる。

・・・・・・
5114,カエル男の末路 −1
2015年03月16日(月)
        ー日本社会を埋め尽くすカエル男の末路ー深尾葉子著   
  
 * カエル男の正体とは
 〜まずは、アマゾンの紹介内容より〜
≪『タガメ女の正体』の第二弾にして姉妹作! タガメ女に箍めとられてカネと
 社会的リソースを搾取される「カエル男」が、日本の政治、経済を動かし、
部下や下請け会社、取引先といった周囲の関係者を搾取の”倍返し”で支配する
さまを、豊富なケーススタディをもとに紐解く。ビッグデータグローバル化
いかに進行しようとも、日本の男たちの「カエル男」的体質が変わらない限り、
日本は失速し続け、ますます家庭生活は生きづらくなる構造矛盾を撃つ!! ≫
  〜印象に残った箇所を抜粋すると・・
* タガメ女とは、「収入のある男をガッチリと捕まえ、その財布のヒモを握る
 「専業主婦」。あるいは、共働きであっても、子どもや夫をコントロールし、
 家庭という王国の支配者として君臨する女性。・・
 「マンションや一戸建てと引き換えに結んだ35年間の住宅ローン。
 給料はすべて妻に吸い上げられ、渡される月の小遣いはわずか1万円。
 自由にできるカネがないので、まったく身動きがとれない。さらに、朝から
 晩まで命を削るように働き、ようやく休日がきたかと思えば”家庭サービス”
 という奉仕も求められる。カネと社会的リソース(労働力、経済的価値)を
 吸い尽くされ、気がつけば皮と骨だけになり死んでいく」(p.6)
* 「タガメ女・カエル男システム」はもはや食い止めることができないほど
 日本社会に蔓延(略)・・  たしかに「タガメ女・カエル男システム」
 の自己防衛本能には凄まじいものがあります。 恐らく、もうこの衝突は
 避けられません・・ ただ、ひとつ希望を言えば、衝突はしても「沈没」は
 避けることができるかもしれません。船の針路は帰ることができなくても、
 最善を尽くすことで正面衝突を避けることができる。そのため必要なことは、
 ひとりひとりの「生き残りたい」という強い思い。・・ 自分の人生を自分の
 力で生き、その命をまっとうするごとく普通の「ひとりの男」になればいい。
 いや、男も女も、まず「ひとりの人間」になるべきでしょう。その上で真に
 助け合う繋がりを紡ぎ出してゆく必要があります。だれかから搾取され、
 だれかを支配するような「ぶらさがり」の連鎖を断ち切って、ひとりでも
 多くの男たちがカエル男から脱却したとき、この日本は本当の意味で
 一人前国家になれるのかもしれません。」(p.200-)
* カエル男の4つのタイプとは
  依存型カエル男(妻にしがみつく)
  攻撃型カエル男(家庭外で鬱憤を晴らす)
  自己犠牲型カエル男(終身雇用にしがみつく)
  現実逃避型カエル男(自己啓発と絆に逃げ込む)
▼ 次回、この4つのタイプを中心に取り上げるが、どれもこれも
 身に覚えがある要素。特に攻撃的カエルは! 阿部首相を、その典型的
タイプと看破している。団塊の世代が定年に入った昨今、これらのカエルが、
家庭内で、ダガメと対峙しているが、これでは不景気が加速される。
・・・・・・
4749,そんなに長生きしたいですか ー3
2014年03月16日(日)
      『日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか』久坂部 羊著
  * 長寿の具体的危険とは
 長寿社会の陰で、老人に多くの危険が迫っている。そういう私も、母親の
介護で多くの経験をした。傍から見たら・・? 第三者と、当事者、そして
介護をする立場とでは全く違うのである。そして今度は、自分の番が近づく? 
その前に死にいくつもりだが、これだけは神(自然)の思し召し。いま出来る
ことは、前知識を蓄えておくことと、覚悟しかない!ーその辺りを纏めるとー 
《 簡単に死ねない時代に、長寿なるがゆえの危険が数多く控えている。
医療制度のため、そう簡単に死ねないのである。そこに当然、周囲との軋轢が
出て弱者の年寄りに危険が迫ってくる。特にプチ虐待は深刻。昔は、ものが
食べられなければ、自然に静かに死んでいけた。今は鼻からチューブを入れ
たり、胃ろうをつけたり、点滴や輸液で補い、生かし続ける。
食事補給だけでなく、呼吸も循環も、排泄も、あらゆる生理機能が人工的に
補助され、なかなか死ねないのである。長生き=善という考えを無批判に肯定
したため、死なせてやる視点が全くない。
 ー危険といえば
・孤独と憤懣の危機 :老いれば老いるほど強くなる。そして、短気になり、
 周囲と馴染めなくなる孤独な老人。
・自殺の危機 :元気で長生きで、優しい家族に囲まれても、危険がある。
 老人の自殺は、独居や夫婦二人の世帯より、二世代、三世代同居の方が多い。
 そこでは、子供が中心になり、収入も子供が得てくる。自分は役に立たない、
 いらない存在という鬱憤が蓄積し、自死につながる。
・マスコミ報道に踊らされる危険 :世間では、‘最悪のことを想定する’
 という考えは、あまり歓迎されない。どうしても‘良いこと’‘あるべき姿’
 に目がいってしまう。マスコミ報道は、老人虐待や少子高齢化社会の危機に
 切迫した警鐘をならすが、これは、老人世代を甘やかすことになる。
 常に完璧な、こうあるべき視点で、報じるから、老人の不満と、我が儘が
 蓄積していく。そこには、欲望肯定主義の陥穽がある。ただアンチエイジン
 だけでは幸せになれない。もっともっとという気持ちが、不満を増長
 させる。そして、孤独と憤懣のあげく、自殺への道になる。》
▼ 私自身の5年半の介護経験からして、母親当人は大変だったはず。
 そういう時期には、他の問題が重なるため、家族全体が、極限的危機状況
になる。肉体も、精神も老化のため弱体化し周囲に問題を投げかけるが、受け
止める余裕がない。寝たきり平均6〜7年とすると、あと5年も経たないうち、
その時期に入ることになる。アンチエイジングなどしないで、自然に任せて
いた方が良い!というのも肯ける。自死の権利なるものが何故無い?
・・・・・・
4382, ブラック・スワン −2
2013年03月16日(土)
 ブラック・スワン ー2
       「ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質」タレブ著
  ーまずは、「あるブログの要約」から ー 
≪ 歴史に接すると、人間の頭には3つの症状が出る。
1. 分かったという幻想。世界は実感するより遥かに複雑だが、
皆何が起こっているか自分には分かっていると思い込んでいる。
2. 振り返ったときの歪み。 我々は後付けで物事を解釈しがちになる。
(歴史は人が経験する現実よりも、本で読んだほうが分かりやすい)
3. 現実に起こった情報を過大評価する。権威と学識のある人は不自由になる。
特に物事を分類し始めると、それに縛られる。科学が導き出した結論の
いくつかは、めったに起こらないことが与える効果を過小評価したり、
完全に無視している。だから、現実の世界では使い物にならないケースが多い。
めったに起こらない出来事(黒い白鳥)を見るのに不自由だと、
他にも色々な事が起こる。
1. 最初から目に見える一部に焦点を当て、それを目に見えない部分に一般化。
2. はっきりとしたパターンを欲しがる自分を満足させる講釈で自分をごまかす。
3. 黒い白鳥なんていないかのように行動する。
4. 目に見えるものが全てとは限らない。歴史は黒い白鳥を隠し、
 それが起こるオッズを見誤らせる。
5. 私たちは素性のはっきりとした不確実性の源ばかりに注目する。
しかし、それらは黒い白鳥のリストとしては具体的すぎるので、
その結果、なかなか思いつかないその他の黒い白鳥は無視してしまう。
人間は現実に起こった物事に対して、やたら法則を作りたがる。
いったん法則の仮説を構築すると、その後はその仮説を立証しようとする
行為のみに熱中してしまう。歴史とは「後から起こったことの効果を
合わせて見た一連の事象」のことである。911テロ後の約3ヶ月間に、アメリ
国内で交通事故で死亡する人が約1000人増加。これはテロの影響で飛行機に乗る
人が減り、その代わりに車で移動使用とする人が増加した結果である。実際、
飛行機事故よりも自動車事故の方が遥かに確率が高い。
 人々を2つのグループに分け、ピンぼけの消火栓の写真を見せる。
それが何だかわからないほどのピンぼけである。一方のグループには、
解像度を10段階に分けてゆっくり上げる。もう一方のグループにはもっと
すばやく5段階で上げる。そして、同じ解像度のところで、各グループに何の
画像かを尋ねる。すると、画像が消火栓と見分けられるのが早いのは、段階の
少ない方のグループであった。つまり、与えられる情報が多いほど、それだけ
人は仮説を多く作って、どんどん間違った方向に結論を持っていってしまう。≫
▼ 現在も、黒鳥が何羽か近くに来ているが、ほとんどは日常に気をとられ、
 自分に直接関係ないだろうと思っている。リーマンショックの直撃で、まさか
私が、この事態になるとは思ってもみなかった。9・11テロで直接、事業の根幹
を揺らぐとは、思いもよらなかった。まさか、1000年に一度の東北大震災が、
直撃しようとは。地元の中越の大地震二つも、まさかの黒鳥である。
人生にとってのブラック・スワンといえば、突然、目の前に突きつけられる
「死」である。必ず誰にもスワンは舞い降りてくる。私の人生時計は夜10時。
闇は深くなってきたが、生きている限り黒鳥は気配だけ。
・・・・・・・
4008, 閑話小題 ースローヨガなど
2012年03月16日(金)
  * 昭和的価値が人々を苦しめている!
 図書館で、何気なく月刊誌「新潮45」をチラ読みをしたところ、
ある対談の中で印象に残った言葉があった。「良い大学を出て大企業に入るか、
公務員になり、マンション買って、子供を二人つくり、とかいう戦後の昭和的
価値から抜け出せないで、苦しんでいる人が多い」という内容。特に、団塊世代
の親子、とりわけ子供の心に、その断層があり、両者が、その葛藤に苦しんで
いる、ということ。 ここで現役から退いて一年、昭和的価値観に影響された、
それまでの人生が見えてくる。学生時代の専攻が社会学だったこともあり、
卒業後も社会の潮流に興味を持ち、昭和的価値観を突き放し鳥瞰していたつもり
だった。しかし振り返ると終戦後から高度成長期の昭和的価値観に縛られていた
自分に、あらためて気づいた次第。 特に地方は昭和的というより、戦前戦中
の日本的価値観が失われず、そのまま残っている。それを良しとするには、
情報化がそれを許さない。そのため、その年代の横の繋がりが強すぎ孤立化
傾向が強い。 それを絆というらしいが・・ 大量生産、大量消費を目指した
昭和が終わり、情報化もあり、グローバル化の波が大きく覆い被さってくる。
その昭和の価値から抜け出れない人たちが、財布を握りしめているため
経済は停滞、少子化もあり経済は最悪の事態に突き進んでいる。
  * スローヨガ
 スポーツジムで二週間前から「スローヨガ」に参加を始めた。入会当初に
3回、参加したことがあるが、腰にきつかったため、それ以降、参加するのを
止めていた。 イージーラインを続けて二回するのが習慣になり、それが私に
とってベストになっていた。ランニングマシーンのウォーキング30分に、
イージーライン(25分)を連続二回に、週二回のスローヨガ(50分)を
加えたことになる。チャレンジ10と勝手にキーワードを決めて昨日で4回目。
この言葉を繰り返しながら通っている。腰痛改善のためのコースと思えるほど
腰が軽くなる。40坪位のエアロビスペースに30〜40人。男の参加は4人。
殆どが常連で、最後列からみると全員、姿勢がよい。 まずは、あと6回は
参加すれば、恐らく常連になるだろう。 
 ・・・・・・・
3642, 現在、我々は歴史的災害の真っ只中にいる!
2011年03月16日(水)
   地震 ーつれづれに −5
 時間が経つにつれて、この歴史的大震災の凄みが現われてきている。
震度7、M9、死者2万、津波の高さ20メートル、三陸沖の太平洋側
幅500キロにわたる広域の大震災である。その上、チェルノブイリ原発事故
以上?の福島原子力発電所の事故が生じていて、それを加えると世界的、
歴史的な大震災が現在進行形で進んでいる。」 まず、このことを認識して
おかないと! その心臓部の格納容器が爆発をしたら、日本だけでなく
世界中に放射性物質を撒き散らすことになる。一度、メルトダウンが始ると
止めるのは不可能。最悪の場合、本州の全滅もあるかもしれない。
それより、まず被災民に放射能が直接ふりかかる深刻な問題がある。 
株は二日間にわたり暴落をしている。これをきっかけに日本が本格的経済
恐慌に突入する可能性が出てきている。そこで非常事態宣言が発令され、
銀行閉鎖が行われ、預金移動や、貴金属などの取引に規制がかけられる可能性も。 
こういう隙を狙って中国、ロシアが日本の領土や技術を、アメリカは金融を
混乱させる?。 リーマンショック来の恐慌の最中の最悪期に、さらに最悪の
ことが起きたのである。まず株式、そして国債の暴落。その結果、アメリカへの
属国化は、さらにすすむ。「まさか、まさか、まさか」の出来事が、この20年
以上にわたり、眼前に次々と現れてきていた。その最大のリーマンショック
本格的大津波が、まず日本に押し寄せてきている最中に、この歴史的大震災。
その結果、世界も日本発世界恐慌の瀬戸際にたっている。特に、この数日の
原発事故の推移を直視しておかないと! 
 東北新幹線東北自動車道は完全麻痺、復興の目処がたっていない。
そのため新潟県の高速と、新幹線がバイパスとして使われている。
ことと次第によっては、地震原発難民の受け入れ基地になる可能性すらある。
事態を知れば知るほど、背筋の凍る思い。これが起こってしまった現実である。
 ・・・・・・・
3277, 大恐慌 失われる10年
2010年03月16日(火)
   「2009-2019年  大恐慌 失われる10年 」浜矩子/高橋乗宣 (著)
  ーまずはアマゾンの内容紹介からー
■これから「10年恐慌」が始まる!
 アメリカドルは基軸通貨としての価値を失い、今後さらなる保護主義
 統制経済へと突入していく。ユーロもドルに替わる基盤ができておらず、
 現在の大恐慌の痛手を直接こうむっている。リーマンショックに端を
 発した金融危機は、カネがカネを回す「金融IT化」「金融工学化」
 「金融証券化」の結末である。それゆえに、1929年恐慌とは異質なもの。
 これからの10年は「失われる10年」となるのか。その時、日本はどのような
 経済システムの中に組み込まれていくのか。大恐慌後の世界を、浜矩子、
 高橋乗宣2人の論客が読み解いていく。
■負の連鎖は世界各国に波及している 
 大恐慌津波は、アメリカ本国よりもむしろ欧州各国に直撃していると
 言っていい。ユーロがアメリカドルに替わる基軸通貨となり得ないことが、
 各国の状況、IMFのこれまでの不始末から言及することができる。
●老衰死のイギリス
 サッチャー改革で巻き起こったイギリスバブルは、ロンドン一極集中で、
 地域格差を生んだに過ぎなかった。日本のバブルの轍を踏んだイギリスは
 「失われた10年」を経験する
自閉症のドイツ 
 旧東ドイツのワーカー待遇改善で賃金格差縮小の狙いが、大恐慌で不透明に。
 立ち直りのきっかけを失ったドイツは、今後ネオナチの台頭の可能性も。
●目立ちたがりのフランス
「フランス・ナショナリズム」はどこまで突き進むのか?国外から入ってくる
 企業の締出しでサルコジ政権の実像が浮かび上がる。
●相変わらず身勝手なアメリ
 オバマ自由主義、市場主義に別れを告げるのか? 貯蓄傾向が高まっている
 アメリカの消費は確実にブレーキがかかる。明らかになったドルの崩壊から
 1ドル=50円時代がやってくる。強烈な保護主義統制経済となった時、
 日本は生き残れるのか?
暴走する国家は、今後、迷走する国家へと変貌を遂げる。さらにリセッション
する国、ギブアップする国、再びランディングを遂げる国……。
「失われる10年」は、我々にどんな教訓を示してくれるのだろうか。
 ーー
 この本、何を言いたいのか何度も目を通したが、よくわからない。
二人が対談をしているわけでもなく、対策を述べているわけでもない。
イギリスを中心とした欧州はダメ、アメリカは終わった。
中国もアメリカ目当ての輸出がダメで内需を目指そうとしているが、
日本でさえ輸出頼みを克服するため内需拡大を目指したがダメだったのに、
中国が成功するわけがないと切り捨てている。「この10年間は大恐慌
大混乱、失われた10年になる」と結論づけている。 
甘い期待は無理ということである。
 ・・・・・・・・
2902, 脳と仮想  ー2
2009年03月16日(月)
     「脳と仮想」茂木健一郎著    ー読書日記
 ー印象に残った部分を抜粋してみるー
・広大なグランドキャニオンの前に立とうが、北極のオーロラを見上ようが、
体験する広大の光景は全て脳内現象である。世界に脳だけあるといっている
のではない。そんなことは当然のことだが、外部から入った刺激に基づいて
脳のニューロンが活動しなければ、我われは広大の宇宙を表象することは
できない。逆に、もし広大な宇宙が無くても、脳の中でニューロンがある
時空的な様式で活動すれば、私たちは広大な宇宙を表象することになる。
もしそうなら、逆理が浮かび上がる。もし私たちが体験することが全て脳内
現象なら、私たちは何故、広大な宇宙を思い浮かべることが出来るのか?
いかに、私たちの思い描く世界は、脳内現象として一リットルの空間に閉じ
込められていながら、無限定の空間を志向することができるのか? ・・
「熊本より東京の方が広い。東京より日本のほうが広い。日本より・・・」
で切ったが、三四郎に男はいった「日本より頭の中のほうが広いでしょう」と。
・「真理がどこにあるかといえば、それは仮想の世界にあるというしか言い
ようがない。どこかの博物館に、これが真理でございますと飾ってあるわけが
ないのである。私たちの精神の中枢に仮想がある。そのように考えると、
「見る」ということの本質も違って見えてくる。
・現実のどこにもない仮想は、現代人の心の中でも中枢の位置を占めている。 
私たちの精神は、頭蓋骨の中の「今、ここ」の局所的因果性の世界と、
「今、ここ」に限定されない仮想の世界にまたがって存在する。
私たちの精神は、本来的に二重国籍者。
・脳内に閉じ込められているだけでなく、心の本質的な属性をとらえた概念が
「志向性」である。志向性とは、心が何かに向けられた状態をいう。
・私が恥じたのは、人間がそもそも生きものであり、それであるがゆえに、
厳しい生存条件に置かれてきたことを理屈で判っていても、感覚的に忘れて
いたことである。つまり文明に飼いならされていたのである。
真実は恐ろしい姿をしている。 人間は、なぜ、「平和」という仮想を
生みださなければならなかったのか。「愛」という仮想を生み出さなければ
ならなかったのか。平安仏教を特徴付ける「極楽浄土」というヴィジョンは、
どのような生の必然性から生み出されたのか。・・ 私たちの意識の中で
生み出される様々な仮想は、このうえなく厳しい人間の生存の中で、私たちの
心が傷つき、その傷が治癒される際に放射される光のようなものはなかったか。
▼ 考えてみたら、自分に対しても、頭に浮かんで考えている相手にしても、
 社会も、全て「仮想」でしかない。「精神の中枢に仮想がある」と自覚
すると、良きにつけ悪くにつけ仮想している自分を見ている自分も仮想という
ことに気づく。自分の頭蓋骨の中の一リットルの脳は自分でさえ得体の
知れない世界である。
・・・・・・・・・
2538, 一神教vs多神教
2008年03月16日(日)
   (字数制限のためカット2015年3月16日)