ドバイが、この金融恐慌でバブルが崩壊、解雇の波と一昨日の読売新聞の一面トップで特集をしていた。
ドバイブル破裂というところだ。 このまま廃墟化すれば、歴史に残る光景になる。「悪銭、身につかず」ということか。
 ーまずは、その新聞記事ー
《ドバイにも金融危機の影 … 止まったクレーン・解雇の波》
 世界一高いビル、世界一豪華なホテルなど「世界一」を冠する建築物を次々に登場させ、21世紀に入って猛烈な勢いで
 発展を続けてきたドバイ。中東の物流・金融センターとして、200に及ぶ国籍の労働者や投資家を引きつけてきた
 このペルシャ湾岸の小さな首長国にも、金融危機の影は忍び寄っていた。その現場を歩いた。
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 ドバイ北東部にあるアラブ首長国連邦(UAE)労働省。「カスタマーサービス局」待合室に、
 沈んだ表情の外国人労働者が目立つようになった。解雇通知を受け、苦情を申し立てに来た人々だ。
 ドバイの中堅建設会社で工事現場監督を務めてきたインド人のV・ヒレマタさんは今月12日、1枚の紙を手渡された。
「あなたが提供するサービスは必要なくなりました。滞在許可も1か月後に失効します」
 クレーンを操縦していた同郷のスンニル・Bさん(40)も解雇された。ドバイには世界のクレーンの3割が集まっている
 と言われてきたが、「今は多くが止まっている。再び職を得るチャンスはまずない」と、帰国の覚悟を決めたようだった。
 ドバイ居住者の8割を占める外国人労働者の滞在許可証は、仕事や労働許可証と不可分に結びついている。
 職を失えば、雇用主が労働局への解雇届け出を遅らせるなど特別な措置を講じない限り、1か月以内に出国しなければならない。
「ドバイには失業者がいない」と言われるゆえんだ。
 ドバイの海岸には、上空から3本のヤシの木に見える群島が沖合に延びる。埋め立てでつくったリゾート・居住用地だ。
 100万人の住空間ができあがると言われる最大の木「パーム・デイラ」では、クレーンの多くが動きを止めていた。
 ドバイを代表する政府系デベロッパーで、「3本のヤシ」のプロジェクトを推進する「ナヒール」社は11月30日、
 総従業員の15%にあたる500人を削減する方針を明らかにした。
 同社で工期やコストを管理する仕事を担当してきたスリランカ人のSさんはこの日、上司に1月31日付での解雇を言い渡された。
 資金繰り悪化によるプロジェクト停止が理由と説明された。「オフプラン(設計図段階)の事業の大半が停止された」とSさん。
「年明けには、さらに人員削減されるのは間違いない」民間最大のデベロッパー「DAMAC」も11月、200人の解雇を発表、
 解雇の波は確実に広がっている。  (ドバイで 宮明敬、加藤賢治)(2008年12月21日23時52分 読売新聞)
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  一年ほど前にみたドバイの石油成金の奥さんが高級SCのブランドショップで、「もう高級品の買い物は飽きた!」と、
 つまらなそうな顔をしていた映像が象徴的だった。 この場面は御宝として残るのだろう。
 1500、2000Mの高さのビルを競ってつくるのは、イタリアの都市で中世の金持ちが家の高さを競ったのと同じ。
 近い将来、スンニ派を中心とした欧米よりの湾岸諸国は、革命に曝されるだろう。                                                                            ーつづく
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