2005年10月30日(日)

1671, 「全ての装備を 知恵に置き換えること」−2

「全ての装備を 知恵に置き換えること」は考えるほどに深い言葉である。
‘ハードを、ソフトに置き換える’‘色即是空、空即是色などが直ぐ思い浮かぶ!

ーさらに、この本のポイントになる文章を抜粋する。
「レベルの高い難しいクライミングをいくつもこなした後、何がしたいかを問われたある男は言ったそうだ。 
歩きたい、と。道の方角へずっといつまでも歩いていたい、そういったんだ。」
この言葉が彼のこれまでの人生を築き上げてきた哲学のように思えた。
実践からくる彼の言葉は一言一言重く深く響いてくる。禅坊主の、シンプルと似ている。

ー著者の言わんとする一節があったー
人類がアフリカで誕生して以来、先祖は移動を繰り返してきた。 山を登り、川を越え、海を渡り、
空を駆け、厚さにも寒さにも適応し、今ではジャングルや沙漠、氷河にさえも人の息吹がある。
人間はあらゆる環境に生き延びる野生を持ち、その土地を生き抜く強い生命力を備えている。
あるき続けることによって、肉体も精神も変化をし続け、その過程であらゆるものはそぎ落とされて、
最後には本当に必要な知恵だけが残る。 人は旅の中で見て、聞いて、考える。
厳しいフィールドに身を置いている時に感じる幸せも、異文化の中で生活している時に感じる幸せも、
それは変化を求められることへの喜びなのかも知れない。 自分はまだまだ歩き続ける。
自分にとって、生きるということは旅をすることだ。 それは揺るぎない。

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「全ての装備を知恵に置き換えること」
            石川 直樹 (著)       
石川 直樹
1977年東京生まれ。
高校時代にインドを一人旅して以来、世界中を旅するようになる。
北極から南極までを人力で踏破する地球縦断プロジェクト「POLE TO POLE」、世界7大陸最高峰登頂の達成など
極限を目指すとともに、人類学、民俗学などの領域に関心をもち、行為の経験としての移動、
旅などをテーマに文章・写真作品を発表している

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