2005年10月13日(木)
1654, 北イタリア旅行記−5 
 
 ーチンクエテッレー
この意味は、「5つの島」という。海岸線に突き出た小さな島が5つあり、その小高いところに張り付くように
家が建てられており、その家々にカラフルな色が塗ってある。漁民が船で帰ってきた時に、自分の家を識別できるように
好みの色を塗りつけてあり、それが何ともいえない風情がある。 その岩場に細い散歩道が百数十キロ続いていて、
ウォーキングができるようになっている。 その近くを、やはり列車が通っていて5つの村に駅がある。
(線路沿いに散歩道をつくったといったほうがよい) 疲れたら、近くの駅から次の駅に行くこともできる。
ただそれだけであるが、島ごとにそれぞれに味わいがある。その近くの昼食のスパゲッテと海鮮料理が絶品であった。
朝獲れたばかりの魚料理で美味しくないわけがないが。

 ーミラノー
飛行機の関係で初日と最終日に行ったミラノがよい。 世界を代表するファッション、
そしてイタリア経済の中心地であるとともに、オペラの殿堂スカラ座や、ブレラ美術館など芸術の街としても有名。
 ・ドオゥモ
しかし何といっても、ミラノといえばゴシック様式ドーモである。 その内部も印象的であった。
特にステンドグラスは1400年代にできた世界最高のものというだけあって、鮮やかであった。
ちょうど太陽の光を受けて光り輝いていた。
またエレベーターで上がってみた屋上の景色は、身近に多くの彫刻の像とミラノの街を一望できた。
この屋上からの景色も、イタリアの数ある名所の中でもトップクラスにあげられるというのが肯けた。
1386年に当時の領主が聖母マリアに捧げるために建設された。何と500年近くの歳月をかけて建てられたものという。
荘厳な雰囲気と威厳に満ちて、見るものを圧倒する。 その最大の特徴は、天に延びる135本もの像塔、柱や壁に3500体の彫像があり、
近くで見ると、一つ一つの表情が異なり、リアルな描写に驚かされる。その中央の尖塔の頂上には「黄金のマリア像」がそびえている。
この愛の女神にミラノの再訪を祈ると叶うという。
 ・最後の晩餐
ミラノといえば、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあるダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の絵画である。
今回の旅行では見ることができなかったが、学生時代に見た記憶がある。この絵は「リアルな人物達の表情」がポイント。
ダ・ヴィンチはキリストが言葉を発した、その劇的な瞬間を題材にしてこの絵を描いた。キリストの言葉に対して、
12使徒のそれぞれの反応を、顔の表情、手や体の動きでリアルに表現した。この画面の中には、緊張、悲しみ、苦悩、戸惑い、
恐怖など、さまざまな感情が描きだされている。 また、この絵の中には人物以外にも静物画としても、見ごたえがある。
テーブルに置かれている食器や食べ物の質感なども緻密に描いてある。テーブルクロス、パン、食器、ワインなどである。
 いま一度、見たかった絵画である。人生は一期一会である。

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