2006年10月03日(火)
2009, ドイツ病に学べ
    (。^0^。)ノ オッ(*^○^*) ハ〜 ヨウ

毎日新聞」の日曜日(10月01日)の、ー本と出会う=批評と評論ー の「ドイツ病に学べ 」の評論がよい。
「日本に次いでGDP世界第三位を誇ったドイツが、EUのお荷物となっている」
 というニュースは何度か目にしてきた。その詳細が現地に住んでいた著者の眼で書かかれている。
*その惨状といえば、19?の消費税、実質16?という高失業率、リストラ、旧東独の苦闘、
 高い給料と強すぎる労働組合、旧東欧諸国に逃げ出す企業、年金制度、等々 問題が山積みである。
「まだまだ日本は、ドイツに比べたら恵まれている?」とさえ思えてくる。
しかし、現在の日本に酷似しているから驚きである。それにしても、東西冷戦時代の優等生だった
ドイツと日本の凋落は激しい! ソ連アメリカの冷戦の一番の恩恵を受けていた日独が、
終戦と同時に凋落するのは当然だが、共産圏の垣根が掃われた直撃の影響は想像を遥かに超えている。
さらに、これからはアメリカの凋落が待っているから先行きは楽観できない。

これに対して、中国とインドは紆余曲折があろうとも強大になっていく。
さらにロシアも社会基盤ができてくればその後に続くのは明らかである。
地球上の繁栄の軸は欧州から米国へ移動したが、これからはアジア・シベリア大陸に移動していく。
ドイツ車が本国で人気失墜をしたことを、まだ日本人が知ってない?
ホンダと、トヨタ車があるのに、まだベンツ神話の人が多いときている・・
フォード、ゼネラル・モーターにつづいて、次はベンツの危機か?
 −−−

ー記事全文 ー
伊東光晴・評 『ドイツ病に学べ』=熊谷徹・著(新潮選書)
 ◇ユーロ圏拡大と裏腹の閉塞感

 ヨーロッパの経済の優等生を長く続けたドイツ経済がゆらいでいることは、日本でもよく知られている。
失業率が一〇%程度という高さを続け、いっこう改善されないのが第一である。第二は、EU統合にさいして、
ドイツが強く主張した「ユーロ安定基準」−その核ともいえる「各国はその財政赤字をGDP(国内総生産
の三%未満に抑えねばならない」という財政赤字比率を実現できなくなったことである。
なぜこのようなことになったのか。この本は元NHK記者で、一九九〇年からドイツに在住している
ジャーナリストの目で、その答えを具体的に示してくれる。

 第一の答えは、経済のグローバル化にともなう、製造工業の空洞化である。
賃金の安い発展途上国に工場が移り、産業の空洞化と失業者が増大する−
−この先進国一様の問題だけではない。当初、政府は賃金の安い旧東ドイツへの工場立地が進むと予想した。
だがこの期待ははずれた。より賃金の安い国へ、である。日本などとの違いは、それが中国、アジアだけでなく、
ユーロに加わる隣国だったことである。著者によるとチェコの賃金はドイツの四分の一、ポーランドは八分の一である。
空洞化が、ユーロ圏拡大とともに、ドイツで拡大したことがよくわかる。

 第二の点について、この本で重要なのは、東ドイツとの統一は政治的には成功であったが、
経済政策のうえでは失敗だったことである。 統一後の政府による旧東ドイツへの集中的投資が、
日本の八〇年代末のようなバブルを生み、しかもそれが企業誘致に失敗し、建設バブルの崩壊となる。
不況と財政の破綻はそこからはじまっていく。

 ドイツ産業の競争力の低下も進んでいる。著者はドイツでの乗用車の顧客満足度調査を引いている。
一位はトヨタ、以下七位までが日本車、ドイツ車はBMWが一〇位、フォルクスワーゲンは三一位、
ベンツは三二位にすぎない。ドイツ車は電気系統が弱い。 二十数年前の私の経験でも、
来日したドイツ人教師のベンツの調子が悪く、また、友人ももてあましたドイツ車を日本車に変えた。
一時代を画したフォルクスワーゲンも、すでに時代おくれになっていた。

精密工作機械の分野でも、日本に遅れをとっている。
本書が書くように、今までの成果の上に立ったドイツの高賃金も維持できない。
ドイツ一国であるならば通貨=マルクの国際価値が下り、調整が進むはずであるが、
ユーロに変ったため、逆にユーロの価値が上り、ドイツ産業の競争力をいっそう弱め、不況を続けさせている。

 その結果、ドイツの政治も、著者の筆も、ドイツの労資関係、高賃金、高い社会保障を批判する方向に向いていく。
小泉内閣が範とした社会保険料の引上げ、給付の削減で、日本と同じ少子高齢化に対処するためである。
それが社会民主党内閣でまず行なわれた。民衆はこれに反撥(はんぱつ)した。
財政は赤字、しかし増税もできず、経済は停滞、大連立内閣は動きがとれず、経済的にも政治的にも閉塞感が漂う。
この閉塞状況は、著者が言うように「先進国症候群」の病なのか。
アメリカを代表する経済学者スティグリッツ教授なら「世界を不幸にするグローバリズム」と言うだろう。
しかし、多くの経済学者はユーロの後進地域の高成長の代価と言うにちがいない。
著者の考えは、新自由主義的市場主義に近づけている。第三の道はないのか。それを考えさせる素材がこの本である。
                               <毎日新聞 2006年10月1日 東京朝刊>
   評)ー評論を評論するー
   これを読むと、あまりにドイツの現状が日本に似ている。
   実質的な社会主義という糖類のとり過ぎからくる、「糖尿病」である。小泉が郵政と金融改革を断行をした。
   次に阿部が教育・憲法・国家安全・経済改革を捨て身でやらなくては日本はドイツと共に更に凋落をする。
   特に「ゆとり教育の弊害」が日本の根幹を揺るがす事態になっている。「糖尿病社会」の典型的な悪しき事例が、
   現在の教育制度である。   アメリカ従属国家の悲哀である!たっぷり糖類(毒饅頭)を与えられた。   
   その元となった憲法の改革(核)から、始めなくては!               
                                 バイ  ヾ( ̄ー ̄ヾ))))
・・・・・・・・・・