H0909  ギアナ旅行記

 この数年、秘境の旅に凝っている!そしてそれが深いほど新しい感激・感慨が大きくなる。
南米大陸の一番上に位置するベネズエラの首都カラカスより、目指すギニア高地の基地カナイマ。
そこからオリノコ川の最大の支流カロニ川の上流に、この秘境ギニア高地が広がっていた。
インディオの操縦で四日間にわたってエンゼルフォールを目指すアドベンチャー・ツアーであった。
コナン・ドイルの“ロスト・ワールド”の空想小説の舞台となった
テーブル・マウンテンは、一〇〇〇m〜三〇〇〇mの垂直に切り立った絶壁に囲まれた台地がいくつもそびえ立っていた。

そこより落ちる滝は多いときで二〇〇〜三〇〇にもなり、その中で一番有名なのが、世界最長の落差のエンゼルフォールである。
その長さは千m、山道を一時間以上かけ登り、麓より見上げた滝の雄大さは、神秘性は言い知れぬ迫力があった。
ここでは生物の生存がほとんど不可能であるという。ボートでそのテーブルマウンティンの勇姿を見た時、
魂を電流がつき抜けていったような感動と自然と腰骨がピンと立ち、ただばくぜんとしていた茫然としていた。
そして涙が自然と流れ出てきていた。

二十億年の大自然の時空を直感できた感動であった。
これで人生の感動の分岐点を充分越える事ができた!という言葉がフッと脳をよぎった。
原始人が自然に対して“神”を直感するとは、このような二十億年の時空の中の一瞬の何かを観たのだ!。
この旅行はただテーブル・マウンテンと密林とそこを流れる川、そして滝だけであった。
ただ高地の間に流れる川をのぼっていくボートツアーでしかない!。でもそれだけがすばらしいのだ。
そのトレッキングの真髄を初めて経験でき、新しい世界をかい間見た十日間であった。
ーH9.8/23〜9/1