図書館で借りてきた本だが、この本が出版されたのが、去年の7月の末である。
    それから半年もしないうちにアメリカのサブプライムの問題が表面化をして、
    この本の大筋のとおりになってしまった。
    かなり刺激的な言葉に満ちているが、サブプライム問題で
    株とドルの暴落を目の当たりにすると、納得するしかない。
    この著者の本は何度か買って読んだが、何時も刺激的・悲観的な内容で一貫している。
    そして、指摘しているほどの事態に世界はならなかった。しかし、この本に関する限り
    アメリカのサブプライムが表面化したために、決して間違ってはかった。
    この一連の金融危機、考えれば考えるほど、恐ろしい近未来が待ち受けているようだ。
    年々ジワジワと悪くなっているのが身に沁みる。  どうなるのだろうか?
 
    まずは、この本の表紙裏の 「説明文」と 目次を コピーしてみる。
    これだけで、この本の半分以上の要旨が書いてあると言って過言ではない。
  ーー
「ドル覇権の崩壊」―静かに恐慌化する世界 
                       副島隆彦
 ー背表紙裏の説明文
ドル暴落を見越した資産逃避(キャピタル・フラ歪)が始まった
2007年5月からの「三角合併方式」での日本企業への買収の真実は"ドルの逃避"である。 
日本企業をただ単に乗っ取ることよりも、真の動機は、ドル資産の保全
ドル暴落からの避難、外貨建て資産でのリスクヘッジという考えに変わりつつある。
日本の大企業を買収する利益は、チョップ・ショップ方式による、
荒っぽい自動車泥棒・解体屋の手法ではなくて、これからは、アメリカ本国からの
資産逃避(キャピタルフライトである。

  ー 目次 −
第一章 2008年末からドルが大暴落しアメリカ帝国は衰退する
  2008年末にかけての為替と株の動向を予言する
  円キヤリートレードは金融博打である
  いまのうちに黙って人民元を買え!
  ジェイ.ロックフェラーはアメリカのバブルを延命させて最後には奈落に突き落とす
  財政と金融の政策をごっちゃにしてきた日本
すでに金融統制経済は始まっている
ドルは2008年末ごろ暴落を始め やがて一ドル80円台の超円高が出現する
ユーロの台頭でドル離れがますます進む
アメリカの国力衰退によって円安の日米秘密合意も壊れていく
アメリカ住宅バブル崩壊世界恐慌の引き金を引く
バーナンキは米ドル紙幣を刷り散らして大不況突入を阻止する
原油価格がさらに高騰すると米国内では非常に危険な状況に"
原油高騰は日本にとってはチャンスの到来
これからのエネルギーの鍵を握るのは何と原子刀発電
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第二章 世界はこうしてドルに騙された
  ロン・ポール下院議員が予言する「ドル覇権の終焉」
  「ドルによる世界支配」はやがて終焉する
  非交換紙幣であるドルの刷り散らかしはアメリカによるマネーの偽造
  "ドル外交"を"ドル覇権"へと変質させたアメリ
  iMF体制は秘かにロックフェラー石油通貨体制にすりかえられた
金キャリー・トレードで痛めつけられたゴールド
金取引に関するワシントン協定がゴールドにとどめを刺した
あらゆる帝国は 4代 120年で衰退に向かう
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第三章 かくてドル覇権は崩壊していく
  36年続いた「修正IMF体制」はもうもたない
  ドルの没落を阻止するためならアメリカは何でもやる
  世界各地から湧き起こるドル信任を掘り崩す動き
  ネオコンによる「世界革命」は完全に失敗した
  国際通貨体制のいかさまをもう世界は我慢しない
  アメリカは強大な軍事力で脅してドルの価値を維持してきた
  アメリカはもうイスラエルを見放すつもり
  日本がアメリカに貢いだお金の半分はもう戻らない
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第四章 日本はどこまで日本はアメリカに毟られるのか
  アメリカの経済は日本から毎年30兆円を徴収して維持されてきた
  日米間に金利差をつけてアメリカに資金を環流させてきた
  日本の財政破綻で円安になるという大嘘
  ドルを支えてきたオイル・マネーとジャパン・マネー
  日本の外貨建て資産への投資が今のドル高を支えるという矛盾
  日本の国債相場が急落すれば米国債相場は必然的に暴落する
  ダウは3年後に1万ドルを割り、その後8000ドル台にまで下がっていく
  ドルを売り払いたい アメリカ財界人たちの本音
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第五章 アメリカが衰退し、中国が次の超大国になる
  アメリカは中国に北朝鮮問題を丸投げして、アジアから逃げ出した
  アメリカは東アジアのヘジェモニーを中国に引き渡す
  アメリカは次世代の中国指導者まで決めている
  人民元に投資せよ
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 以上だが、こういう悲観論者の話は、この時期には敏感になったほうが良い。

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