女主人の一番の栄誉が、J・F・ケネディが館に来訪したことだろうか?
当時、こういうことを言ったら消されただろうが、時間の経過で身に危険がないと
判断したためだろう。 真偽のほどは解らないが嘘までデッチあげないだろう。
所詮ズボンから下のことは、こんなものだろう。
 政治家は言葉である。
国民に方向をしっかり告げて、底からエネルギーを沸かせればよい。
ともかく、この本、どの部分を読んでも、具体的でおもしろい!

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ある朝、私はアメリカ大使館から電話をもらいました。
「VIP(大変重要な人物)が今、パリにおしのびでいらしていますが、
 最高に品格のある女性をと望まれています」その話し相手はつけ加えて言いました。
「彼に、その女性があなたの館から来たということを、知られてはいけません。
 私たちは彼女のことを、大使の友だちのマヌカン(モデル)として紹介します」
「まったく問題ございません。私のところにそういった場にふさわしいパーフェクトな
 イギリス女性がおりますので、彼女を送ります」
翌日、娘はとてもエキサイトしてオフィスにやってきました。、
「クロード、大統領だったのよ」
「えっ、どこの?」と、地球の支配者達に、何の感動を覚えなくなっていた私は、ぼんやりと尋ねました。
ジョン・F・ケネディよ」「あら、ラッキーね」と一瞬、すらりとした彼の姿を想像しあがら答えました。
「彼、私と今夜も会いたいんですって」と動揺しながら、娘はつけ加えました。
「それで、私は彼に、多分ね」と言ったのよ。彼は私が家族と一緒に住んでいて、
 いつでも自由なわけではないと思っているのよ」
私は指示(つまり彼らが支払うという)が出ているかどうかを調べるために、
アメリカ大使館…に電話を入れました。 大使館員は少し考えた後、「OK」と返答しました。
大統領が滞在した一週間というもの、同じシナリオが繰り返されました。
ただ大統領の情熱と娘の情熱が、日に日に強くなる一方で、支払い義務のある大使館の熱意は
薄らいでゆくばかりという誤差はありましたが……。

フランス訪問を終え、彼はワシントンに向けて出発しました。娘は少しメランコリックになり、
アメリカに行くための航空券を送ることを彼が約束してくれた、と告白しました。
それには、私たちは笑ってしまいました。 誰でもが途方もないことを、約束するのです。
まばゆい時間が過ぎてしまうと、彼らは約束を忘れてしまうのが関の山でした。
ところが数週間たって、娘は航空券を受け取りました。私が大使館に電話すると、
「こうした行為のために、さらにお支払いをすることはいたしかねます」と、言われました。
娘も私もすぐ忘れ、そして数ヵ月がたちました。 ある朝、電話で、謎めいたアメリカ人が、
私に面会を求めてきました。彼は、私の電話番号を大使館から聞き出すのに、苦労したと話していました。
ケネディ大統領と話していることに私が気づくまで、数秒間かかりました。
まず彼に、私は誰ともお目にかからないということをお話ししました。
でも、彼はしつこく頼んできました。最後には、彼の押しと魅力に負けて、OKをしてしまいました。

一時間後、どきどきしながらドアを開けると、まるで双子のようによく似た二人の大男が立っていました。
名刺を手にして、彼らは大統領をガードするための特殊警護班に属していると告げました。
そして家の中を少し見せてもらえると嬉しいと言いました。 
少しためらいはありましたが、彼らを案内しました。数分たってから二度目のドアのベルが鳴りました。
ドアの前に、最初の二人によく似た三番目の男が立っていました。
「私をFBI全員に引き合わせるつもりかしら」と、私は驚き半分で考えました。
若い男が身を引くと、後ろに大統領が立っていました。彼は楽しそうに、でもはっきりと言いました。
「私を、一人のに娘に夢中にさせ、そして、彼女が大使のガールフレンドだということを信じさせてくれた
 有名なヤダムにお会いしたいと思っていました」
「ええ、彼女ほ大使の姪で、美しくていい娘です。どこの国の大使かは申しませんが」
と、私も言い返しました。私たちはどっと笑いました。 今でもあれほど素敵でチャーミングな、
そしてあれほどまでに悲しい運命にあった男性と、ともに分かち合った笑いを思い出すのです。
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 これを読んでいると、本当と思われるが、マリリン・モンローとも浮名も本当だったのだろうか?

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