つれづれに
毎日が不景気のニュース。
他人事のようだが、実際は全て一人ひとりに直接かかわってくる問題。
今日のニュースでは
・一月の輸出額が45パーセント減
・自動車四社、減産四割
・長野県知事ー警察官僚上がりの汚職疑惑で
元秘書で県参与が自殺?
等々、マイナスの話題が目につく。
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世界不況:識者に聞く
前金融庁長官・五味広文さん
◇米も不良資産分離策を
--米国が、不良資産を買い取る官民ファンド創設など新たな金融安定化策を打ち出しました。
◆日本の経験からいって、公的資金による金融機関への資本注入だけで金融危機は解決できない。市場の不信解消には、銀行のバランスシートから不良資産を切り離し経営をリセットする必要がある。日本の場合は不良債権を買い取る整理回収機構に加え、産業再生機構を通じ企業再生にも国が関与した。
--米国の対策の実効性を疑問視する声もあります。
◆(金融庁検査で銀行の不良債権をあぶり出した日本と違い)米監督当局は銀行の財務の傷み具合を正確に把握できていない。まずそこに手を付けないと不良資産分離の議論が迷走しかねない。(官民ファンドによる)買い取り価格も難題だが、銀行の言い値では納税者が納得しない。結局、時価評価しかなく、銀行に莫大(ばくだい)な追加損失が発生するだろう。
追加の公的資金で銀行破綻(はたん)を防ぐことになるだろうが、資本注入なら公的資金投入額が巨額になっても、将来、国が保有する株が値上がりすれば国民負担は抑えられる。
--日本も金融不安が広がり、政策対応が求められています。
◆米国と異なり、日本は現時点で(銀行が連鎖破綻するような)システミックリスクの状況にはないが、実体経済が悪化し、貸し倒れを恐れる銀行が融資を絞る一種のクレジットクランチ(信用収縮)が起きている。貸し渋り対策は必要だ。
ただ、景気が急激に悪化し、銀行も無分別な融資はできない。金融庁に監督基準緩和を求める声もあるが、一線を越えると、銀行の健全性が確保できない。金融行政のさじ加減だけで対応するのは限界があり、国の信用保証や政府系金融機関の融資拡大など政策の組み合わせが必要だ。
--復活した予防的な公的資金投入制度は役立ちますか。
◆銀行の自己資本比率が上がると直ちに融資が増えるかどうかはさておき、地銀などの財務基盤が安定化し、貸しはがしがなくなるなど地域経済に安心感を与える利点は大きい。ただ、公的資金を使う以上、将来の回収に向けて銀行に財務の健全性を確保させる手だては必要だ。【聞き手・永井大介】
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■人物略歴
◇ごみ・ひろふみ
1949年生まれ。東大卒。72年大蔵省(現財務省)入省。98年金融監督庁(現金融庁)検査部長。金融庁監督局長を経て04~07年に同庁長官。現在は西村あさひ法律事務所顧問。山梨県出身。59歳