−読書日記
 この著書の結論は、
「16世紀に資本主義が始って以来の地殻変動がいま起きている。
  キッカケはサプライムローン問題であり、20,30年と激動の時代が続く」である。
 
 16世紀からの近代(資本主義化)が‘変わり目’に来ている。これは著者が言い出したことではなく、
 他の学者の論を租借しただけだが、キッカケはリーマンブラザーの倒産である。 
 更にいえば、松井孝典がいう「地球システムが拡大し続ける人間システムを維持できなくなったサインの一つ」
 とみると、解りやすい!  第一次大戦、金融恐慌、第二次大戦と続く一連の破壊よりも数倍大きい
 エネルギーが世界を覆い、一度、西欧中心主義の世界を破壊しつくすのは必然の流れである。

 この著書で、1995年から2008年9月まで、ーアメリカ「投資銀行」帝国ーが存在した、という。
それが、去年の9月で、その帝国の象徴的存在だった5つの米投資銀行が全て破綻してしまった。
1995年以降、アメリカ「投資銀行」帝国は、「すべてのお金がウォール街に通じる」システムを築き上げて、
資本家達は1995年以来、100兆ドルの金融資産を増やした。 元来、貯蓄が少ないアメリカにとって、
投資銀行」帝国化することで、まさに「無から有」のお金を手にしたのである。
  その最終局面で起こったのがサブプライムローン問題。
アメリカの資本主義帝国化に一番に対応したのが、まずは日本である。いや、させられたのである。
金利を下げて円安を誘導し、輸出主導でバブル崩壊後の日本を立ち直らせようとした、
米国「投資銀行」帝国に対応した「日本輸出株式会社」が完成したのである。 この二つは、コインの裏表一体。 
したがって、アメリカ「資本銀行」帝国の崩壊は「日本輸出株式会社」の崩壊でもある。 
悪いことにECも同じくアメリカのモデルを真似たシステムをとってしまった。
更に、アメリカの毒入り債権を大量に抱え込んでしまったから、アメリカ同用に崩壊状態に陥ってしまった。 
中国も、アメリカ「資本銀行帝国のシステムに組み込まれ、米国ドルと国債を大量に持たされている。 
世界中が、すべて同時に金融恐慌に陥ってしまったのは、やはり16世紀以来の地殻変動である。

CDO(債権担保証券)で、300兆円だが、これにCDSがある。
CDSは、CDOなどのリスク担保をする保険であり、4000とも6000兆円ともいわれる。
これが今年から表面化することは必定。 とすると世界恐慌は避けて通ることは出来ない。
世界の大手企業が社債や不動産債権などを出しており、実物経済の悪化と同時に倒産が続発する。
その結果、その社債などの債権にかけた保険=CDS不良債権化が表立ってくる。 銀行の倒産、
企業の倒産、不良債権の発生、とマイナス循環が果てなく続くことになる。
したがって、20年、30年の激動の時代が続くのは必然のことである。
クリントン女史が、昨日のTVの画面をみると一挙に老け込んだ顔をしていた。
中国からの献金疑惑もあろうが、アメリカの立たされている重大局面を深く知ったため??。

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