つれづれに

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 住居の長岡市で電子部品メーカーの子会社が5月に解散、108人全員が解雇という。
 これで去年の暮れから何社目だろう。 今のところニュースは聞いてないが、地元には
 6000人規模の「日本精機」という自動車のメーターを主としたメーカーがある。
 売り上げは半減のはずだから大変だろう。地元では超優良企業だが。

 いつも長岡駅裏のバスターミナルのところに私と同年輩のホームレスが、夏あたりから居た。
 来る人来る人に手を出して「恵んでください」という。それはいいが、その場所で、
 他の一人〈別テリトリー)と週一の割合で酒を飲んで大声で喚いている。
 最近は、荒れていて「あの野郎、許せね~」とか、「何様のつもりだ?」と大声を
 一人でつぶやいていた。  職場での酒は厳禁のはず、それをみれば誰も与えたくは無くなる。
 ところが先月の末あたりから、姿が見えなくなった。警察に禁止されたか、保護でもされたかと
 気になっていた。 春先に必ず警察官が住民調査に回ってくるが、家内が「あの東口のホームレスの
 姿が見えないがどうしたのですか?」聞いたところ、新潟市に帰ったという。 元々新潟駅
 テリトリーにしていたが、長岡に長期出張をしていたという。 長岡も彼らからも見捨てられた?
 雪の中、見ているほうも辛い姿が消えたが、時代の厳しさを象徴している姿である。
 人生、一つ間違えれば、何処かの町で同じことをしていたかもしれないと、つい思ってしまう。

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世界不況:識者に聞く       毎日新聞
 イングランド銀行元金融政策委員、ウィリアム・ボイターさん
   
 ◇道徳忘れ去った市場

  --金融危機・経済危機をどう見ますか。
 ◆金融市場が機能不全に陥り、世界同時不況に至った。中国でさえ、彼らの基準では景気後退といえる。逃げる場所もない。景気回復の道筋も見えない。金融中心の経済は社会的に非生産的で危険だということがはっきりした。狂気じみたクレジットブームで、ビジネスの倫理も正直さも失った。道徳がいかに市場の信認を支えてきたかが忘れ去られた。

  --米英資本主義が危機の土壌になったとの指摘もあります。
 ◆取引先との関係を重視する伝統的な金融モデルに対し、アングロサクソン型が勝利したという妄信があった。どんなものでも証券化でき、市場は合理的に価格付けができると信じたが、大変な過ちだった。金融の技術革新は金融当局の規制を回避することが目的になり、当局も証券化商品を理解できず規制に失敗した。高成長と低インフレ、中東やアジアの過剰な貯蓄もあり、リスクをあまりに過小評価する異様な世界を作り出した。

  --信用収縮の波が依然、収まりません。
 ◆銀行は資本不足を懸念し、貸し渋っている。欧州も他地域も政府が不良資産の受け皿となる「バッドバンク」を設立すべきだ。ただ、不良資産は値決めが難しいので、まず完全国有化して経営陣を入れ替え、株主権を制限することだ。

  --各国に求める財政・金融政策は?
 ◆景気対策は、国民が将来の増税につながると思えば消費は増えない。各国の政策に大きな違いが生じれば、企業や資金の海外流出も招く。各国が協調しなければ意味がない。一方、先進国の政策金利はゼロに近づいており、量的緩和もしくは信用緩和政策の導入が不可欠だ。金利がゼロに近づいた後は、ブラジルなど新興国も信用緩和を導入することになるだろう。

  --危機後の世界はどうなるでしょう。
 ◆金融規制が強まって国境を越える取引は減り、金融産業が縮小する。金融が膨張した英国やスイスなどでは顕著になるだろう。G20(主要20カ国・地域)のうちロシアなど少なくとも5カ国は保護主義に走っている。世界的な貿易戦争になれば、1930年代のような大破局に至る。
                         【聞き手・藤好陽太郎】

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 ■人物略歴
 米エール大大学院修了。97年から約3年間、イングランド銀行の金融政策委員。現在、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授などを務め、金融危機や危機後の世界についてブログで発信する。ロンドン在住。59歳。