閑話小題 ~「空を飛びまわるにわとり」 ー2

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   * 世界の果ての空を飛びまわる、にわとり二羽
 4年前の2015年03月04日に(…後でコピー)
<5102,閑話小題 ~空を飛びまわるニワトリ>をテーマに書いた。
 これを改めて読返してみて、私のライフワーク「秘・異郷旅行」が、これで
ないかと思い当たった。 パタゴニアシルクロードなど、単独は無理でも、
パックで、家内連れで、それもシーズンぎりぎりのタイムセールスもどきの
格安料金で… 。ゲーム感覚で世界地図を埋めていく感覚で。
 5年半にわたる母親のアルツハイマーの面倒など、ストレスがピークに達した
40歳代に入って、その解消を含めて始めた旅行については、何度もテーマにして
きた。「空を飛びまわるにわとり」から思いついたのが、これ。
 テーマの題名は、<世界の果ての空を飛びまわる、にわとり二羽>。
家内同伴は、日常を非日常に持込む弁当持ちのよう…。これが慣れると面白い。
行先は2~3ヶ月掛けて、ああだこうとパンフレット、ネットで選定。帰国から
2~3ヶ月は熱が冷めやらず、その渦中の話題が楽しめる。 行先の情報は、
旅行の行程で、ツアー仲間と添乗員から聞き出す。確かに贅沢だが、国内旅行と、
普段の生活を、その大義名分で合理化した差し引きの計算をすると、平均年に
二回で「100万位の予算」で、2人で3000万。 高いか安いかは、価値観の問題。
「行蔵」をとるか、「預金残高」をとるか? ニワトリとは言い得て妙。羽根は
退化しても、パックという羽根を使うことは可能。世界の文化、文明、大自然
景観を合理的に味わうことが可能になる代物。「空を飛びまわるにわとり」と
いえば、ネットが思い浮ぶ。部屋を庭に例えて、ネットで世界の空を飛びまわる
ようなもの。にわとりは、本当かどうか?「7秒前のことは忘れる」という。
 しかし、うちのペットは、間違いなく2~3日は記憶している。
スマートフォンの普及は、この10数年で、世界を根こそぎ変えてしまった。
にわとりに、情報という「羽根」を万遍なく与えてしまった。これが人類20万年
来の生活様式を変えてしまった。 15世紀半ばにグーテンベルグの印刷技術が
発明されて、情報が格安に普及されるなった。これは人から印刷物への情報の
移動を意味する。 550年後の21世紀には、スマートフォンなどで、情報が紙と
人間から解き放され、一人立ちをしたことを意味する。その次は、AIが2045年に、
人間から独立して一人立ちの可能性が論じられている。 情報化社会の到来が、
世界を激変させている。3,30,67%の社会格差が、より鮮明に露呈されてくる。
 一人一人が、強い絆で結ばれる反面、隔絶される社会の到来。
満員電車内で、誰もがイヤフォンを耳に、情報端末を見つめている社会。
家に帰れば、AIロボットがお出向かい! 居間では大型TVを通して、仮想世界の
住人とコミュニティ。 デジタル社会のニワトリとは、まさにこれ! 
 隣は何をする人ぞ! そんな言葉さえ、死語になる。8年前から私自身、
内向きになり、TVとネット世界へ独り閉じ籠もる生活に。居間から… 寝室と
書斎コーナーに移住? 内的隔絶は更に進んだ。 まだ、ブログで内的世界を
開放しているため、精神の淀みは少なくしているつもりだが… デジタル社会の
ニワトリのような自分にハッとすること屡々。 このブログも、哀しく寂しい
不自然な内面の公開ということ? デジタル社会のニワトリね~ 
コケコッコー! 幸せなことです。 ニワトリから、鷹は無理とでも、
デジタル社会のカラス? 渡りの鴨? 鳶? 土鳩あたりですか。
――――
5102,閑話小題 ~空を飛びまわるニワトリ -1
2015年03月04日(水)
   * 空を飛びまわるニワトリ
 以前だが、TVニュースのレポートで、神社で野生化したニワトリが、
樹木の枝を飛びまわっている姿の記憶がフラッシュしてきた。このニワトリ、
野犬に追われ、やむなく飛んでいるうちに、飛べるようになったようだが、
これは人間の能力と同じ現象と思いついた。野犬から身を守る生死の境で、
普段、使わない本来もっている羽根の機能を使ったため。 生命が生まれて
20億年、現在の人類の祖先から20万年、経過している。脳には生命として、
動物、人間として、あらゆる生死をかけた経験が蓄積され、それを使って生き
残ってきた。その記憶が脳と身体に刻印されているのが、究極の危機から
目覚めてくる。その一つに火事場の馬鹿力がある。 後家の踏ん張りも?
 私なぞ、境内の木々の枝をコケッコと鳴いて飛びまわるニワトリ?
枝の上から、柵内の飛べないニワトリをみていると、何か人間の姿に?
   * つれづれに
 ☆ この30年近く、我家のペットはインコ。いまので10代になるが、
 名前は「ピー子」。7代まではボタンインコだったが、8代目がメキシコ・
コガネインコ、そして4年前から、世界で最も小さいルリハ・インコである。 
性格が大人しく、絵から抜出したように可愛いが、年を重ねる度に、野生が
顔を出し、攻撃的になる。外出先から帰ると、駐車場から察知し鳴きさけぶ。
このインコも驚いた時に、飛んで逃げるが、普段は飛べない。人間と同じだ。
 ☆ 先週の金曜日に観たシネマ『アメリカン:スナイパー』を観た。
 中東で160人を射殺したスナイパーが、退役後、心的外傷を負った男に射殺
される。その心的外傷の男が何ゆえ射殺したのか考えてみたが、私の結論は、
「自分が殺害したアラブ人への償いを、その英雄を射殺することで果たした?」
と考え至ったが、どうだろう。 キリスト教原理と、イスラム原理主義との
戦いが、21世紀の大きなウネリになる。 もう、おちおちアフリカ、中東に
旅行に行けなくなってしまった?
 
・・・・・・
5834,閑話小題 ~4k8kテレビの世界 -4
2017年03月06日(月)
   * 世界の絶景をドローンで空撮
  新婚旅行で行き先の絶景をドローンで空撮をしながらYouTubeに進行形で投稿
した録画の新鮮さが、バズって世界中で大ヒットした。ごく普通の人が、2年間、
 節約した金で世界各地の絶景を空撮した切口と、絶景録画が何とも素晴らしい。
  数日前に、かつて録画していた世界絶景紀行のボリビアのウユニ湖の紀行モノ
 をみた。ここで現地ガイドが、サービスの一つとしてドローンで空撮をした画面
タブレットで、見せていた… 南米の僻地でも、時代の先端をいっている。
その録画から見える絶景が美しかったのに驚いた。YouTubeで検索で、出てきた
星座群と、湖面に映しだされた輝きはTVでも感動もの。4kビデオ+ドローンの
空撮は、空中からの自撮りも、空中探索も可能になる。
   ~2人のネット記事から~ 
 【 ● 彼らの旅を彩ったのが、ドローンによる空撮だ。
  いまや旅人が自身の写真や動画をとり、SNSに投稿する行為は珍しくないが、
これほど大掛かりなガジェットを使うケースはなかなか稀有。ーなぜドローン
 だったのかー 夫の千貴さん曰く、それは「たまたまだった」という。
 「もともと考えていたのは、2人一緒に並んだ写真をいっぱい撮ろうということ。
 世界の観光地の写真は綺麗なものがネット上にいっぱいあります。でも2人の
写真は僕たちにしか撮れないから、自分たちのために残したかった。でも旅行が
近づいたある日、YouTubeですごく格好いいドローンの空撮映像を観たんです。
それで、2人の記念撮影とドローンを組み合わせたいと思いました」
いまYouTubeに「ハネムーントラベラー」と打ち込むと、千貴さんと真理子さん
 が撮影した数多くの映像を視聴できる。映像の始まりは、どれも仲睦まじく並ぶ
2人の姿から。ドローンが空高く上昇するにつれて2人は小さくなり、やがて息を
 のむような絶景があらわになる。千貴さんは「正直なところ、行く先々で撮影した
映像をネットに投稿していればバズるかなー、なんて気持ちもありましたけど、
BBCにとりあげられて、世界中の人に見ていただけるなんて想定外」とはにかむ。
   ● 2人が旅から得たものは?
  ドローンを持参したことで、確かに2人の旅はより実りあるものになった。
 例えば、通常の視点では気付けない風景を知ることができたという。…(略)
 上空から見ると、二つの川の水の色がぜんぜん違うのです。些細なことですけど、
すごく得した気分。また、ドバイの人工島を空撮した時のことも忘れられません。
パームとはヤシの木のこと。この島はヤシの木の形をしていることで知られて
 いるのですが、自分の目でそれを確認することができました。上空から見ない
 とわからないことって、意外とあるんだなと気付けたんです」
  また、ドローンを通じて、地元の人々と交流を深められたことも貴重な体験
だった。ドローンの映像には、さまざまな人々に囲まれる2人の笑顔が映っている。
 千貴さんは「地域によってはドローンを見るのも初めてという人もいて、撮影を
 していると珍しがってくれました。ドローンのコントローラーには空撮している
映像をリアルタイムで確認できるディスプレイがついているのですが、
 『自分たちが住んでいる場所を初めて空から見た!』と喜んでくれたんです」と。
  そして、ドローンを使った一連の経験は、千貴さんに新たなキャリアを提示
している。BBCにとりあげられて以来、世界中から映像作家としての仕事の
 オファーが舞い込むようになった。ニューカレドニア、タイ、南極、日本国内と、
 最近の仕事だけでも多岐に渡る地域を股にかけている。記者が取材した当日も、
 「明後日からまた海外に出発です」ととても忙しそうだった。
――
 ▼ ドローンの空撮も、4kビデオも、カメラもデジタル技術の飛躍的進化の
 結果である。ますます空撮などの面白いのが世の中に溢れることになる。
この5~6年、週一度はシネマ館に通っているが、これも特撮などデジタルの
進化で圧倒的に面白くなっている。それを最大限に利用して楽しめるのも時代
からの贈物。ハリウッドの連続モノドラマ『CSI』に、サイバー犯罪シリーズ
 があるが、近未来の世界の先取りで面白い。 長年かけ培ってきた感謝、感動の
受信能力がデジタル技術で拡幅してくれる時代! それこそ有難いことだ。
 ~ で、偶然、「黄金の時間をデジタル化して伝える」という文脈として続く。
・・・・・・
6201,閑話小題 ~恋と愛の違い -5
2018年03月06日(火)
             『男はつらいよ』~寅の恋愛談義
   * 俺にも言わせろよ! ~B
大家: で、改めて何を言いたくて登場したの。
フーテンの寅: 俺の澄んだ純粋な気持ちを誤解されたくないの。御前さんたち
  とは違うんだ。俺には柴又の実家の一室と家族しか無いんだ。
八つぁん: しばし、美人に恋心を持って、現実逃避をしてるんさ。恋心の
  絵図の妄想を楽しむしかないさ。その裏には辛い辛い現実があるの。
熊: そんなの俺だってそうさ。長屋の一室で女房・子供だけ。それと町内と、
  その周辺の500m範囲だけど、あんたは全国区だもんね。いやウィーンまで
  行ってきたじゃないか。その軽さに憧れるんだ。俺なんぞ長屋の住民を除くと、
  寅さんを通してしか、世界を知らないんだ。
フーテンの寅: 仕事を終えて、田舎町の安宿で、部屋で独り飲む酒のほろ苦さ。
  この味は、良くも悪くも格別だよ。明日、この宿を出れば無一文。さてと、
  今日の稼ぎと寝ぐらを如何するか?の流離の不安と情けなさ。そこが四国、
  九州なら、野宿が出来るけど、雪国なら茫然とするね。で、駅の待合場所で
  震えていると、涙が出てくるの。思いだす様々なマドンナとの邂逅のこと。
  それが毎日だからこそ一刻の幸せの味が解るんだよ。
八つぁん: 日常生活では、そういう経験は少ないからね。だから何時も言う、
  日常にドップリつかっている世間様から距離を置くの。
フーテンの寅: 俺と同じにしないでよ。全く、違うじゃないか。
  俺のような人間は、誰にも必要とされてない。その上に暇がタップリあるし。
  問題は、寂寞感に、孤独感が重なった時に、その状態を良しとする強い心持ち
  が必要なの。だからさ、自分を説得するの、「何とかなるさ!」とね。
  俺を待っている人が、きっと何処かに居るとね。そう思うしかないだろう。
熊: 気楽そうにしているけど、俺って何時もいつも、どうしようもない自分を
  持て余しているんだ。俺も実は、真っ当な人生を生きたかったとね。
長屋の寅さん: おい熊さん。その真っ当な人生って何だというんだ。
  そりゃ、真っ当な人間に向かっていう言葉で、俺ら長屋の住人を前に言って
  はいけないよ。そりゃ、老い先少ない大家さんが言うのは解るけどね。
大家: 老い先短いと、面と向かって言うんじゃないよ。現実なんだから。
  半径500mの世界に全国区の寅さんが、現れて話に加わると、何かチグハグ
  しないね。 とにかく、神様や、スターリンまで出てくる長屋だからね。
熊: 話の内容が面白ければ、それでいいけど、俺様からみても、現実から離れ
  過ぎてて… 。
八つぁん: ところで、長屋の寅の場合、何時も頭に貴方を想定しているけど…
フーテンの寅: いや、想定だけじゃ、面白みがないね。チャンと人格として
  呼出して欲しいの。 今日は初出演ということで… いいけどね。
長屋の寅: おい俺は、どうなるの?
大家: 最近、役割が熊と変わりばえしないし、つまらないね。
八つぁん: 熊さんもつまらないね。与太郎に変えようか?
  そういえば、珍コロと、珍獣もあったね。 
フーテンの寅: また呼んでよ。長屋の寅ではは面白くないからね。
リリー: 今度、私も呼んでよ。それと山田洋一監督に伝えてよ。寅さんが
  居なくとも、私と‘さくらちゃん’を二人を準主役にすれば、例えばさ、
  過去のマドンナの回想を細切れにして物語にするとさ。面白いでしょう。
  2人して厚化粧をして、ボヤかせばね何とかなるしね。
大家: …お後がよろしいようで。よほど書くネタが無く、暇のようで!
  
 追記) 明日、6年ぶりに、以下の問題を取り上げてみようか?
  10の500乗の他宇宙の存在について… 
  ・・・・・・・
3998, 宇宙は本当にひとつなのか ー3
2012年03月06日(火)
         「宇宙は本当にひとつなのか」 ー村山斉著
 「暗黒物質ダークマター」「暗黒エネルギー」「多次元宇宙」「多元宇宙」
が、この本のキーワード。まず「暗黒物質ダークマター」から取り上げる。
   * 「暗黒物質ダークマター」とは?
  目で見えなくて正体不明だが重力を持つように観測されるものを暗黒物質
と呼ぶ。銀河は遠くに行っても星やガスの速度は遅くなっていない。このため
 には、見えない物質(暗黒物質)が銀河の端に行くほど増加していなければ
 ならないことになる。また、遠くの銀河団の光が巨大な重力により曲げられる。
これから暗黒物質が存在していることがわかる。そもそも、この暗黒物質
 なければ、地球も、太陽も、星も、銀河も生まれなかった計算になる。
この暗黒物質は何物とも干渉しないので、今この瞬間にも私達の周辺、身体を
 すり抜けている。暗黒物質の有力候補がアクシオンと、超対称性粒子の
 ニュートラリーノであると理論的に予言、期待されている。
ニュートリノ観測結果から、銀河系の中にある星はすべて原子できていると結論。 
 銀河系全体では、その中心からの回転速度の観測から、見えないが重力を持つもの
暗黒物質命名)が存在し、宇宙進化のシミュレーションから暗黒物質
存在しないと現在の宇宙は存在しなかったことになる。最新の宇宙研究の現場で、
この「暗黒物質」をつかまえる一歩手前まで来ている。現在、仮説としては、
 「暗黒物質は異次元から来る使者という可能性」が、まじめに議論されている。
   ー以下は、暗黒物質についての箇所であるー
【 私たちは学校で、万物は原子でできていると習いました。
  ですが、その原子は宇宙全体の5%にもならないのです。ここで疑問に
 なるのが、残りの95%は何なのか。実は約23%は暗黒物質で、約73%を
 占めるのが暗黒エネルギーなのです。全部足すと誤差の範囲でちゃんと
 100%になります。暗黒物質も暗黒エネルギーも、名前はついていますが
 その正体はわかりません。】
 【 この考え方が最初に提起されたのは1933年のことです。銀河団の銀河
  の運動を観測したフリッツ・ツビッキーが、最初にそういった。最近の観測では
 銀河団のほとんどが暗黒物質でできている。どうしてそれが分かるのか?
  重力レンズ効果を利用し暗黒物質の分布が分かります。重力レンズ効果とは、
  アインシュタインが予言したもので、光は重力に引っ張られて曲がる。 
  そのため、遠くにある銀河や星の光は変形して地球に届く。この重力レンズ
 効果が、今は正確に測定することができるようになったのです。暗黒物質
 分布地図作りではっきりしたことは、暗黒物質は原子ではない、つまり宇宙に
 ある物質の8割以上は、原子ではないということ。】
 【 暗黒物質は、ニュートリノ以上に、他の物質と反応せずに、地球なども
 すぐに通り抜けてしまう物質です。電子やニュウトリノと同じような小さな
 粒々の粒子だと思われる反応はしない重い素粒子と想像される。】
▼ ビッグバンから、この宇宙が始まったというが、その元になる素粒子が、
  どうして生まれたかは謎のまま。暗黒物質が、他の宇宙から来たというなら、
  ビッグバンの原因が、暗黒物質が来た原因を探し求めていく中で分かって
 くるのでは?と思われる。
・・・・・・
4739,<つまずき>の事典 ~   ー7
2014年03月06日(木)
* 私は人一倍こわわがり屋!(植村直己)<つまずき>の事典>中村邦生編著
  誰でもこわがり屋で、神経質である。もし、そうでないなら無知か、無神経
である。それを登山家の植村が逆に準備を周到にすることで乗り越えてきた。
 私も、人一倍こわがりで、神経質の性格を乗越えてきた。初めてのケニアも、
  生きて帰れるかどうか、到着するまでは恐ろしさで震えていた。でも、
サファリ地区に入れば、何とことはない、世界で名だたるレジャーランド。
 要は、決心できるかどうか。人生と同じである。 ーその辺りを抜粋ー
《 ☆ 人から「そんなに次次に危険を冒してこわくないのか」と、よく
 聞かれるがとんでもない、私は人一倍こわがり屋。危険に直面したとき、
 自分だけはなんとしても生きたい、と思うのである。普段の生活では表に出ない
利己的なものが、危険に遭遇した時、あらわれるのである。ー植村直己『冒険』~
  植村直己(1941~84)は登山家・冒険家。兵庫県生まれ。モンブラン
キリマンジャロ、南米のアコンカグア、エペレスト、北米のマッキンリーと
世界初の五大陸最高峰登頂者となった。チョモランマを除いては単独登頂。
 他にも、アマゾン川を筏で下ったり、北極圏一万二千キロを犬ゾリ単独走破
などを成し遂げた。この希有の冒険家も明大山岳部に入りたての頃は、
 新人の中でも最もパテが早く、使いものにならなかったという。
  この『冒険』は一九八○年刊行の自伝的冒険記。引用は単独行への新たな
挑戦を語る章の一節。この「利己的なもの」という言葉に続けて、
 「北極圏の犬ゾリ旅行のとき、ひとたび食糧が欠乏して生命に危険を感じると、
それまで家族のように接してきた犬も食糧に見えた」と告白している。
 植村直己は「未知の世界に立ち向かうとき、私はあらゆる準備に時間をかける。
そして、成功への可能性が見つかったとき、初めて行動に移る」と自他ともに
認める慎重居士であった。しかし一九八四年、マッキンリーの冬期単独初登頂
に成功した帰路、消息を絶った。43歳の誕生日を迎えた後であった。
この登頂は南極大陸横断という挑戦に備えてのことだった。》
▼ 長期の設備投資の事業をしてきたが、20~30年以上の投資のため、
  多くの時代の波に曝されることになる。判断と、決断は、それを前提にするが、
そんな先が読める訳がない。そこに底知れぬ恐怖感がまとわり付く。そのため、
 万一の備えをつくっておくしかない。今回の一連で、大部分の人が計画倒産と
思ったようだが、そんな小利口なことなど、私に出来ようがない。出来るのは、
 再投資の度に、リスク管理を積み重ねてきた。そこには利己的な自分が顔を出す。
  気が小さく、愚鈍で、利己的な自分と常に出会うことになる。
だから綺麗ごとが綺麗ごとと自覚できない人の心中が透けて見えてくる。
ドラマと、現実は違う。その内面は、ドラマでは表現できない。
それは、自分で経験するしかない。
  ・・・・・・
5469,人生で最も大切な技術 ー27 黄金の時間への回帰
2016年03月06日(日)

 5年前から、早朝から「黄金の習慣」を編上げたスケジュールを淡々と過ごす
日々が、そうと言えるが、どうだろう。世間的なことを、ほぼ無視できるし、
 一人、ほぼ単独でこなしている。一番の心の切替が出来たのは、20時から4時間、
 爆睡をした後の、4時間の半睡を、瞑想のように過ごす。4年前からジムのヨガを
週に2~3回、参加しているが、最後に死者のポーズを5分ほど行う。それと同じ
感覚にすると、かなり酷似した感覚になる。 歩の時間が、成金の時間帯に
変わっている。 ~その辺りから
≪ 一日に一度、ほんのわずかな時間でもいい、心を内省する時問を持ったら
 どうだろう。たしかに、知的な会話や頭を使わないですむ娯楽もそれなりに
楽しいものではある。だが、それらが本当の満足感を与えてくれるだろうか。
 心を内側に向けよう。山のように習得するだろう。毎日わずかの暇を見つけて、
 利他的な考えを養成し、心がどのような働きをするかを観察するのは非常に
価値のあることである。こうした心の探査は、地域情報やスポーツ記事を読む
時聞に比べて千倍も多くのものを得る上、永続性がある。世間的なことを
 すべて無視しろ、と言っているのではなく、時間が有効に使われるべきだ、
と言っている。現代人は思考ゼロの状態にはまり込んでいるのである。
  挫折を味わうとか、仕事が空回りする等の経験をした場合は、
 「すべてを客観的に捉え直す」ことにわずかの時間費やす。だが、その方法と
費やす時間が問題なのである。辛い時間が「さっさと過ぎ去る」のを待ち、
 「気持ちをまぎらわす」何らかの気晴らしを熱心に探そうとする。 それが
 ほとんどの場合だろう。だが、俳優と場面は変わっても、芝居は続くことを
忘れてはならない。湖の畔、丘の上、静かな部屋に座り、自分の奥深い部分が
 どのような構造になっているのかを観察してみたらどうだろう。まず、自分の
人生で何が一番大切か、それをじつくりと検証する。続いて、それまで時間を
割いてきたさまざまな活動を点検し、基本的に重要な事や活動を優先して順位
をつける。日常的な活動のうち、必要性の低い部分を、沈思黙考と内側に目を
向ける時間に切り替えることもできるだろう。長年にわたり、英国を離れて
隠遁生活を続けたテンジン・パルモ尼はこう記している。「人は瞑想の時間が
 ないと嘆くが、それは正しくない。廊下を歩いている間、信号待ちの間、
コンピュータで作業中、列に並んで順番を待っている間、と入浴中、髪を梳か
 している時でさえ瞑想はできる。今この瞬間に存在しているだけでいい。
 心についての余計な解説は要らない」。 人生の残ざれた時間は有限である。
 人間は、生まれたその日から一秒、一歩ごとに死に近づいている。
チベットの隠者、バトゥル・リンポチェは詩的な表現をしている。
   日没に太陽が沈むように、命が次第に残り少なくなると、
   死が、長ぐ伸びた夕暮れの影のように近づいてくる。
▼ 別に、私が黄金時間を満喫しているということでなく、御隠居生活
  そのものが、心の持ちよう、考え方で、それに近づける状況ということ。