『砂漠と鼠とあんかけ蕎麦』山折哲雄五味太郎・対談
   * 神様はなぜ必要か
< 五味: 神様はなぜ必要なんでしょうか?
 山折: 対話者が必要なんだな。人間同士ではちょっとレベルを超えた対話者。 
    そういう上位のパートナーを人間は本質的に必要としている。
 山折: 母親と子供、父親と子供の関係で一番大事なのは、やはり聞くこと。
    それで解放されていく。仏教は、最終の重大問題にしたのではないかと。
 五味: 「人というのは罪を犯すものだ」という形で、それをどう救済して
    いくかという感覚で立ち向かうビジョンと、初めから殺すな、盗むな、
    何するなって止めていくタイプと、あります。
 山折: そう、殺すな、嘘いうな、盗むなという黄金律を守る流れと、
    聞いて聞いて聞くことに徹する流れと、二つあります。
 山折: 五味さんの胸をすくうような次の一言、
    「神さまは無神論者だと思いますよ」 これは本当に驚きました。…
    無神論者の神であるなら、宇宙の秘密を読み解くなど朝飯前のこと、
    ビッグバンに火を点けた張本人もまた無神論の神だったかもしれない。
 ―
▼ アラブ人用に、AC/610年にモハメッドがイスラム教を立ち上げた。
 その源流は旧約聖書があり、モーセの律法を行動規律とする。ユダヤ人を
神が選んだ民として考え、終末論とメシアの到来を信じる宗教。奴隷として、
エジプトに従属していたユダヤの民が脱出してイスラエルの地に帰国した、
その時からアラブの民と摩擦が生じ現在まで至っている。キリスト教は、
その亜流で、新約聖書の教えがある。仏教はインドの風土が生んだ宗教。
人間は、何はともあれ孤独の存在。最期は死に直面し、絶望の中で死ぬ存在
である。死だけではない、何かを決断する時、孤独の際に立つしかない。
内なる世界で自己対話で決断するが、その時に、内なる対話の相手に、
過去の人たちの苦悩と、解決策の集約した答えを神が導いてくれるか、
どうかでは雲泥の差がある。神の代わりが、愛してくれた両親でもよいが、
熟練してる、神様が相手なら、最善に導いてくれるはず。神の魂と同化し、
その知恵なら間違いは最小で済む。
 
 ―
 山折: 砂漠の民は、考え抜いて手段を発見しないと死滅してしまう。
    風土に圧倒されてしまう。我々は何も考えなくとも、豊かに生活
    しているわけです。森と川、森の幸と、川の幸、これだけ恵まれて
    いるのは世界でも日本だけ。ものを考える必要が無い。
 五味: 翻って、生き抜くための精神力みたいな意味での宗教と、ぼんやり
    している時に出てくる宗教とは、似て非なるものですか。
 山折: 一神教というのは「信じる宗教」、天上の彼方に永遠の絶対神
    存在するかしないか、それを信じるか信じないかが決定的な問題。
    だけど、我々の豊かな自然界が存在する世界では、そこに身をひたし、
    自然に共感していけば、充分に救われる。僕は、「感ズル宗教」と
    言っている。
 五味: そんなことを言っていたら、砂漠では死んでしまう。
 山折: ものを考える必要がない。だから感じていればいいわけ。
    
 ―
▼ 4万年前の人類が、洞窟の奥に書き残した絵画に、呪術師が描いたと
 思われるのが発見されている。自然の中では、人間が如何にもならない
ことを肌身で知っていたため。その流れが、一神教につながっている。
一神教の「生きる」は、過酷な世界の中で、如何にして「生延びる」かに
ある。グローバル化、情報化の激変の世界で「生きる」ことは、そのまま、
「生延びるか」に… その世界は一強多弱に瞬時に帰結する。ということは、
情報化、グローバル化は、大多数の者にとって、生きづらい世界に追いやら
れることになる。核兵器を持ち、使うぞ、脅して、見返りを求めていれば、
豚でも生き残れるのである。

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3846,‘よい写真を撮る’コツは ?
2011年10月06日(木)
 海外旅行など、つまらない写真を見せつけられて困った経験は誰もある。
それは撮るほうも撮られるほうも構えるからである。私もスナップ写真を中心
に多くの写真を撮り続けてきたが、少しは真っ当な写真が撮れるようになった
のが、デジカメで写し始めてからである。 デジカメはコストを考えないで
済むので、気分に沿ってドンドン撮り、後で気に入ったものを選べばよい。
 観光地などの写真は、幾らでもネットや絵葉書で入手が可能。そこには、
自分が撮ったという現場感覚が入ってなくては面白くない。写すというより、
その場の雰囲気に従って対象から逆に「自分の一番良いところを撮ってくれ」
と、指示された目線で撮るとよい。その為には対象の景色に、まず感動し、
その感動をカメラに収める気持ちが必要である。また小さな花をアップにし、
その背景として撮りたい景色を背景にすれば、大小のコンストラストが現場
の空気を際立たせてくれる。 人物を撮るときに、「撮りますよ」と自分から
構えては良い写真は撮れない。後姿やリラックスの自然体の姿を撮るのが原則。 
その為に、その人の表情が出てくるタイミングを待たなければならない。
だからハイ(雰囲気に酔った)の状態で、その場を撮ると比較的良いのが撮れる。
それは、その場に自分が溶け込んでいるためである。篠山紀信荒木経惟
女性などの撮影現場をTVでみたが、徹底的に相手をリラックスさせ、
その個性が湧き出るまで待っている。 その為には、まず撮影していること
自体を忘れさせてしまう。動物も人間も見られると緊張する生き物。 
電信柱にとまっているカラスをジッと見つめると、緊張の反応を示す。
人間も同じでカメラなど構えれば、緊張するなという方が無理。そこで、
撮影を忘れさせ、何気なくカメラを向けると良い。今まで、デジカメは
少しは使いこなせたが、一眼レフを使いこなせたことはない。どうしても、
構えて良い写真を撮ろうと、構図の選択に構えが出てしまうからである。 
対象の真善美を、リラックスした自然状態で、純心に同化することが理想。
その為には、やはり場数と、基本的原則を知っていなければならない。
何ごとも同じ。スナップ写真こそ難しい。 文章も同じことになる。

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3847, 創造的破壊
2011年10月07日(金)
「創造と破壊」について考えてみる。何か新しいものが創造される時に、
古いものの破壊が、そこにある。新しく創造されたものも、時間と共に古くなり
破壊される運命にある。破壊をマイナスだけで捉えるのではなく、創造のベース
として捉えることが創造的破壊である。 人生での挫折は、新しい自己へ生まれ
かわるための破壊になる。但し、それを糧に生まれ変わった場合だが。 
社会的な立場だけでなく、内面も重ねての人生の再生である。破滅の際だから
こそ変われる。順調に来た人ほど後半になっての挫折は、心に大きい重石となる。
しかし挫折は人生の節目をつくる機会でもある。竹の節は、これがあるから
大風の時に折れない機能として全体のシナヤカさのバネになる。
予定挫折のいう言葉もあるとおり、人生で無くてはならない節目は必要のこと。 
半年前の挫折?で、比較的平然でいられるのは、人生の前半に、多くの節目が
あったためである。 節目時は耐えるしかない。 しかし挫折経験こそ人生を
充実させてくれる。 どちらにしても人生に挫折の2や3つはつきもの。  
創造というと、まず「創造的破壊」が浮かんでくる。 ネットで調べると、
【 創造的破壊とは、オーストリアの経済学者シュンペーターによって
 唱えられた考え方で、非効率な古いものは効率的な新しいものによって駆逐
されていくことで経済発展するという考え方であり、その新陳代謝のプロセスを
そう呼んだ。不況は創造的破壊に必要であり、政府による介入はこれを妨げる
ものとして否定した。 現在ではこれを読み替えて、 企業活動の中で古いもの
を打破し全く新しいものを生み出す行動、という意味合いで使われることが多い。
 ドラッカーは、これに近い意味として体系的廃棄という言葉で述べているが、
組織でも何でも発展にはイノベーションが不可欠。「脱皮できない蛇 は死ぬ」
も、脱皮しおえた蛇はまたその外皮が支えられる体型までは急速に成長するが、
そこまでいくと、退化が始ってくるという意味。 創造と破壊は、対をなして
いるといってよい。・・・ 】
▼ デジタル化、ネット化は、この創造的破壊を加速する。
 情報化とグローバル化は、NO1以外のものを即座に駆逐するため、
創造利益を得るのが一部に限られる。しかし効率性からみて、最良のものが
生き残るシステムも決して否定できない。現在の世界の政治、経済の大混乱も、
ネット世界が現実世界とは別に出来、上位にたってしまった結果生じている
創造的破壊。この中で生き抜くことは至難の技。 全ての技がデジタル化し、
合理化を促すからだ。「面白こわい時代」である。 今回の私の挫折を
創造的破壊とすると、如何いうことか?考えるほど、人生の際(きわ)
が見えてくる!次の段階に踏み込め!ということ?     

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4211, 異郷日記 ーアフリカの不思議の力
2012年10月06日(土)
  * ライオンの魂       「異郷日記」西江雅之
 アフリカ、アメリカ、中国、東南アジアに住んでいた頃の逸話は、生々しく
惹きつけられるものばかり。アフリカでは、今でも魔術が信じられている
ところが多いというが、芯から信じれば、それは現実。ー以下も、その一つー
≪ 不思議な力を持つものには、以前に出会ったことがある。東アフリカで
 生活をしていた頃のこと。村人の話によると、雄のライオンのなかには、
死ぬ瞬間に自分の魂を勢いよく口から吐き出すものがいるという。普通の
姿勢を保っている状態では、ライオンの口は下を向いている。死ぬ瞬間に
吐き出される魂は、地中深く埋まってしまい、人の目に触れるしとはない。
ある猟師はライオンに出くわしてしまって正面から撃った。その瞬間に
ライオンも自らの魂を吐出した。その魂が飛ぶスピードは弾丸並みであった。
そこで、猟師とライオンは相討ちとなり両方とも死んでしまった。
まことしやかに話すというのではない。本気で語っているのである。
東アフリカの多くの地域では、ライオンの魂は貴重品である。
それを家に置いておいたり、携帯していたりすれば、戦争に行っても
弾には当たらない、旅に出ても強盗に襲われない、病魔も近づかない・・
などなど、如何なる災害からも身を護ってくれると信じられている。
ある時、わたしはそのライオンの魂なるものを村人から手に入れた。
直径三インチほどの毛玉のようなものである。わたしの目には、それは
どうやらライオンが食べた動物のうぶ毛が腸のなかで結石のようになった
もののように見えた。とにかくそれを持って町に帰り、嬉しくなって
近所の人にそのことを話したら、なんということか、その後の何日か、
わたしの部屋は狙われ続けて、すベての害から身を護れるはずのものを
手に入れた途端に、それまでは一度もなかった害の恐しさを経験する
ことになったのだ。ライオンの魂は、それほど素晴らしく、安全を求める
人心を惑わすほどどのものなのだと、わたしは納得した。 ≫
▼ 「所有すると、その家に不幸があると言われる高村光雲の像を一時期、
 購入して所有したことがあったが、何故か不幸が続いて気持ちが悪くなり、
売ったことがある・・云々」という逸話を父から聞いた話が妙に記憶に
残っている。私の高校の知人が写真家をしているが、仏像の写真集で写真を
撮っているときに不思議なことの連続だったという話も聞いた。
それと、このライオンの魂の話は少し違うが、こういう話を聞いて信じるか、
信じないかだけである。現在、「神は妄想である」という遺伝学者の本を
読んでいるが、これが面白い! 裸の王様の一神教の信者の愚かさ、
信じる者は救われるか! 逆か?
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6050,「老人の壁」 〜読書日記 −2
2017年10月06日(金)
            「老人の壁 :養老孟司 , 南 伸坊 (著) 」
   * 生まれ変わる快感!
 人生とは、「生まれ変わる快感」が突き動かしている、という切口で
 振り返えみると、納得する。
・21歳の7月の30日の欧州旅行で、それまでの固定観念の壁が崩れてしまった。
  「世界は広く、深い」という実感。あの時に、生まれ変わっていた。
・翌年、武澤ゼミで、現象の中にある真理を科学的に解明する訓練を一年間させ
 られた。 いま流行りのオープンハウスに近い25人の寮生活。他者の私生活と
 内面そのままが現われ出る中での、互いの葛藤の経験も生まれ代わりの一つ。
・それから51回の秘異郷を中心とした旅行も、その都度、「生まれ変わって
 帰ってきた」。ロッキー山脈を遠望して、「何、これ! ここは地球?
 これを見ないで死ぬと死なないとは天と地の差。それにしても!」と…  
 40、50歳代に、このような感動を数多く出来たのは、「生まれ変わる快感」
 の味を知ったため。このブログの記述と公開も、日々、生まれ変わるため。
  〜その辺りから抜粋〜
≪(南)真面目な人は、お手本通りにやろうとする、そうするとうまくいかない
  ことがストレスになったりする。いわゆる評価じゃないものが見えてくれば、
  やっている途中も、やっていること自体が楽しい。そういう、自分が楽しむ
  方向を見つけられればいいですね。
(養老)自分が知らなかったところに行き着けば、自分が変わり、世界が突然、
  変わってしまう。「それまでのわたしは、そのことを知らなかった」という
  発見です。世界は広くて、そんなことはたくさんある。それを覚えると、
  年を取らない。だってそうでしょ? しょっちゅう生れ変わってんだもの。
(南)世間で言われる正解というものがあると思うから、つい後ろの解答ページ
  をみてしまう。それをやると、もう楽しくなくなる。僕は「わかった嬉しい」
  と思っていたけど、今までと違う人になることが嬉しいんですね。
(養老)虫なんかしょっつう見ていると「ええ?こんなふうになっているよ!」
  と仰天する。病みつきになって、やめられない。1人でいて、ほっておかれ
  ても何も気にならない。 …
(養老)本当は、勉強や学問ってそういうもので、自分が知らなかったことに、
  気づくという、それだけでなんです。そういう楽しみを持たない人が増えた
  としたら気の毒ですよね。今の親や教師に真面目な人が多いから、その快感
  を教えられる人が少ないんじゃないですか。
(南)それまでちゃんとした答えだけでやってきた人が先生になってしまうと、
  それは教えられないですね。正しい答えじゃなくて、わかった!ってときの
  快感ですもんね。
(養老)案外、古典なんかにちゃんとあって、ゲーテも「死んで生まれ変われ」
  などと書いています。前の自分がいなくなって、新しい自分になるという
  ことです。確かに近代生活の中できちんと生きていたら、そういう楽しみは
  妨害される可能性がかなりたかまる。学んだり発見する喜びは内面にあって
  他者の評価によらないし、それが人を若々しくしたり幸福にするというのは、
  当り前のことなんでしょうけど。 ≫

▼ 書き続けていると、そして、同月同時の過去文を読返していると、当時の
 己と、現在、読返し、時間をおいた自己対話が「自分」ということに気付く
ことになる。そこに年々、生まれ変わっている「自分」が見て取れる。知らない
人からみたら、今でも内面は激しく変わっているのだから、「大変な人」だが、
それが至極当然のこと。穴倉も、岩場の外の、内海も、外海も、大して変わりは
しないとはいえ… 少々、危険でも、外海も出ればこそ、何らしか、想像を
絶した世界が広がっている。 

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5683, 豊洲市場とオリンピック問題の共通項とは
2016年10月06日(木)
   * 豊洲市場とオリンピック工事の陰から見え隠れするのは
 豊洲市場設計事務所の交代と、盛り土をせず空洞を設けた変更に、
ゼネコン・シンジケートの策謀を感じとったのは、私だけではないはず。
それに東京オリンピックが当初見積もりの4倍に増加というから、空いた
口が閉まらない。ゼネコンと、都庁職員と、政治家が、阿吽の呼吸で仕掛けた
構造汚職の一端と思われる現象である。 これは設計変更が誰の利益になるか
をみれば自明のこと。これが全国各地の公共工事で横行していると推察される。
  〜ネット検索で「盛り土問題」で調べた結果、明確な内容があった。
<(Q)・移転の延期や盛り土の問題が出た経緯は?
(A)・築地市場豊洲市場への移転は、当初11月7日に予定されていました。
 小池知事は、市場の敷地内の水質調査の結果が出ていないことなどを理由に、
「安全性の確認を最優先に行う必要がある」として、先月31日、移転の延期
を表明しました。そのうえで、水質調査の結果が出る来年1月以降、改めて
移転時期を判断することにしていたさなかに、盛り土が敷地全体では行われて
いなかったことが発覚した。 それまで東京都は、およそ40ヘクタールある
豊洲市場の敷地全体で行われたと説明していました。地下2メートルまでの土壌
をすべて取り除いたうえで、きれいな土で埋め戻し、さらに盛り土を重ねること
で高さ4.5メートルの、きれいな土の層を造成したとしていたんです。
ところが、実際には建物の地下は盛り土をせず、空洞を設けていました。
安全対策の要といえる盛り土がなかった、都民・国民に安全性をアピールする
ため行ってきた説明が事実と違っていた。このことから特に、万全な対策を
信じて移転を決めた市場関係者は裏切られた思いを強めています。
(Q)・なぜ専門家会議の提言に反して、盛り土が行われなかったのですか?
(A)東京都の調査によりますと、土壌汚染対策を担当した都の技術系の職員
たちは、「今後、豊洲市場で新たに土壌汚染が確認された場合、重機などを入れ
対策をとるためのスペースを確保する必要がある」などとして、建物の地下には
盛り土をせずに空洞を設けたと説明しているということです。
(Q)・なぜ盛り土がないと問題なんですか?
(A)・絶対に盛り土がないと問題というわけではありません。
土壌汚染対策法の運用指針では、汚染された土壌は厚さ10センチを超える
コンクリートで覆うことを基準として定めています。豊洲市場の場合、それぞれ
建物の1階の床は厚さ35センチほどのコンクリートで覆われています。
このため東京都は対策自体は行われていると説明しています。対策のしかたには、
さまざまな方法があるというわけです。・・・ >
▼ ゼネコンに有利な?設計変更が、近代国家の首都で堂々と行われていた
 とは驚き? 前の二代の知事だったら、表立たなかった可能性が強いし、
今回の知事選で他の知事だったら、同じだろう。とすると、内部告発が多く
リークされて当然。構造汚職で政財界が根こそぎ大混乱が起きる可能性がある。
ブラジルと何か似ている。 だから、首相が早期解散論をチラツカセ始めた。
アベノミックスの象徴が『東京オリンピック』。それは、公明正大に構造汚職
罷り通る世界である。 国家破綻への下り坂とは、こういうもの? 
 太平洋戦争は、とっくに終わったのに、復活景気が終わったのに、復活に
従事した政治家の二代目が、親のコピー政策を繰返すしか策がないとは! 
・・・・・・
2050年の世界 ー15  
2014年10月06日(月)
「2050年の世界 ー英『エコノミスト』誌は予測するー」
                 〜英『エコノミスト』編集部 (著)
   第十章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか ーのまとめ
・世界的な高齢化によって、年金と健康医療費の増大は、国家財政にとって
 大きな負担になる。
社会保障費の増大は、防衛費や教育費など国家にとって欠くべからざる
 分野の予算を圧迫してきている。
・先進国のみならず、新興国もインドを除いては、社会保障費の増大に
 ともなう国家財政の悪化の懸念がある。
・しかし、そうした国家財政の悪化は、改革によって防ぐことができるもの。
・年金については、雇用期間の延長、あるいは、富裕層には選択的に
 支払わないなどの措置がすでにとられつつある。
・健康医療費については、オランダのように、貧困層や弱者には、政府が
 援助をし、そうではない部分で、民間の医療保険に市場を開放するなど
 して、費用削減の効果をすでにあげている。
・ベビーブーム世代の年金の受取額は一人ひとりは大幅に減ることになる。
 しかし、それで、一回きりの費用増大のショックをやわらげることが可能。
開発途上国では、将来の高齢化を見こして余裕のあるうちに、年金の賦課
 方式から積立方式への転換が比較的容易に行なわれるだろうし、そうした
 措置をした国家は、将来に備えることができる。
・政府借入金の急増の余地を残すために債務を低く保つ、戦略的な財政備蓄の
 確保の必要性がある。未来の国庫は、例えば気候変動に伴う極端な気象現象
 による災害に備えての自然災害税など、多数の財源を持つことを要求される。
▼ この問題が、日本の将来の最大のネックになる。富裕層と、有能な若者は、
 日本を見限り移住するだろう。問題は、少子化と高齢化である。そして、
一部の富裕層が富を独占する歪な社会が、世の中を不安定化する。40年でなく、
あと10年もしないうちに、国家財政の破綻と、非常事態宣言が行われる
ことになる。それが、数年先かも知れないのである。