2007年01月11日(木)
2109, 塩野七生が「日本の政治と政治家」を語る −1
              (+>∀<+)ノ おぁはは〜ようさん!   
 日経新聞(1月4日)に「作家の塩野七生が日本の政治家を語る」が掲載されていた。
 安部首相、小泉、小沢などを語っていたが、なかなか面白い。15年間にわたり15巻の「ローマ人の物語
 を完結させた作家。カエサルを理想としている視点から、なおのこと、三政治家には手厳しい。
 その中で小泉元首相には比較的高い評価をしていた。
   
  ー面白いところを抜粋してみるー
 *まずは、阿部首相をどう評価しますか?
塩野:阿部は人間的にはいい人なんだろう。旦那様にするには良いタイプだが、指導者としていいかどうかは別。
  阿部首相は誠意がありますが、答えればよい10倍の量、誠心誠意答えているが、普通なら飽きてしまう。
  芥川龍之介の言葉で「ときには嘘でしか表現できない真実もある」のです。
  実を越えるために、虚のやり方が良い時がある。彼は変化球を投げない。
  小泉元首相は、旦那には大変じゃないか。知力はどうかなぁ。
  説得力に関しては、起承転結の「起」しか言わない。我々が彼に改革を期待して「承転結」
  まで考えてあげていた。マキャヴェッリは「民衆は抽象を問いかけられると間違える場合があるけれど、
  具体的に示されれば相当程度に正確に判断を下す」と言っている。
  小泉さんはそれをした。阿部首相は言っていることがだんだん分らなくなってしまう。
塩野:文章の世界では、メリハリや切り返しを芸というのですが、阿部さんは芸がおありでない。
  あの年齢では性格を変えろといっても無理だろうけど。私が振付師だったら、彼に合う戦略を考えますね。
  具体的に言うと、官房長官に彼と全く違った人間を持ってくるべきでした。国際会議では熟練の通訳が必要ですね。
  安部さんの言う半分に縮めることの可能性のある人が必要です。そうしないと国益に反する。
塩野:私たちは阿部首相が改革を続けてくれるだろうと期待したので、あの支持率が生まれたのです。
  その後の低支持の原因は演出がないこと。小泉は劇場政治とか、政治は喧嘩だと言われたが、
  れを否定する方がおかしいい。政治はドラマであり、喧嘩でもある。
  それが嫌なら官僚にでもなっていればいい。私は以前「国会の予算委員会か、顔見世歌舞伎かと
  言うようなれば日本の民主主義は安泰だ」と書きました。この頃はチットも面白くない。
  阿部さんは理性に訴えているのでしょう。小泉さんは感性に訴えたのです。
     ーー
 *民主党の小沢代表はどうですか?政治家にとって手段であるはずの政権交代が目的になっていますが。
塩野:ある時期面白いと思っていたのですが、しかし、彼は勝負しない人です。
   勝負する時に逃げてしまう。高級なバラには花屋さんはいろいろな細工をするが、
   しばしば満開になる前に枯れてしまう。どうせ枯れてしまうのなら、満開にならなくては。
     −−
*政治家の世襲についてどう思いますか?
塩野:私はかまわないと思います。他の仕事にも世襲はあります。子供の頃から情報とか雰囲気とか何かを
 得ているからです。つまらない人ばかりでていると、その党は票を失うからです。
                                ーづづく
  ーーー
阿部首相が短命に終わるとしたら、造反議員自民党に臆面もなく復帰させたことによる致命的な不信感になる。
それだけ、あの判断はマイナスであった。国民を露骨に欺いたことに対する国民感情の反発に気づかない。
「政治感覚の甘さ」が露呈してしまった。直接この件について書いてないが、政治家としての素質を見抜いている。
使い捨てるには、ひ弱?あとは運があるかどうかだ、小泉のように。
                (⌒▽⌒)/"”さいなら!
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