2005年01月05日(水)
1373, キュープラー・ロス

 去年の8月24日に『死ぬ瞬間』などの著者キュープラー・ロスがなくなった。
 その彼女の最期をリアルに映し出したドキュメントを年末の教育TVで放送をしていた。その録画を一昨日じっくり見た。
 彼女の最後の日々のインタビューを見ながら柳田邦夫と山崎章郎とNHKの女性アナの対談形式で進められていた。
 彼女の本を数冊読んで何度か息を呑んだ経験を持っていた。そのためか、彼女の一言一言が心につき刺さってきた。
「私は聖女ではありません!ふつうの人間です。聖女など大嫌いです。そんな言われ方などとんでもありません」
 自分が死を迎えるに当たって、一番大事なことに気がついたといえば、愛を与えることと、愛を受け取ることです」
「来世が死ぬ人にとってのニーズなら、それを認め与えてやらなくは」(*´-ω-`)(*´・ω・`)(*´-ω-`)ウンウン♪
「死を覚悟して、自分がとるべき態度は悟り済ました姿ではない。
 死を看取ってきた患者の気持ちになって、恐れ慄く姿こそ私のとるべき態度です。
 その彼等の立場に自分がなって、その経験をすることこそ残された最期のレッスンです。」等々、言っている内容が深い。                 
 医者や看護婦や医学生を集めて、死にいく人とのインタビューの録画があった。
 もう数十年前の白黒画像で、末期肺がんの老人であった。死に直面した老人の心奥の恐れや悩みを引き出していた。
 また白血病の10歳位の子供のインタビューもあった。その子供の内面を、ロスが引き出していく様子が涙を誘う。
「死ぬことは違う世界に移り変わるだけ、そこには多くの人が僕を待っていてくれる」
「この病気になって気がついたことは、生きるということは辛いことだ。」
 私がロスの著書で一番好きなくだりがある。ロスの最高の師が「黒人清掃作業員」だったということだ。
 ー重体の患者を元気づける不思議な能力のある黒人作業員の秘密が知りたくて、博士は彼女をスパイのように追いかけ回す。
 彼女に接した患者が誰もが癒される。作業員は博士に、彼女は息子を肺炎で亡くした経験から死を怖れず、
「心配しないで。死は怖いものではない」と死に行く患者に語っていただけと言う。
 博士は清掃員を「人生の師」と呼び、自分の第一助手として採用する。
 ーこれが彼女のあらゆる本の中で一番彼女をそのまま表しているところだ。


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