「暴走する国家恐慌化する世界 ー迫り来る新統制経済体制の罠ー」 
                      副島 隆彦×佐藤優 日本文芸社

 この二人の対談、成るほど期待を裏切らない内容であった。
「辛らつな裏話なら副島が得意の分野、佐藤優はまだ外務省に在職していることもあり、少し戸惑っているようでもある。
  印象的な副島隆彦の核心部分を私の主観でマトメながら羅列してみる。
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アメリカ経済は本格的なリセッション、そして大不況に突入。貧困層の暴動も発生する。
 それを阻止するのに一番効果を発揮するのが、オバマの肌の色。 
 黒人大統領が飢えた人々の平和と団結を呼びかけるに丁度良い役者、
 陰の人物が、それも計算の上で彼を押し上げていった、それが政治である。
オバマは大統領になったら、直ぐに大規模な公共事業をする。信用不安に対して、どれだけでもお金をぶち込む。
 そうするとドルの価値が落ちて、やがて「ドルの切り下げをする」。そうするしかない。だからやる。

・やがて、健全な人々もプライムローンを払えなくなるが、それを阻止するために、500兆円ぐらいの金を入れる。
 いや、その倍も入れる。そこで財務省米国債をものすごい勢いで発行、それをドルを発行するFRBが引き受ける。
 そこでFRBがどんどんドルを刷って、アメリ財務省に与える。この資金を破綻しそうな大銀行、証券、生保の救済に与える。
 さらに、公共事業や福祉政策を行うとドルが膨大に増加、その結果として、一ドル30円位までは落ちる可能性がある。
 株価は数年かけて3000ドル台まで落ちる。バーナンキは、そのために育てられた男である。
 彼は‘ヘリコプター・ベン’と呼ばれている。ヘリコプターから金をばら撒く様にドルを大放出する特殊な人物です。

・今度の金融崩壊は、非常に凶悪であり、デリバティブの契約総額が、実に八京円に及んでいる。
 その一割でも8000兆円、五%でも4000兆円の処理をしなくてはならない。
アメリカのやったことは、ネズミ講です。日本は600兆円も貢いでいるが一銭も帰ってこない。
アメリカの言いなりになって時価会計を企業に押し付けて、多くの会社を潰しておいて、その押し付けた当のアメリカが
 時価会計制度の放棄をいい始めた。アメリカのポチの金融庁は慌てふためいているが、すっとぼけて何食わぬ顔をしている。
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 副島の論を聞いていると、そこしれぬ深い闇が我われの前に漂っている。
 暴風雨や津波のレベルでない、もっともっと大きな崩壊が現に目の前で起きている。
 それは、数年で立ち直れるレベルのものでない。
 昨日のニュースで、就職の決まった女子高生が朝起きると一番初めに経済ニュースを見ると言っていた。
「果たして自分の勤めている会社が人員整理をしてないか、新卒採用を取止めないか心配です」と!

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