2007年12月04日(火) 2435, 絞首刑 −2

               ((´_`○)ノ ノヾィ♪☆ぉきた?♪
  死刑は荘厳にさえみえる。 処刑に引き出されたものと、他のものとの段差。
  それは我われの二人称の人の死と、変わらないではないか。ただ露出された人間の心情は、表現は違っても普遍的である。
  もう、20年前の夢を鮮明に憶えている。 中東の何処かで、自分が絞首刑になる夢である。
  もしかしたら、彷徨ってた霊が夢に出てきたのか?さえ思えた内容である。何か、この死刑囚の場面に似ていた。
  
 ーまずは昨日の続きである。
 ーー
とつぜん、みんなが陽気に喋り出した。
わたしと並んで歩いていた白人との混血の若者がいま歩いて来た方に向かってうなずくと、
訳知り顔ににこりと笑った、「あの男はね(死んだ男のことである)、上告が棄却されたと
聞いたら独房の床に小便をもらしちゃったんですよ。おびえちぐって。
ーぼくの煙草を一本どうぞ。この新しい銀のシガレットいいでしょう。
かつぎ屋から買ったんだけどね、ニルビしました。 ヨーロッパ風でしゃれてるじぞないですか」
いく人かが笑ったー 何を笑ったのか、誰もわかっているとは思えなかった。
フランス人は所長と並んで歩きながら、さかんに喋っていた。
「いや、何もかもまったく申しぶんありませんでしたな。きれいにすんだービシッとね。
いつでもこう行くとはかぎらないとてもとても、医者が絞首台の下までもぐりこんで
囚人の足を引っ張って死なせなければならないことはいくらでもあったんですからな。」

「もがいていたのか?そいつはまずい」と所長は言った。「そうですとも、いや、やつらが強情になっちまったらもっとひどい。
連れ出しに行ったらハコの横木にしがみついちゃった奴がいましてね、衛兵が六人がかりで引っばがさなければなりませんでした。
片脚に三人がかりで引っばったんですよ。言ってきかせたんですが、「おいおまえ、あんまりおれたちに苦労させるなよ!一って。
ところがだめだ、聞きゃません!あいつにはまったく手こずったな!」
私は思わず大声で笑った。みんな笑っていた。所長でさえ、叱りもせずににやにやしていた。
「みんな、あっちへ行って一杯やらないか。車にウィスキーが一本ある。そいつでいいだろう」
所長は愛想がよかった。われわれは刑務所の二重になっている大きな門を通って道路へ出た。
「脚を引っばったのか!」ビルマ人の判事がとつぜん大声で言うと、たまらず笑い出した。
これでまたみんなが大笑いした。そのとぎには、フランシスの話がひどくおかしい
気がしたのだ。われおれは原住民もヨーロッパ人の区別もなく、みんなで仲良く飲んだ。
死んだ男とは・百ヤードしか離れていなかった。  (エリック・ブレア)
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 感想)死刑とはいえ、殺人は殺人である。そのヤマシイ気持ちを紛わすために、皆で笑うしかなかったのか?、
自分の死を垣間みたような思いだったのか? ガン末期の最後の苦痛を避ける為に、呼吸を止める場面と何処が違うのか。
泣くのと笑うのと、紙一重でしかない。 生きてきたように、死ぬのか?
人間は。 死刑は必要悪と解っているが? しかし、軽く是非は問えない。   (^^)/バイバイ!

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