[191] 種銭   2001/10/19

事業を興そうとした時、まず問題になるのが事業資金である。俗に言う種銭である!これが硬くないと芯にならない。
資金の芯が甘くなると、事業そのものが甘くなる。二代目とか婿養子が事業で失敗するのが、解ってないケースが多い。
松下幸之助しても、中内功も出発点でそれなりに財産があった。
全くなかったのは私がしっている範囲では、山種証券を興した山崎種三と、
国際興業を興した小佐野賢治と、ニュー大谷の大谷某ぐらいだ。
そのくらい種銭をつくるのが大変で時間がかかる。20歳の頃読んだ山崎種三の自伝がおもしろかった。

「米屋小僧をしていた時、鼠を捕まえて警察に持っていくと僅かな報奨金が
もらえた。米屋なのでいくらでも鼠がいる、毎日鼠とりで捕まえ警察に持って行った。
親方の許可を得て、その金でヒヨコを買った。落ちている米をヒヨコにやり育て、
鶏から卵をとって、それを金に変えこつこつ貯めた。それを元手で成長しそうな株を買った。
そうしてそれを拡大して株師になり株の取引会社までつくった」
それをよんだ時、ハッとした。父親が恐らくその話を知っていたのではと思ったからだ。