「恐慌前夜」副島 隆彦 (著)  ー読書日記


再び副島隆彦の本である。
発効日が今月の15日というから、8月末に書き上げた本だが、その半月後に予告どおりにリーマンブラザーズが倒産した。
そして、恐慌前夜というより世界恐慌そのものの様相になってきた。
世界恐慌が今日、突入しました」と誰も言わない。 あとで、あの日(9月15日)が・・・・、といわれるのである。

ーアマゾンの、この本の紹介文からー
アメリカの住宅市場危機(サブプライムショック)に発する金融不安は底なし沼の様相を呈している。
7月13日、米政府系住宅公社2社の経営危機が表面化。 NYダウは下落の一途をたどった。
アメリカでは今年8月末時点で10の銀行が破綻、取りつけ騒ぎが起きている。
現在のアメリカは、まるで「住専」処理に追われ血を流した10年前の日本のようだ。
しかし金融危機は米国内だけの問題にとどまらない。農林中金など日本の大手金融機関が、
信用毀損した米住宅公社債を大量に買い込んでいたことまで判明したのである。
かねてから「アメリカ帝国の崩壊と没落」を政治・経済の両面から唱えつづけてきた著者は、本書でこう断言する。
  「やがて米国経済は恐慌状態に陥る。米ドルはさらに暴落してゆく」
  それは1929年「暗黒の木曜日」の再来なのか。そのとき、日本はどうなるのか。
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9月15日以来の一週間の大激震は、この本の次の箇所に集約されている。
「ついに私たちは生き延びた。惨めに撤退するナポレオン軍を、じっと見つめるロシアの英雄のような気持ちだった。
 アメリカの金融侵略軍は、今静かに日本から撤退を開始した。戦後62年目で、アメリカはついに崩れ始めた。」
 ーまずは「はじめに」の書き出しの部分であるー
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この7月から新たな金融危機が始まった。7月13日にペンリー・ポールソン米財務長官の驚くべき記者会見があった。
私が前々作「ドル覇権の崩壊」と、そのあとの『連鎖する大暴落」(いずれも徳間書店刊)で主張してきたとおりである。
アメリカはいよいよ本格的な金融恐慌に突入しそうである。次の「連鎖する大暴落」が年末までに起きるだろう。
この7月危機を引き継いで、事態はさらに深刻になってゆく。大きな銀行と証券会社が世界はたんの中で次々に
倒産(破綻)してゆく。
この7月危機では日本の三つの大きな金融法人が相当の打撃を受けた。致命的と言ってもよい。
それは農林中金(5兆5千)と三菱UFJ銀行(3兆3千)とニッセイ(2兆6千)である。
農林中金は実質的にすでに破綻(破産)しており、やがて、みずほ銀行救済合併されていくのではないか。
しかし、みずほも同じく1・2兆円「やられている」。 この農林中金、三菱、ニッセイ三つの日本の大金融会社が
今回受けた大損害(戻ってこないお金)は、7ぺージの表のとおりである。
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ー次は、「あとがき」の出だしの部分になるー
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この本「恐慌前夜」で私が最後に言いたい(書きたい)ことは、アメリカはどうせ壊れるということだ。
アメリヵの株価が少しぐらい上がったり、ドル高(円安)になって、アメリカが景気(経済)回復したように見せかけても、
どうせ次の大暴落が襲ってくる。日本の金融機関は政府系を含めてアメリカの国債や住宅公社債
地方債(ニューヨーク市債やカリフォルニァ州債など)を山ほど買い込まされている。
合計で600兆円(6兆ドル)ぐらいある。それらの投資資金(債券買いや資金の貸し付け)は、もう戻ってこない。
アメリヵ(人)はまったく返す気はない。アメリカ政府はこれらの返済の保証などしない。
このことが日本人には分からないようだ。日本はこれから大損をするのだ。多くの国民が年金をもらえなくなるだろう。
私は金融・経済の先読みで予測・予言をはずさない。これまでずっとはずさないでやってきた。その評価をすでに得ている。
読者になってくれる人々の信頼を得てきた。私はいよいよサイキック(霊能者)になることを目指そうと思う。
自分が優れた霊能者になることができて、人々に正しく助言できれば、多くの人々を破産と投資の失敗から救うことができる。
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次回は、印象に残った部分を、取り上げてみる。

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