2003年09月15日(月)
894, 「バカの壁」読書日記ー2

バカの壁」を常に感じ取っている。過去を振り返ってみれば、よくわかるはずである。
子供に遡るほど小さな視界の世界ー壁が立ち塞がっている。
その壁を一つずつ乗り越えるのが、人生でもあり成長である。
学生時代、ある友人に「大爺」といわれたことがある。
「地方の固定観念の塊」と「両親からの価値観の殻」を感じ取って批判したのだ。
学生時代の一番の収穫は、この壁‐殻を可能な限り叩きこわしたことである。
そのためか、地方にいると全く価値観が合いあわない。

 壁は乗り越えれば乗り越えるほど、多くの壁が立ち塞がってくる。
バカの壁に気がついてくる」といってもよい。 メジャーにはメジャーの壁、
マイナーにはマイナーの壁がそれぞれある。この随想日記も、バカの壁の提示でもある。

 自分の壁を認識するのに、過去の喜怒哀楽の極みを内省してみるのがよい。
一番、喜んだこと、怒ったこと、悲しかったこと、楽しかったことを
書き出してみることだ。それと好きなことや人、嫌いなことや人を考えてみることだ。
感動・感激・感謝の極みもそうだ。それが、その人の限界であり、プラスの意味の壁である。
その壁の上に立って、その向こう側を眺めると、自分が何をすべきかが見えてくる。
バカの壁を一番乗り越えるヒントが見えてくる。

私のバカの壁を乗り越える方法を幾つか書いてみる
ー新しい習慣をプラスしていくことである。
ウオーキング ・お経ー般若心経 ・読書 ・本屋と図書館通い ・パソコンー随想日記
・頭の固い人との接触を避ける ・常に新しいこと現象に興味をもつ ・意識して感激・感動の場面に近づく
・秘境旅行に行き続ける 等々を時間をかけて習慣化していくことだ。
チャレンジ・コンペテション・チェンジの繰り返しのサイクルを維持すること、中村天風の「積極一貫」である。
バカほど、こういう本は読まないものだが!バカとは頭の固い人ーバカの壁がびっしり囲んでいる人のことだ。
   そう貴方、いや自分のことだ。 
ーこの本の感想を書いてみるとー
「内容を理解もせずに、うわべだけを見ただけで知っただけで、
わかっているという思いこんでしまう恐ろしさ」を提示している。
「知識と常識」「科学的事実と科学的推論」「意識と無意識」「脳と身体」「都会と田舎」
等々は違うとして「二元、論」の考え方で主張している。
現代世界の三分の二が「一元論」者の中で限界がきているとしている。

「ものごとには良い面と悪い面があるということを認識しよう。それには実際に
経験するのがいい」というのが一つのテーマにもなっている。
「物事は全面的に良いものではなく,良い面と悪い面があるものだ」と捉え,
「一元論」を否定し,「二元論」を提唱しています。

 一般に良いこととされる言葉--たとえば「個性重視」,「効率化」,
「景気回復」「人間性」なども,両面から捉て論じている。
「個性重視」... 個性というが、個性は簡単には捉えることができない
「効率化」..... 人員削減された人を如何考えるか
「景気回復」... 回復の場面で無いのに、無理をしているのでは
人間性」..... 人間性は、価値観の一つでしかない

「いくら話してもわかってもらえない」「想いがどうしても伝わらない」
 誰もが味わう苛立ち、不快感。それを解くキーワードは「バカの壁」である。
「'話せばわかる'なんて大嘘だ」と思ったことは誰にでもある。
バカの壁」こそが、コミュニケーションの断絶を解くキーワードと断じている。
この壁についてわかると、周辺の話が通じない人の思考が理解できる。
大人と子供、上司と部下、さらにアメリカとイラクとでなぜ話が通じないのかもわかってくる。
誰もがぶつかる人生の問題について、「こんなふうに考えてみては」と様々な視点を提示したエッセイである。

ー気になった文を抜粋しておきますー
・私はいつも脳について話すんです。
「あんたが100?、正しいと思っていたって、寝ている間の自分の意見が入っていないだろう。
 3分の1は違うかもしれない。67?だよ。あんたが言っていることの100?正しいと思っているでしょう。
 間違えることを考えに入れれば、自分が100?正しいと思っていたって50?は間違っている」ということです。
 バカの壁というのは、ある種一元論に起因するという面があるわけです。 バカにとっては、壁の内側だけが世界で、
 向こう側が見えない。向こう側が存在していることすらわかってなかったりする。
・安易に「わかる」、「話せばわかる」、「絶対の真理がある」などと思ってしまう姿勢、
 そこから一元論に落ちていくのは、すぐです。一元論にはまれば、強固な壁の中に住むことになります。
 それは一見、楽なことです。しかし向こう側のこと、自分と違う立場のことは。見えなくなる。
 とうぜん話は通じなくなるのです。
 −−−『バカの壁』 著者 養老孟司  出版社: 新潮社

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