2006年07月15日(土)
1929, ローマから日本が見えるー13
        (♯ゝωσ♯)人(+>∀<+)ノ おぁはは〜
                      ー 読書日記 −
 第6章 勝者ゆえの混迷−2
  ーグラックス兄弟の改革ー

 ローマの名門貴族出身の若者でティベリウスグラックスとガイウス・グラックスという兄弟がいた。
彼らはスキピオの一族でもある名門の出。このグラックス兄弟が、ローマ農民の没落をくいとめる改革を断行する。
                               Σ(・ε・|||)
  最初に改革を試みたのは兄のグラックスである。彼の政策は非常に筋が通っていた。
    都市に流入している者達に土地を与えて再び自作農民に戻し、ローマ軍を再建しようと考えた。
    土地は貴族のラティフンディアである。125ヘクタール以上の土地を占有している貴族から
    それ以上の土地を国家に返させ、それを市民に再分配しようとした。

この政策に平民たちは喜ぶが貴族たちはマイナスである。
農民の没落でローマ軍の弱体化は解るが、土地を取り上げられるとなると反発して当然だ。
彼は元老院との相談もなしに、改革を推し進めようとした。
反対派貴族と改革を歓迎する平民の対立でローマは騒然とした。

    兄グラックス護民官護民官は神聖な立場のため反対派も手が出せない。
    そこで反対派が多くの人を雇ってグラックスを襲わせて、
    その死体は川に投げ込まれた。この事件が起きたのは前133年であった。

弟ガイウス・グラックスは兄の死の10年後、同じく護民官になって兄の政策を実現しようとした。
このときも暴動が起こり、混乱の中で弟グラックスは自殺してしまった。
(前123)       \(∀\)ココハドコ?
                (/∀)/アタシハダアレ?
ーマリウスの軍制改革 ー

 貴族は大土地所有を守ることができたが、ローマ軍の弱体化の問題は残った。
これを解決したのがマリウスの軍制改革(前107)である。
ローマの軍の基本は、財産を持ったローマ市民が武器を自前で調達して従軍すること。
それを狙ってグラックス兄弟は農民を作りだそうとしたのだ。

    マリウスはこの基本をあっさり捨ててしまう。
    マリウスは市民を兵士として採用し、武器を与え、給料も払うことにした。
    その費用は基本的には彼の自費である。兵士として働ける期間は長いモノではなく、年をとったら引退する。
    その兵には土地を分けて、自作農民として育てていった。
    それで兵士不足は解決して、マリウスはこの新しい軍隊で勝利を続けた。。

この軍制改革でローマ軍の質が大きく変化した。それまでの兵士はローマ市民の義務を自覚して、
ローマのために戦っていた。ところが、マリウスの兵はローマのためとか、ローマ市民の義務として、
という意識は小さくなる。マリウスの「私兵化」になっていた。

    この軍事力で、マリウスのローマでの発言力が増していった。
    この後、多くがマリウスのやり方を真似ることになる。
    私兵を養った将軍同士の内乱が続いてローマは混乱の時代になっていく。

グラックス兄弟の改革から100年間を「内乱の一世紀」とよぶ。
前91年から前88年には、イタリアの都市がローマ市民権を求めてローマに反乱を起こす。
これが同盟市戦争である。ローマはローマ市民権をイタリア諸都市に与えることでこの戦争を終わらせた。
前88年から前82年まで、マリウスとスラ将軍の抗争が起こる。マリウスは平民派、スラは閥族派である。
そして、スラは軍隊は入城することが許されなかったローマ市内に乱入した。

ローマの元老院は、この二人の将軍の抗争に対して解決できなかった。
この結果、あれだけ強大だった元老院の権威が低下してしまった。
                       − つづく
 【;´∀`(~〒~)/== 卍卍卍 。゚+.゚ヽ(●´ω`●)ノ。バイ!

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