最近の中国事情の本を読むのは、邱 永漢 の中国関連の本以来である。この本は、目から鱗である。
20年近く前に中国を訪れて以来、5年前に北京を訪れてその変貌ぶりに唖然としたが、
この本によると、更に変わっているようだ。
ただ、その劇的な成長に対する反動が、どういうカタチでくるのか問題だが。
そのクラッシュ後の中国は、これを読む限りより大きく成長するのではと思われる。

ジム・ロジャーズは、中国の成長をいち早く見抜き、国際商品の高騰を予言した冒険投資家。
これは中国株投資の手の内を明かした全米ベストセラーになった本。
どのページを開いても、唖然とする内容である。
この十年間で、耐久消費財の生産能力は、驚くなかれ100倍になったのである。
ロジャーズは、現在の中国は、1800年代終わりのアメリカは、こんなものだったと思われるという。
 
  この本の、次の一節が現在の中国の偽ざらない本音であろう。
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中国人の友だちが言うには、
「中国は貧乏のどん底から這い上がってきた。 経済改革の夜明け前の一九八○年、購買力平価で換算した
中国の一人当たりのGDPはたったの四一〇ドルだった。 当時の米国は一万二三三〇ドルだ。第二次世界大戦以降、
世界経済が何十年にもわたって成長している傍らで、私たち中国人は完全に孤立してしまっていた。
扉を閉ざして社会主義桃源郷を作ろうとしていたのだ。 私有財産は許されない。何から何まですべて国の持ち物だ。
民間企業もない。全部中央政府が管理しているからだ。競争もない。食べ物も着る物も、それこそ調理油まで配給制だ。
いつも、何とか生きていけるぐらいしかもらえなかった。 サービス業なんてものはない。人民に仕えるのが当たり前で、
仕えてもらうなど論外だったからだ。 仕事や職種、勤め先を変えたり、新しいことを始めたりするのも不可能だった。
生まれたそのときから何になるかは決められていた。 資本市場もない。資本は諸悪の根源のレッテルを貼られていた。
そんなふうだったから、私たちが生きている間に世の中が、こんなに変わったのは、一九八0年代の初め以来、
成長率は平均九%であり、中国経済の価値は一〇年毎に倍になった。」
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 といって、先月の上海の証券取引所の株は半値近くまで下がってしまった。
 下がりきった有望株を、地頭で考えて長期的に投資すべきということである。

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