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借りてきた「新潮45」の5月号を読んでいると、外務省休職中の佐藤優の手記が載っていた。
それが《私の出会った「日本の妖怪」》という、彼らしくない内容であった。
そこには「座敷童子」と出会った体験記が書いてあった。彼には圧倒的多数の人にとって
予想外のことを勘で当てることがしばしばあるので、それが霊視能力と勘違いされることがある。
その彼と座敷童子との出会いの体験記が面白くない訳がない。
東北には、座敷童子が出るのを売りにしている旅館が何軒かあるという。
宿泊業をしているものにとって、妖怪を売りにしている逞しさに驚くばかりである。
それも、二年先まで予約で満席というから、驚きである。
何かファンタジーがあって、面白いキャラで何とも微笑ましいのがよい。
妖怪に会うと幸福になるというのが、またミソである。
たまたま、新幹線の座席の前に置いてある小雑誌の特集が[東北の妖怪・特集」であった。
ー まずは、そのサワリを抜粋してみる ー
*「座敷童子が出た!」
大学生、社会人になって、妖怪のことは、ほとんど忘れていた。
私が妖怪を再びリアルに感じるようになったのは、2年前に岩手県盛岡市で座敷童子に会ってからのことだ。
先程、内地の妖怪は「人間に災厄をもたらす奴らがほとんどだ」と言ったが、もちろん、例外もある。
座敷童子は例外的に幸福を呼ぶ妖怪なのだ。座敷童子東北地方で、家の中に出現ナる、子供の姿をした妖怪。
これが居ている間はその家は栄えるが、いなくなると没落するといわれている。
子供には姿が見えても、大人には姿が見えない。岩手では、いくつかの小学校に「座敷童子」が現われた。
生徒と遊びたわむれたり、夜九時ごろ、無人の教室で机やいすの間をくぐっては楽しそうに遊んだりした。
やはり、その姿は子供だけにしか見えなかったという。〉(水木しげる『図説日本妖怪大全一講談社+α文庫)
座敷童子は、大人には見えないというが、これは私の経験に反する。私は確かに2006年1月17日未明、
盛岡市の旅館「菅原別館」で座敷童子を見た。
2005年末に私は座敷童子を見たという話を鈴木宗男衆議院議員(新党大地.代表)から聞いた。
ある日、鈴木氏から興奮した調子で、電話がかかってきた。
「佐藤さん、出たんだよ。出た」「出たって、何が出たんですか」「だから妖怪だ。座敷童子が出たんだ。
盛岡に菅原別館と言って、その筋では有名な旅館があって、そこに座敷童子が出る。その座敷童子に会うと、
幸せになる。村上正邦先生から、そのルートに口を聞いてもらった」・・・・・・・
座敷童子に会いたい全国の人々が殺到するので菅原別館は、2年先まで予約がいっぱいだという。
ただし、ときどきキャンセルが出る。それを狙おうということになった。機会は意外に早く巡ってきた。
2006年1月16日の晩にキャンセルが出たという。そこで、村上氏は、急遙、旅行団を組織した。
旅行団は、女子プロレスラーの神取忍氏、弁護士の弘中惇一郎氏など総勢約10名になった。
弘中氏は、村上氏、鈴木氏の弁護人をつとめている。過去、三浦和義氏(現在、サイパンで勾留中)
の弁護を担当し、無罪を獲得したことのある辣腕弁護士だ。
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あとは、明日の楽しみとして、宿泊型化け物屋敷体験ファンタジーも何とも楽しそうである。
秋葉原のワシントンホテルで、幽霊に会ったことがあるし、私の事務所の上の部屋(自殺のあった部屋)でも
面白い体験をしている。その部屋が逆に好きになりワザワザ指定して泊まっているが、それがまた、面白い。
そんなことを言ってたら、広島・長崎は幽霊だらけだろうが・・・そういう話は聞かない。
ーつづく
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