「無法バブルマネー終わりの始まり」 松藤民輔:著

この本によると、「日本の金融機関は労せずして、欧米の金融機関に《不戦勝》してしまったに等しい。」
という。なるほど、そういう見方ができる。どこもかしこも、毒饅頭をタップリ抱え込んでいるが、
日本は、その余裕がなかったことが幸いして、最小の傷で済んだのである。
さらに、資源のない国だから、1974年、1978年のオイルショックをを経験してきた御蔭で、
日本は世界で一番エネルギー効率の良い国になっていたのである。
それは、政治家ではなく、国民一人ひとりが、そして企業が生き残りをかけて闘ってきた結果である。

この本には、エネルギー効率国際比較表がある。
弱みを克服しているうちに強みをつくってしまったのである。
それによると、EUの1・7倍、アメリカの2倍、韓国の3・2倍、中国の8.7倍、ロシアの18倍である。
ロシアや中東のような、資源大国が使い放題の浪費経済から抜け出れないうちに、とうの昔に省エネルギー
「省資源型経済」を実現していたのである。
また、東京から大阪までの新幹線の二時間半の間に、本社が8割も集中した国を創りあげてしまったのである。
この十数年、日本がのた打ち回ってきたが、これからは、アメリカと中国、ロシアの番である。

それが本格的に表面化するのは私の予測では、今年の秋口から年末にかけてだろう。
中国のオリンピックが終わり、アメリカの大統領選挙の終了時点あたりか。
その前に、ブッシュが共和党政権を守るためにイランあたりに戦争を仕掛ける可能性もある。
いずれにしても、今年の前半にチベットの騒乱、四川省の大地震ミャンマーのサイクロン、
アメリカのサブプライム問題等、大きな事件が続いたが、後半も何か大事件が続きそうである。、  

その中で日本人は堅実で一般国民は「現金・預金」の50・5?で、「株式、債券は20?弱」。
欧米とは比較がならないほど堅実である。
現金・預金はアメリカは13・2?、イギリス25?、ドイツ・フランスで32〜3?でしかない。   
また自動車のエンジンの開発、太陽熱の利用、原子炉のノウハウの蓄積等、日本独自の開発が
資源小国ゆえにある。弱点も多い反面、強みもある。
   次回は、面白そうな部分を抜粋して考えてみる。  
                          −つづく
・・・・・・・・