2004/02/06
1038, 「わたしは悪い不動産屋」−2

以下の内容は、この本の書評というより、仕事で不動産にかかわってきた
私の目から見た不動産業に対する批判と知識である。

この本を読む限り、不動産屋とかマンション屋は全て悪徳のように思えるが、
実際はそうではない。真面目な不動産屋が大部分である。
しかし、20㌫?は悪徳に近い。80対20の法則がここでも当てはめることができる。
その20㌫が80㌫の悪さをする。しかし、それを素人は見抜けるわけがない。
80㌫の善良の不動産屋にも20㌫の悪徳要素が含まれていると考えた方がよい。
完全な物件は無い、それをよい部分だけを誇張していまうのだ。
(実際は5㌫が、95㌫の悪さをするのだろうが)

面白い善意の不動産屋がいる。自分は何も社会倫理に反する事をしていないが、
不動産屋の習性で、物件に対する瑕疵を見つけて冷静な判断をする。それが彼の仕事である。

ところが無意識で親しい人間の瑕疵を見つけ、他人に瑕疵を営業代わりに、内幕情報屋をしている。
しかし、そのことを自分で自覚してない。その瑕疵を純粋に相手を変えて言ってしまう。
悪意なしの無意識の世界の恐ろしさの深さがある。

不動産業の業というよりも、誰もが持っている人間の業であるが。
人間は誰も善意の悪党の要素を多く含んでいる。人間論になってしまった。まあ他人事でない。
違うカタチで自分の生き方で、同じことをしていたのだろう。

生きるということは、こういうことなのだろう。 純粋性の恐ろしさがある。
不動産屋は、なるべく相場より安く値づけをして早く商売を成立させたい。
その為に対象のケチとあら捜しをするのが習性になっている。

不動産取引は情報の売り買いである。
長期物件の売買で生きていく糧を長年かけて網を張っていく世界だ。
蜘蛛の巣に情報がかかってくるのを待つ商売である。
少しマイナスの視点で書いているが、それだけ深い世界ということだ。
そして無くてはならないビジネスである。

不動産屋をみていると、それぞれの個性がある。
野球のバッターに例えると
・バント専門
・ヒットバッター
・ホームランバッター
・代打専門と、それぞれの特性がある。
・バントは、アパートなどの仲介を中心に扱う
・ヒットは、マンションや住宅の売買を得意とする
・ホームランは億単位のビルの取引を狙う1発屋
・代打は、そういう情報を得て、長期物件に不得意の人に代わりに時間をかけて
 得点を得るために三割〜半額をもらうことを裏契約をして共同作戦をする人
 等々、生臭い情報を探し求めて利益を探しだす世界である。
 自分を、その世界にサラシテ生きてきたからよく解るのだ。
 
 トンビという仕事もある。
事務所を持たないで、情報を売り買いしているハイエナ的な仕事である。
饅頭のアンコという言葉もある、情報のやり取りで利益を分け合うのだ。
         
           ー つづく   ΒΥΕ.._〆('Д'*⊂⌒`つ
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