2004年04月07日(水)
1100, 撃墜王の秘密

ある本の「撃墜王の戦法」がなかなか面白い。そのまま書き写してみる。

第二次世界大戦で「独特の戦法をとった」二人のパイロットは、ハルトマン少佐と
その師であるロスマン軍曹。ハルトマンは確認されているだけで敵機352機、
ロスマンも80機以上も撃墜している。

その戦法を最初に考案したのはロスマンである。彼はパイロットになりたての頃、完治不能の傷を負った。
普通、接近戦になると体力が勝っている方が有利であった。
そこで普通の戦法ではとうてい生き残れないと悟ったロスマンは、考えつくした末、
自分の体力を補うテクニックを編み出した。

彼は体力戦勝負の接近戦をやめて、計算しつくした戦法に切り換えた。
一つ一つの攻撃に、それぞれの計画を練り上げた。
敵に実際に銃弾を浴びせることを考えないで、どうチャンスものにするか、
さまさまな情況を分析することに多くの時間を費やしたのである。

彼が攻撃に出るのは確実に勝利が取れるポジションを取れたときだけだった。
理想的な標的となった相手にだけ、ありったけのエネルギーを使って集中攻撃をしかけるのだ。
ハルトマンは、ロスマンの「相手をよく見極めてから集中砲火を浴びせる」
戦法が優れていることを、自らの戦果で証明をした。ー

ー以上のことより学ぶことは、
完治不能の腕を持ったことで、考えつくして全く違った戦法を自ら作った
ことである。色いろな情況の研究に全てのエネルギーを入れたことだ。 孫子の兵法と同じである。

普通のパイロットは、接近戦の銃撃の手法を研究したのに対して、
確実に勝利の取れるポジションとりの研究をしていたのだ。
チャンスが来るまでエネルギーと知識の保存を充分に蓄積していたのだ。

過去に上手くいったケースを考えると、大体がそうである。勝てるポジション取りであったのだ。
人の真似とか、表面を見て準備不足の事業は失敗をしてきた。
といって、この時代ジックリ準備といっている間にチャンスは一瞬で消え去る。難しいところだ。
一病息災というが,一つ病気を持っていた方が健康にとってよいのも事実である。
 
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