2004年03月20日(土)
1081, ST訓練 −2

去年の今頃に「ST訓練」について書いた。ー(後でコピーしておきます)
先日、二年ぶりに新入社員に対する「ST訓練」のインストラクターをした。
30回近くしたことになる。

人の話をきっちり聞く事が出来ない人が意外と多いのに驚く。特に地方の馬鹿二代目に多い。
優秀な場合や、独りで超越した世界を確立してある場合は、人の話を
むしろ聞かない方がよい場合もある。しかし、それはまれである。

今ベストセラーになっている「馬鹿の壁」というのは、人の話をきっちり聞けない事を言う。
まずは、相手の話を把握する事と、そして自分の話を相手に手短に話せる訓練を
しなくてはならない。日記を書く習慣のある人は、すでに身につけている。

今の若い人の言葉に対する感覚は10年〜20年前に比べると格段の差がある。
不況の為、質が良くなっていることもあるが、言葉に対する感覚が鋭くなっている。
終了後、総括としてのレポートを書かせたが、全員がほぼ訓練内容を把握していた。
その一つを書きうつしてみる。 これで大体どういう内容か解ってもらえるだろう。

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「ST訓練を受けて」   
           佐藤春美 
?、言葉について

(1)言葉
今日の訓練で、いかに‘言葉’が大事であるかを改めて考えさせられた。
人間が人間たるゆえんは言葉を使うことである。
しかし「人間」と「動物」を決定的に分ける「言葉」は非常に難しい。
主語をつけたかどうか、副詞・助詞を何にするかで全く違う意味になって
しまうからです。また、起承転結で論理を構成したり、短文にして話すことを
普段何気なくしているが、意識をしていざ話を纏めようとすると非常に難しくなります。

私は学生時代、手話を学ぶ機会がありました。
そして実際に聴覚障害の人とも交流しました。
そのなかで、私たちが当たり前に使っている言葉での意志交換の
難しさや、手話ゆえの素晴らしさを知りました。

(2)人の話を聴くこと
人との対話の中で大事なことは、人の話をまずよく聴くこと、そして
自分の言いたいことを正確に相手に伝えることです。
まず相手のいうことを把握しなくては、自分の言うことに曖昧さが出るからです。
そして、そのやり取りの触発で自分の考えが飛躍することがあるのです。

(3)自分の考えを纏める
今まで普段の友人や家族との会話で、別に何も考えず話していた。
しかし会話から対話になると、そうはいかない事が解りました。
自分の考えを纏めながら相手に伝えなければならないのです。

?、自分について
(1)自分とは何か
「自分」を考えると非常に曖昧で、定義することは難しい。
「自」は「他」があってはじめて存在する相対的なもの。
他人と関わりを持ってはじめて自分というカタチが形成される。
他人との関わりで生まれてくる考え方、姿勢、積み重なっている経験、
性格などの要素で形成されている。

(2)他人とは何か
広い意味で言えば、自分以外の人。
つきつめれば、自分と関わりのある価値観の違う人だと思います。
違う経験と立場の人です。関わりのない人は他人とはいいません。
『他人』を考えるということは『自分』を考えることになります。

(3)社会とは
社会は「場」であるともいえる。人間集合の場の総称といってもよいでしょう。
テーマがあって、時間と空間で構成されるのが「場」です。
人間を喩えにとると、それぞれの人は多くの立場を持っています。
それゆえに人が人間になるのです。家でいえば子供の立場であったり、姉妹の姉の立場であったり、
学校では生徒・学生であったりします。このようなそれぞれの多くの立場をもって社会は形成している。

?、これから社会人に
(1)学生時代は終わりました。これからは、学生というお客様より、企業人としての(プロとしての)
労働を売る立場に変わったのです。これは責任を伴うということです。
新入社員という甘いは、一歩現場に立たされれば許されません。
お客様にとって、それは関係ないことです。早く仕事を覚えることが現在私に課された大きい勤めです。

(2)読書
今まで私は趣味として小説を読んできました。
教養とかは意識をしてなく、ただのんびりと読んでいただけのようでした。
今までは、時間は充分にあったようです。
しかしこれからは無い時間の中で(心に残る読書)を心がけようと思います。
『学び』を。私のキーワードにしたいと思います。

(3)日記
二年前より日記を書くようにしていたのですが、どうしても毎日は無理でした。
「こころ」は「言葉」と同じです。「言葉で残す」ということは「こころ」を記録することです。
内容も大事ですが、継続こそ大事。それは自分にそのまま跳ね返ってくることになります。
日記の重要性を改めて思いました。
                   2004年3月17日
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 2002年03月28日(木)
359, ST訓練

毎年この時期、新入社員に私が直接する訓練である。
もう2〜3回の入社ゼロの年を除いて、
前にいた会社も含めて26年間行っている年中行事である。

初めの頃は二泊三日で行っていたのがいたが、一泊二日になり
今は一日だけだ。
研修所や旅館を使って密室状態であったのも、現在は事務所で行っている。
センセビリテー・トレーニングを、途中から独自に変えた内容である。
当初の頃は、感性訓練を目的としていたが。

密室に新入社員を閉じ込め、それぞれ二人に問いかけと、答える立場を決める。
そして彼らにテーマを出させ、そのテーマについてどことん聞き出させる。
脇道にそれたり、いいかげんな事を言った時大声で叱咤する。

あるところまで来たら、立場を逆にする。
それを密室の中で、繰り返しそれぞれの相手を変えてやっていく。

その中で自分のいい加減さ曖昧さを互い気づかせ、表面的会話から、本音の会話へ、更に対話に深めていく。
その中で感性を磨く。あるいはお互いの気心を理解させ、仲間意識や帰属意識をつくる。

組織は人間どうしの意思や情報伝達が基本にある。
聞いたことを、はっきりと他の人に正確に伝える事が前提になる。
時間をかけて、叩かれていく過程で身に付けるものだが。
それを初めに、きっちり訓練を入れることを目的とする。

それとリクルートの能力適正試験の内容と、実際の本人の内容の誤差を見る。
ほとんどないが、それでもそれだけで見えない部分がある。
ある意味で一生もう決まっている、その人のソフトのベースもある。

こういう訓練を通して、自分で把握した事がある。
日記を書くこと、本を読む事、人の話を聞くこと、自分で考える事、理想も持つ事、
良い習慣を多く身に付けること、変化する事、初心を持ちそれを大事にする事である。

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