読書日記 ~孤独な群衆  1964 ―①


               by デイヴィッド・リースマン(著), 加藤秀俊(翻訳) 
                       更新日:2019-09-02 
「孤独な群衆」とは、1950年にアメリカの社会学者・リースマンによって
発表された著作で、社会性格論という分野を打ち立てた著作として有名。
ゼミで、参考書籍として紹介されて読んだが、50年後の現在でも、新鮮に
響いてくる。社会だけでなく、両親から独立していく個々人の成長過程の

人にもいえること。

  …「孤独な群衆」で書かれている内容を簡単にまとめると…
≪ 人々の性格や指向は、個々のそれぞれの性格に由来していると考えられて
いるが、実は社会環境によって由来するものだと主張しています。その社会環境
によって由来する性格は、社会的性格と呼ばれ、社会情勢に応じて変化するもの
であり、伝統指向型→内部指向型→他人指向型へと変化すると論じました。
 目次
1. 伝統指向型
2・ 内部指向型
3. 他人指向型
4. まとめ
 ―
1. 伝統指向型
 中世ヨーロッパや、ヒンドゥ、ホピ・インディアンなどの社会を生きる人々
の社会的性格を指します。高度成長潜在的な社会で、人口があまり増加しても
その率は極めて低く、世代交代のスピードは著しく早いです。
日常生活の中では、エチケットや儀礼、日常的慣習、宗教などが重視されます。
農業、狩猟などの第1次産業にほとんどの人は従事している社会で、家族や血縁
集団への依存度が高いです。それ以降の時代に比べて価値体系が固定している
時代のことを指し、その社会を生きる成員たちは歌や物語などの口頭伝承に
よって伝統に従いながら生きるのが特徴。
2. 内部指向型
 ルッサンスと宗教改革と共に現れた社会的性格です。この社会では過渡的人口
成長期で食料の増加、新しい保険設備、医学の進歩などにより人口爆発が起こり、
人口は急速に増加します。
生活の中で人々の選択は広がり、伝統に頼らずとも生きていけるようになります。
その背後には親の教育や学校の誕生によって、何が正しいかを刷り込まれます。
例えるなら、人々は内面にジャイロスコープ羅針盤)を持ち、自分の判断に
よって行動します。仕事には熱心で、生きる上で最も重視されます。
3. 他人指向型
                     ~ つづく   ≫
 ―
▼ 此処に登場するのが、都会故に、閉じてしまった他者の事情の覗き見願望…
 大都会になればこそ、他者が気になる。で、それを調べ上げて、売りにする
○○の登場。特に金融系関連の噂話の創作は何ともエゲツナイ! 後は…
…行きつけのスナック、小料理屋、居酒屋、理容、美容院。街中の○○屋も然り。

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7174,読書日記 ~『人間はなぜ<神>を生みだしたのか?』 ~1 
2020年11月04日(水)
 神の歴史は人間の文化を象徴したものと解釈した物語りである。
生命の存在を考えると、自然崇拝の呪術師の書いた壁画が思い当る。
獣と人間を結合させた架空の動物! 自然崇拝のアニミズムである。
 10歳の頃、小さな玩具の仏像が手元にあった。子供心に、祈れば叶うか
どうか? 窓の外を見れば雨が降っていたので、仏像を握りしめて…
≪雨よ、晴れよ!≫、と念じるとピタっと止み、降れと念じると、再び
≪雨よ降れ!≫と念じると、再び降り始めた。数日、遊び心地に繰返し、
その話を友人に話すと、≪そんな訳がない!やって見せろ!≫と言うので、
実演をすると、面白いように雨が降ったり止んだりした。≪それを俺に
くれ!という≫ので断った記憶が生々しく残っている。その後の記憶は、
そこで切れている。あれは、決して偶然ではなくて、純真な子供心なるが
故に、効き目があったのだろう。
 ある姉が結婚して新築の新居に遊びに行った時に、真面目な顔をして、
『チョッと聞いてよね。子供の頃より、今の、この景色を夢見ていたの!
新居に、庭があって、花が咲いていて、子供は、未だだけど、男の児と、
女の児の二人。そのままが実現しているの! 兎に角、念じ続けなさい!』
 概ね人生を振返ると、姉の言葉どおり<念じればこそ> …であった!

  * 自然崇拝から人格神の誕生へ   ~Amazonの内容紹介より
≪ 4万年前、人類は洞窟の奥に祭壇と壁画を残した。
 サピエンスと〈神〉の歴史は、そこからはじまる。
 「宗教を知れば世界が見える。宗教を知る一つの方法になる
この書は、知的興奮に満ちています」 池上彰(解説より)
 ―
人類と〈神〉との出会いから数万年。
われわれの知る〈神〉はいかにして生まれたのか。
カリスマ宗教学者が、認知科学、考古学、歴史学の最新知見を総動員して、
サピエンスと〈神〉の歴史をあざやかに紐解いてみせる。

 太古のサピエンスが洞窟の奥深くに残した壁画。それが宗教の始まりだった。
そこには描かれているのは獣と人間を結合させた架空の動物。エジプトの
神々も動物の頭部を持つなど多様な姿を持つ抽象的な存在だった。
それはなぜ今あるような〈神〉になったのか。

 ネアンデルタールの祭壇、初期サピエンスの壁画、メソポタミアの文字の発明。
エジプトとギリシャの神々を経て、ユダヤイスラム教、そしてキリスト教へ―。
〈神〉の姿はサピエンスの歴史とともに変化する、人類の政治や社会の写し絵
でもあった!
全米に衝撃をもたらし、日本でも話題となった前作『イエス・キリストは実在
したのか?』で、「人間としてのイエス」の実像を鮮やかに描き出したレザー・
アスランが、膨大な文献資料の分析から、ついにキリスト教以前のユダヤ教
イスラム教までも取り込み〈神〉のサピエンス史を解明する。≫
 ――
▼ 人は、まず岩場で絵画を書き、それが言葉に、そして、それが自然の働きを
 神として奉っていった。神を信じることは、他の生命との差異の一つである。
そうこう考えると、信心も大事ということになる。 妄信ではなくて、正しく
祈る習慣は、心の芯として欠くべからないことになる。そうか、この年齢で、
やっと、そのことに気づかされるとは! 何だろう、私は! 
 つれづれに、これまでの失敗は、信心が足りなかったことに由来していた!
                            ~つづく
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6808,読書日記 ~具体と抽象 -1 
2019年11月04日(月)
              <『具体と抽象』 ―細谷功・著>
    * 知性のしくみ
 毎日、1テーマの随想日記、当初の3年間は大変だったが、1000テーマを超えた
辺りから面白みが出てきた。蓄積した内容が、次のテーマを呼び起すような感覚。
後あと残るのは、文章と、要したエネルギー、写真と映像、それぞれの時節に
手に入れた物質。 なる程と自己納得した知識はちゃんと残るもの。それを
効率よくしたのがブログ。それが年々、蓄積していくと、脳内が少しずつ透けて
くるような感覚になる。書き残すことの秘儀である。 具体的な事象を、言語化
物語化する過程で様々な気づきが、生じる。公表するからには、曖昧さを最小に
しなければならない。 曖昧さは、限界そのものを自ら認めることになる。 
自らを省みると、若い時分ほど具体的思考に縛られていた。しかし年々、経験と
知識が増えるにつれ抽象的になっていく。知性や経験が少ないい人には、己より
高い人の抽象的言語を理解しにくい。 心が純粋であればある程、濁った心を
見通せるのと同じ。ブログを続けるほどに、心が純粋になっている実感がする。 
小さな世界に留まるのは、プラス、マイナスの両面がある。プラスは、純粋性を
保てること。 マイナスは逆に、小さく凝り固まり、淀んでしまうこと。
 ブログを一つとっても、具体的経験を写真、言語に要約したり、逆に時空を
超えた人物が言わんとすることを自らが納得するように具体的に噛み砕き、
近未来の自分と、読み手が理解しやすいように客観視する。その蓄積が自らの
教養となる。 体験という具体的獲物を、抽象化することを通して経験として
据え置く行為こそ人間が人間たる由縁である。それは脳内の外部化につながる。
                            ~つづく
  ~Amazon 内容紹介~
永遠にかみ合わない議論、罵(ののし)り合う人と人。
その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。
 動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という
視点から読み解きます。
 【目次】
 序章 抽象化なくして生きられない
第1章 数と言葉 : 人間の頭はどこがすごいのか
第2章 デフォルメ : すぐれた物まねや似顔絵とは
第3章 精神世界と物理世界 : 言葉には二つずつ意味がある
第4章 法則とパターン認識 : 一を聞いて十を知る
第5章 関係性と構造 : 図解の目的は何か
第6章 往復運動 : たとえ話の成否は何で決まるか
第7章 相対的 : 「おにぎり」は具体か抽象か
第8章 本質 : 議論がかみ合わないのはなぜか
第9章 自由度 : 「原作」を読むか「映画」で見るか
第10章 価値観 : 「上流」と「下流」は世界が違う
第11章 量と質 : 「分厚い資料」か「一枚の絵」か
第12章 二者択一と二項対立: そういうことを言ってるんじゃない?
第13章 ベクトル : 哲学、理念、コンセプトの役割とは
第14章 アナロジー : 「パクリ」と「アイデア」の違い
第15章 階層: かいつまんで話せるのはなぜか
第16章 バイアス : 「本末転倒」が起こるメカニズム
第17章 理想と現実 : 実行に必要なのは何か
第18章 マジックミラー : 「下」からは「上」は見えない
第19章 一方通行 : 一度手にしたら放せない
第20章 共通と相違 : 抽象化を妨げるものは何か
終章  抽象化だけでは生きにくい

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6444,閑話小題 ~生きる意味とは? -2 
2018年11月04日(日)
     * 成田への機内で気づいたこと
 52回の旅ゲームのツアーを重ねるうち、それぞれが、文化、文明、大自然
要素の全てが入っていることに気づくことになった。
  「ケニアタンザニア」旅行を例にとると~
【 まず欧州のハブ空港のあるパリ。そしてエジプトのカイロから、ケニアへ。
 その場合、パリの市内観光でギザのピラミッドに立ち寄り、ケニアへ。…
大型サファリカーで360度パノラマの大草原へ。夜半、耳元1m先から聞こえて
くるハイエナの息遣い。部屋と策で砦のように円形状に囲んでいるため、窓まで
近づいていることなど、深夜到着で、知る由もないため、恐怖のどん底
 『ライオンか、象一匹が見れるかどうか?』と思いきや、翌日のサファリから
ヌ~や象の群れがオンパレード。夕景のキリマンジェロと、ピンクから、黄色、
オレンジ色、そしてどす黒い黄み色、漆黒の黒へと変わっていく中、砦のホテル
に、何処までも続く一本道をサファリカーで突っ走る。 その中は、100年、
200年続いてきたイギリス統治のリゾートホテル。中央がレストランやロビーに
なっていて、部屋はコテージになっており、警備の現地人が長銃を肩に警備を
している。 …そして、早朝6時から、朝食前の一回目のサファリへ。
二時間のサファリの後に、朝食と休憩。二回目のサファリ。サファリは、無線で
ドライバー同士が情報を共有しているため、「ライオンがヌ~を狩って、何処そこ
で朝食」とかの情報で現場に直行。これじゃあ、合理的で面白いわけだ。 
欧米の金持ちがつくり上げた遊びを、20~30万そこそこで、楽しめる。 
帰路のカイロは、エジプト考古学カイロ博物館。館内には、ツタンカーメン王の
黄金のマスクや、カフラー王座像、ラムセス2世のミイラなど驚くべき文化財
陳列されている。そして、最終のホテルは、最高級ホテルの宿泊が組込まれている。 
 帰路の機内のエコノミー席も回数を重ねる度に、その狭さが気にならなくなる。 
この到着するまでの時間こそ、基調と瞑想状態に持っていく。これが可能になるに、
10年近くかかった。人生と、その都度のツアーを重ね合わすうちに、日常が、夢幻で
ないかと? <他の銀河系から80年間、肉体と精神を借りた旅に来ているのでは?>】】
 
 数年前に、この宇宙の他に、10の500乗の他宇宙の存在の有無が言われ出した。
ならば、こんな空想もタワイのないもの。そんなことをしていないで、繭から
出てね、羽ばたいたら。 バカくさいことなど、横に置いてね。 繭って両親、
家族、身辺がつくり上げた、その壁。喰いちぎらない限り、外に出れないと…。
といっている、それ自身も、妄想が成せる業でしかないと! なら如何するか?
 さて早朝のポタリングに出る時間に近づいてきた。
――
 某ブログより
[旅の記録]
10月18日
夜、エジプトのカイロに到着。ホテルはナイル川沿いのラムセスヒルトン。
部屋からのカイロの夜景が幻想的だった。

10月19日
カイロは7年ぶり。ギザのピラミッドとスフィンクスを観光。遠くから見ると
やっぱり大きいな〜と思ってしまう。クフ王のピラミッド入場は限定300名/日に
なっていたが、チケット売り場に並んで入場した。 お昼はピラミッドが見える
レストランで魚料理を食べる。エジプト考古学博物館では前回行けなかった
ミイラ室を見学、気持ち悪かった。その後、ハンハ-リで買い物して、ナイル川
ディナークルーズへ。お決まりのベリーダンスよりも、甲板で風に吹かれながら
カイロの夜景を見るほうが気持ちよい。ナイロビ行きは1時間ほど遅れて、
深夜1時過ぎに出発になり、すごく眠かった。

10月20日
早朝にナイロビに到着。ナイロビからアンボセリまで約260km、途中、悪路を
進み、昼過ぎに到着。昼間は雲に隠れてなかなか見えないキリマンジャロの雄姿
がバッチリ見えた!キリマンジャロを眺めながら昼食、その後ロッジで休憩。
夕方、サファリに出発。キリマンジャロをバックにした野生動物の風景はホント
絵になる。公園内で唯一車を降りて歩けるオブザベーションヒル(展望台)に登る。
天気がよく、キリマンジャロや大草原の眺めがすばらしい。 今日はヌーや
シマウマ、ゾウ、キリン等の草食動物の他、ライオンの親子も見れて、満足な
1日だった。

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5918,閑話小題 ~帰りの宇宙船内で -1
2017年05月29日(月)
   * 帰りの宇宙船で
 「何故に生まれてきたか?」の問いかけの答えを考えるに、
「宇宙彼方の惑星から地球の80年の旅に来ていると想定すると考えやすい」と、
そして、「子猿に纏わりつかれ、殆ど地球上の大自然も、人間も、人間が営々
としてつくり上げた「文化・文明」をみること出来なかったことに後悔する」
と書いた。 秘境異郷ツアーに嵌って、私にとっての世界の果てからの現実
社会からのトリップする経験をしてきた。この感覚を「人間の生死」の極みの
実感から、「人間の生きる目的」を考えるヒントにしている。
 旅行から自宅に近づくにつれ、ホームベースがあればこそ、余裕を持って世界
の果てに飛ぶ立つことが出来た。それを拡大して、宇宙の果てから地球へ、
約80年の時間に色々な条件を与えられた上に、世界と内界を知り、味わい、
宇宙船に乗って帰っていく。宇宙船内で、自問自答するのは、如何だろう?
観て、経験した、感動と、感激と、感涙した極上の感情体験。四苦八苦、四楽
八楽の経験。それを阻んでいたのは、地球のシリアスな小憎らしいが、可愛い
子猿たち。それらも元の惑星に着いたと同時に宇宙の旅として忘れ去られる。
ただ、帰りの宇宙船内には、両親など因縁のある人たちが居る。数年前から、
早朝の仏壇前で、因縁深かりし故人のイメージを繰り返し想い浮かべている。
「末期の死の床での予行演習」の準備の一環ですか、これは。「暗い!」と、
いうアナタ。これは時間をかけ身につける「必須科目」。私だけの話だが… 

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5921,閑話小題 ~帰りの宇宙船内で ~2
2017年06月01日(木) 
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5924,閑話小題 ~帰りの宇宙船内で ~3
2017年06月04日(日)
  * 母親と供に
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5959,閑話小題 ―帰りの宇宙船内で ~4
2017年07月