* 自分の才能を発揮する6つのレッスン          
  ショーン・スティーブンソンは、
『自分の限界を超えてさらに前進するにはどうすればよいか、自分に与えられた
才能を存分に発揮して人々と分ち合うには何をすればよいか』の6つの方法を説く。
≪ 1:心を通わせる
 人とだけでなく自分自身とも心を通わせる。恥ずかしいという気持ちは、
 自分自身のことを考え始めた瞬間にわいてくる。周りの人に手を差し伸べよう
 として無私無欲で考えたり行動したりし始めると、恥ずかしさは消えていく。
☆ ブログを書き続けていると、以前の自分に同調したり、逆に間違った考え
 だったことに気づき反省させられることが多い。それ自体が自分に心を通わ
 せる行為になる。心を通わせるには言葉と握手などボディタッチが有効。
 ――
  2:自分に対する言葉に注意する
 優しい言葉は人を素敵な気分にすることができる。人を傷つける言葉は害を
 及ぼす。想像してみるといい。毎日ずっと毒のある言葉ばかりを浴びていたら、
 いつか病気になってしまうだろう。
☆ ブログは、何を書いても、自慢話に陥るのは否めない。
 だから自嘲気味に書いて丁度よい。人の考える7割がマイナスのこと。
 だが、せめて自分にはプラスの言葉を投げかけないと。
 ――
  3:身体で自信を表現する
 心と身体は別々の存在だと思われているかも知れない。でも本当は、心と身体
 は一体である。身体を変えることによって心の状態も変えることができる。
☆ 早朝の、信濃川一周の自転車乗りは、土手川原の緑と川面の空気を吸込む
 ことで、心身とも洗われる。途中、大橋を牽きチャリをしながら、地球の芯と
 会話をする。これが気力を充実させる。 球芯が、自分に仮身したような。
――
  4:意識のフォーカスを定める
 自分の望まないもの、自分にはないもの、世の中は不公平だと思うこと、そう
 いった部分ばかりに意識を向けている人は、その後もずっと悩み苦しんでいる。
☆ 内語に気をつけなければ。自分を自分で大切にすれば、悩みは半減するはず。
 そのために、読書習慣をつくらないと。毎日毎日、マイナス要因を濾さないと!
――
  5:ピットクルー(仲間)は慎重に選ぶ
 現状を変えるために何も行動しようとしない人は、その後も何も変わらない。
☆ 仲間の最たる人は、連れ合い。だから神様は一番、相性の悪いのを選ばせる。
 距離を置くため。相性の良いより、悪いほうが、人生、豊かになることが多い?
――
  6:自分の人生は自分で所有する
 自分の問題を人のせいにしたり何かのせいにしたりして責任転嫁し、言い訳を
 続けている人はどんどん弱くなっていく。
☆ 「自分の人生とは何ぞや?」という疑問が残るが、「自我を押通した人生」
 ということ?「志を持って、突進んだ人生」「自問自答を、独り続けた人生」
 「自分の人生で良かったことは、なにひとつ無かった」の愚痴こそ、自分の
 人生を自分で所有できなかった有様である。
▼ 上記の6つのレッスン、毎日、心をこめた日記を書き続ければ、ほぼカバー
 出来ること。 「日記御宅も、如何なものか」は、私の自問自答になる!

・・・・・・
5305,全球凍結(スノーボールアース) 〜?
2015年09月23日(水)
 『新潮45ー2015年5月号 〜スノーボールアースについて』
  * 穏やかでなかった地球環境
 わずか20年前まで、地球は比較的穏やかな、生物が進化するに都合のよい
環境と考えられていた。三度も、地表が凍りついた氷の惑星だった時期がある
など想像すらされてなかった。ところが赤道域で、氷河の痕跡が発見された
ことで、全球凍結説が出てきた。これで生命が全滅する可能性があったが、
これを乗越えるべく、真核細胞が生まれ出てきた。危機が、革命的進化を
生み出したのである。  ーその辺りからー (『新潮45』、280‐281頁)
≪ ・たけし:そもそも、なぜ全球凍結したかは分かっていないんですか。
・田近:考え方としては温室効果が急になくなったからと推察できます。
 原因としては、火山活動が弱くなったからではないかと私は考えています。
火山から排出される二酸化炭素が少なくなると、(二酸化炭素温室効果ガス
であるので)温室効果が弱まります。その結果、気温が下がって、
地表を覆う氷河の面積が増えていくことになります。
・たけし:寒くなって氷河が増えると、地球上の白い部分が増えて、ますます
 太陽光線を反射していってしまう。
・田近 そうです。それを惑星アルベド(太陽放射を反射する割合)といいます。
 氷で覆われる面積が広がると、惑星アルベドが増加して寒くなり、さらに氷の
面積が増えて…と、正のフィードバックが起き、全球凍結に至ったと考えられる。
氷河堆積物を調べていくと、約二十二億年前と、約七億年前、約六億五千万年
前の三回、全球凍結が起きていた証拠が発見されています。
・たけし では、少なくとも三回、地球は氷の星だった可能性があるわけですね。
・田近:そうです。ただ、この説には、地球が全て凍りついてしまうと、全ての
 生物が消滅してしまわないかという疑問が生じました。そうしたら、私たちも
存在しないことになってしまうので、そんなことはありえないというわけです。
研究者のイメージの中では、地球は金星や火星といった他の惑星とは違って、
今のような穏やかな環境がずっと維持されてきたと思われてきました。
ですから、海の水が全て蒸発してしまうとか、全て凍ってしまうとか、
そんな極端なことは地球では起こらなかったと信じられていました。
スノーボールアース仮説は、これまでの考えを覆す説だったので、
学界からの反発も大きかったんです。
・たけし:地動説を唱えたガリレオみたいなものですね。
・田近 私が学生の頃、そんな説はもちろんありませんでした。
 地球は穏やかな環境が続いてきたのだと考えられていました。
それが何故なのかが、実は私の研究テーマだったんです。
・たけし: まったく今とは逆の研究だったんですね。
・田近: 気候が変動することは、誰もが知っています。しかし、それは
 小さな変動だから、私たちは生きていけるわけです。しかし、大きな変動が
起こったら、生きていけないですよね。では、どうして地球上で大きな変動が
起こらないのか。「それを説明しなさい」と言われたら、誰も説明できない。
ですから、それを解き明かそうとしていました。
・たけし:その穏やかな環境で、生命は進化してきたと考えられてたわけ。
・田近:そうです。だからこそ、スノーボールアース仮説は、それまでの
 考えを覆すような説でした。科学では、こうした考え方が大きく転換する
ことが時々あります。八〇年代に、恐竜が絶滅したのは、地球と小惑星
衝突が原因だと提唱されましたが、あれも当初、相当な反発がありました。
今でこそ定説ですが、当時はそんな天変地異で恐竜の絶滅を説明するのは、
とんでもないという意見が根強くありました。・・・≫
▼ ネット上で、氷河時代の迷い石の写真の幾つかをみつけヤフーのブログに
 掲載したが、その多くは二万年前の氷河期のもの。どれが20億年、7億年
前のものか、私には分からないが、自然の力のなせるわざ。現在の海の深さが
平均四千m弱と富士山と同じ位だが、当時と現在は違うとしても、その大部分
が凍り付いたという。しかしアイスランドのように、北極でも、火山で地熱が
あって温泉が沸いている場所もある。また、海底でも地熱で細菌が生きていた
可能性があったから現在の我々が存在している。面白い惑星に生まれたもの。
この地球の旅で、多くの知識を得て、面白い経験をさせて貰った。
 現世のことも大切だが、宇宙からの逆照射の視線も必要である。 
・・・・・・
4940,閑話小題 〜昭和33年卒の小学校の同期会
2014年09月23日(火)
   * 56年前の坂之上小学校の同期会
 一昨日は昭和33年卒の坂の上小学校の同期会。会場は長岡の奥座敷
といわる蓬平温泉の「よもやま館」。 前倒しの『古希』の祝いでもある。
出席者が西澤先生をふくめ25名。 前回より数人少なかったが・・ 
18時から始まり、21時からは、近くの部屋に移動して二次会が開かれ、
22時に日帰りの数人と、送迎バスで長岡駅東口近くに無事帰ってきた。
その4時間は、タイムマシーンが昭和33年に戻って、大いに盛り上がった会
であった。南は九州、広島、佐渡などから、この会に出席のため、わざわざ
帰ってきた人たちがいた。小学、中学校の集まりは魂の故郷でもある。 
10年に一回あるかなしかの会、やはり出席をして良かった。私のクラスの
担任の西澤先生は、来年の9月の27日で米寿というが、健康そのもの。
幾つかの小学校の校長を歴任し、長岡の教育長にもなられた人。
奥さんを10年前に亡くされ、独り暮らし。炊事、洗濯、掃除を全て一人で
こなしている。近くに近くの川崎小学校の校長をしている長男が、住んでいる
ため、一人暮らしの心配は無いという。ガタがきている私たちとは、出来が
違うようだ。 小学校、中学校、高校、大学の同級会も、今では同期会
にぢしないと、人数が集まらなくなってきた。
・・・・・・
4573, 2050年の世界 ー7
2013年09月23日(月)       
    「2050年の世界 ー英『エコノミスト』誌は予測するー」
                 〜英『エコノミスト』編集部(著)
 10年前にスマートフォンタブレットPCが、ここまで普及すると誰が
想像できただろうか。まして40年先、10年先の端末や、アプリの進化の
姿の予測など不可能である。せめて10年先の情報技術の成果の一端を見て
みたいもの。現在でも充分に満足しているが・・・現在、コンタクトを
目の中に埋め込むのが普及しているが、情報端末の埋め込みもあるだろう。
それより、それぞれ持っている脳機能にPCが連動するような機能も出てくる。
  * 「第十八章 情報技術はどこまで進歩するか」のまとめ ーより
 インターネットはきわめて短期間に社会を変容させた。生み出され処理
 されるデーター量は指数関数的な割で 増えているので、経済、
 社会ともに今後の変化を加速する。
・今後の開発は、ハード的なスペックそのものよりも、人間の思考、
 発見、知識の共有を拡大するものに重点が置かれていく。
・技術そのものよりも、その使われ方に開発の重点は移っていく。
記憶媒体に記憶できる容量が、指数関数的に大きくなっている今、情報過多
 がわたしたちの時代のごく本質的な現象である。情報の蓄積量は世界経済の
 成長率の四倍、コンピェーターの演算能力は九倍の速さで増大している。
・電話会社を通じた国際電話の通話量は、一九九〇年以降年間一三パーセント
 の伸びで成長していたが、二〇〇五年を境にネット上で通話のやりとりが
 できるスカイプの登場で減少に転じた。一九八○年代に民営化された電話会社
 が各国の通信市場を独占していたが、技術革新によってその地位はより
 相対化 されていく。
マイクロチップの小型化と高性能化は、あらゆるものをネットワーク
 コンピューター化するユビキタスネットワークを推進する。
・ウェブ技術の革新によって以前は集めることのできなかったデータが
 集められるようになり、社会、経済ともに変容する。たとえば、すべての
 自動車がどの道路をどのように何時間かけて通ってきたかを捕捉できる
 ソフトが完成すれば、保険算定、経費精算などに応用ができる。
・企業は上意下達型から、ウェブを使った知識共有型の組織に変わっていく。
アメリカの人口の四分の一に普及することを「大衆化」と定義すれば、
 それにかかる時間はどんどん短くなっている。電話は一八七六年に導入
 されて大衆化するまでに三五年かかった。一九九一年のウェブの誕生から
 アメリカの人口の四分の一に普及するまでは、わずか七年を要しただけ。
・とはいえ、コンピューターの情報量、情報処理力はまだ、生体の足元にも
 及ばない。二〇一〇年の時点の世界中のコンピューターをつなぎ、処理可能な
 命令数で演算能力を計測すると、人間の脳がおよそ五分間に発生させる
 神経インパルスの最大数ほどにしかならない。
▼ シネマなどのバーチャルの空間が情報技術で大きく変わっている。
 その魅力に惹かれて、毎週、シネマのバーチャル世界を訪れている。
これも情報技術の進化の現象の一つ。TVも、スマホと連動する情報端末
(スマートTV)になりつつある。大衆と一部エリートの二極化は、
ますます進み、その矛盾のため、世界が存続しているかどうか疑わしい。
・・・・・・
4198, 閑話小題 ーとある話
2012年09月23日(日)
   * ランチの席で漏れ聞こえてきた、とある話
 一昨日の長岡駅裏の居酒屋で、一人でランチを食べている時に聞こえた話。
 至近距離の六階にあるスポーツジムの帰りらしい6人連れの中年女性。 
ある女性Aから・・・
A:「ねえ最近聞いた話だけど、都会のチョットした家には2千万も
   預金があるというけど、どうなの?」
B:「そんなに持っているの? うちなど遥かに及ばないわ!」
A:「Cさんは、ご主人がお医者さんだから、あるわよね?」
C:「そんなにあるわけないでしょ! 家のローンが残っていて、
   あれば、そっちに向けてるわよ!」
A:「Dさんはどう?」  少し考え込んでいた彼女
D:「それって一人あたりの金額のこと?」 その一言で、その場がシラー。
 その強力なボケをかましてしまった本人、悪気はなかったようだが横で
聞いていて、その場に飲み込まれてしまった。一年ほど前に、この随想日記で
一世帯の預金高について書いたが、平均預金1150万を 鮮明に記憶している。
    ーそこでHP内検索で改めて調べてみると・・
≪・一世帯平均平均1150万。人々の実感に近い中央値
 (答えた世帯の中間の値)は前年500万より80万円少ない420万円。
・一億以上の預金を持つ人は108万人(総世帯4700万ですから全体の2.3%)。
  ー40世帯に一世帯になる。
・都会サラリーマンの65歳の年金者の平均値は2500万の貯金を持ち、夫婦で
 月額30万円の年金収入があり、30%を預金にまわす。貯蓄残高が1年前に比べ
「減った」世帯は40%で、「増えた」世帯(21%)の2倍近い。
 ・預金ゼロ世帯が何と28・6%と約3割近い。ローン残高を差し引いたら
 0の人を加えたら、過半数を超える。 【 金融広報中央委員会が22日発表
 した2011年の「家計の金融行動に関する世論調査」による】 ≫
▼ 実家で親と同居し、それを引き継いだサラリーマン以外なら、子供を
 育てあげ家のローンを払い続ければ、貯金と借金で、差し引きゼロだろう。 
平日にスポーツセンターに行き、ランチをするというだけで、収入が中の上以上
クラス。更に言葉のニュアンスと服装からして、地方では上クラス。
推測すると三人が預金が一千万辺りで、ボケをかました奥様は5千万以上。
日替わりランチを食べながら耳を逆立て聞いている私は、シャーロックきどり
の馬鹿そのもの。ところで少ない私の知人の中で、数人は一億以上を持っている。 
(本人から聞いてみた)それが身体全体から滲み出ている。それ以上に、
使い方が実に巧い。だから金の方から近づいてくる。 使い方は巧いが貯め方
イマイチの人なら幾らでもいる。いや逆が多い? 何は使える時に使うもの!
森林から出て世界を振り返ると違ってみえてくる。サバンナには味がある。  
・・・・
3833, 閑話小題
2011年09月23日(金)
   * 病上手の、死に下手
「病い上手に、死に下手」とは良くいったもの。 ただ長生きしても、
それで良いのかどうか? 用が済んだら、さっさと消えるのも必要かも。
そう言っていられるだけ、まだいいのか。 ネット辞書で、
【“よく病気をする人はなかなか死な ない”という諺で、江戸から大衆の間で
言われてきた】病を乗り越え長生きしすぎると「死に損ない」と陰口を言われる。 
それぞれの人に、それぞれの死に時がある、「病上手」のかわりに、
「生き上手の、死に下手」に置換える場合もある。前の「長生きの死に損ない」
という意味と同時に、「人生を上手く生きてきた人ほど死に際は良くない」
ということ。身近の人の死に際は須らく苦悶の末に亡くなっていく。
これも人生のうち。 銀座のクラブのママのブログに「遊び上手の本気下手」
があった。なるほど!言いえて妙。逆に「本気上手の、遊びベタ」と捻って
考えてみると、その方が頷ける?
「料理上手の、床上手」もあるが、これはチョット違う。
   * パソコン・ゲーム
iPadの有料のゲームソフトを先日からネットでダウンロードして使っている。 
無料のものは多く試みたが有料のものは少し違う。その一つがカーレース。 
車の運転席に座って走る設定だが、iPadそのものがハンドルになって
フロントからみえる道路を疾走する。左右に傾けると左右にハンドルが回る。 
設定をしておくと、ある程度の運転をフォローもする(大事故にならない設定)
終了後にカメラで運転した車をリプレーした映像を写し出してくれ奇妙な
気持ちになってしまう。より面白いものは幾らでもあるはず・・・ 
フリー(無料)のカーレースは元々、後ろ上から運転をしている車をハンドル
とアクセルとブレーキでコントロール。これも面白い。他にも幾つかフリーの
ゲームを使っている。とにかく始めたら2時間3時間など直ぐに経つ。
ゲームに熱中している子供をみて、心の底で羨ましくさえあった。
しかし周囲を見渡してパソコン・ゲームに熱中している知人は皆無。 
ネット世界には、まだ半歩しか足を踏み入れてないが、底知れぬ面白い
渦がトグロを巻いている。 やはり節目は必要。 空即是色である。
 ・・・・・・・
3468. 閑話小題
2010年09月23日(木)
   * 検察の特捜主任検事を逮捕
 検察不信に関して何度か書いてきたが、ついに特捜主任検事が逮捕された。
ウヤムヤに葬りされなかったことが不思議なぐらい。押収資料を改ざんしたと
いうから、何を言わんかである。強引に逮捕され起訴された何人かの手記を
読んだことがある。彼らは自分で筋書きをつくり、その物語どおりの材料を
強引に集め起訴をする。そこには検察の手前かってな理屈が罷り通るという
のが共通項である。 その一端が、今回の事件に現われている。これまで、
国家権力を使い好き勝手に事件を捻じ曲げた所業が多くあったとが窺える。
検察上層部に上るほど、出世のための手練手管の手法を持った輩になるから
想像を絶する世界? 今回、逮捕された検事もまさか自分が逮捕されるとは
夢にだに思ってなかっただろう。 これまで手記を書いてきた被害者?が、
雑誌などで、多くのコメントや手記を出すことになる。検察もたまった
ものでない。情報化で国家権力を持った者でも、以前のように抑えることが
出来なくなってきたのである。手記からすると暴力装置を持った官僚、
それが検察、末端が警察。
  * 尖閣漁船衝突問題について
  ー産経新聞産経抄が面白い。まずは、その内容からー
【 加瀬英明氏と「元中国人」石平氏との対談集『ここまで違う日本と中国』
 を読むと「目から鱗」の話ばかりだ。 例えば「公」を大切にする日本と
「私」しかない中国。お二人は「論語」にある「父親が羊を盗む話」をあげ説明。
▼ ある人が孔子に「友人は正直者で、父親が隣の人の羊を盗んだことを知ると、
 父親を告発しました」と語る。すると孔子は怒る。「何よりも、孝が大事だ。
 父親がどんなに悪いことをやっても、外に言ってはいけない」。石平氏
孔子は公を無視している」という。
▼ これに対し中国とは別の儒教を作り上げた日本人は「孝」よりも「公」
 に尽くす「忠」を重視してきたそうだ。何事か起きると、日本人が
「相手に悪い」と思うのに対し中国人は「相手が悪い」と思う。
 明らかに「公」と「私」の精神の違いだろう。
▼ そう考えると、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件での中国側
 の対応はよくわかる。現場が日本領海であるとか、国際社会の秩序に従う
 とかいった「公」の気持ちはさらさらない。ただ自国の船を守り、
 日本への恨みを晴らす「私」の基準で騒ぎ、日本を恫喝しているのである。
▼ その漁船衝突事件で、こんどは日本の大学生ら約1千人の上海訪問まで
 延期になった。温家宝首相の招待で予定されていたが、中国側が
「今はふさわしくない」と断ってきたのだそうだ。報復のつもりだろう。
 楽しみにしていた若者たちには気の毒だ。
▼ 容易に理解し合えそうもない精神構造の違いを覆い隠して交流してみても、
 あまり意味があるとは思えない。事件を通じ違いを知ったとすれば、その方
が真の友好につながる。断られたことを感謝してもいいぐらいだ。】
 ―
 以上だが、中国頼みの日本は、アメリカと中国の狭間にたって翻弄され、
結局は資産とノウハウを奪い去られる運命か。「第二次世界大戦で、日本が
中国でしてきた所業を、今度は日本にして何が悪い」という論も成立する。
中国とアメリカの間の「独り紙相撲の日本」という様相をおびてきた。