2525, 国家を斬る
2008年03月03日(月)

「 佐藤優 国家を斬る 」 佐藤 優 (著), 宮崎 学,
                         ー読書日記ー
佐藤優のみならず、、イーホームズ藤田東吾社長、そしてヤメ検田中森一の本を読んで国家の腐敗、
特に官僚の腐敗の実態に、ただただ驚く。それが司法の検察まで及んでいるのだから救いがない。
元々、腐っているのが、露見しただけということも言えるが。
この本は著者自身の裁判経験を交えた公演とJR労組の活動や松崎氏への評価をJR労組主催の講演で語った内容をまとめたもの。 
宮崎学との対談を中心に著者の思想、言論展開もあり、国策捜査や外務省官僚の生態などを織り交ぜながら国家論を綴っている。
 思いもよらなかったことは、有償講演をしないとことだ。こういう捨て身だから、何でもいえるのである。
3桁の額の講演の誘いもあるが受け入れないのは、原稿を書かなくなってしまう恐れがあるから、という。
 この本の構成の内容といえば
・反権力自由主義者としての佐藤優宮崎学
・「国策捜査」と時代の「けじめ」/佐藤優
現代日本の官僚階級/佐藤優
・対談:官僚階級の相貌/佐藤優宮崎学からなっている。

宮崎学の次の言葉が印象的である。
「佐藤は、国家権力による「国策捜査」の犠牲になり、それに抵抗することで反権力の立場に立つようになった。
といっても、かつての左翼にありがちだった<権力=悪>という先験的な反権力ではない。佐藤は国家主義者で、
国家が社会を正しく秩序づけることを考えているのであって、<権力=悪>とはとらえない。
しかし、<正しい権力>と<悪い権力>とがあって、国家は<正しい権力>にならなければならない、という国家主義者でもない。 
権力はつねに必要悪であって、悪い作用もするのだが、それも含めて必要なものだ、という立場なのだ」

ー著者の次の言葉も事実だろう。
「私が逮捕されたのは、私が鈴木宗男氏と親しかったからである。
警察は私の逮捕を突破口に外務省と鈴木宗男氏を結びつける事件を作りたかった」。
そして、それならば、鈴木宗男はどういう政治家であったかについて、
小泉政権成立後、日本は本格的な構造転換を遂げようとしています。
内政的には、ケインズ型公平配分政策からハイエク型能力配分新自由主義の展開です。外交的には、ナショナリズムの強化。
鈴木宗男氏は内政では地方の声を自らの政治力をもって中央に反映させ、再分配をちゃんとする公平配分論者で、
外交的にはアメリカ、ロシア、中国との関係をバランスよく発展させるためには、日本人が排外主義的ナショナリズム
陥ることはかえって国益を穀損すると考える国際協調主義的な日本の愛国者ともいえる。」
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この本に影響されて、図書館から「国家の罠」「国家の自縛」を借りてきたが、
あらすじ読みをしてみて、とにかく辛らつで面白い。
それにしても、佐藤優のすごい能力には驚かされる。

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