2007年01月28日(日)
2126, タクシー運転手残酷体験記
            オッ(*^○^*)ハ〜ヨウサン!
デフレ経済と過当競争の狭間の中で、苛酷労働と低賃金の象徴的な職業のタクシードライバーの現状について、
ここで何度か書いてきた。借りてきた雑誌の中にノンフェクション作家の体当たり「運転手体験記」のレポートがあった。
仕事の関係で彼らの生態の情報が入るが、実際に運転手をした生のレポートは、具体的で生々しい。
レポートの現場は京都だが、地方の現場の平均とみてもよい。観光シーズンがあるから楽そうに思えるが、実際はそうでもない。
レポーターは(学生時代に学校に通いながら)運転手を1973年から77年までの4年間、最初が9万位で、
辞めるころは15万円を稼いだ経験がある。当時の学生としての収入として悪くなかった。
それから30年、タクシー運転手を巡る状況は悪化の一途。特に5年前の2002年の規制緩和の「改正道路運送法
が施行されてから、増車と運賃値下げなどで過当競争に陥り、デフレも重なり劇的に収入が激減したという。
大阪の運転手事情はTVで何度かみたが、札幌・仙台などでは、平均240万を切ったという。

このレポーターの現場の京都では、2000年の354万円の平均年収が、2004年には20%減の287万に激減した。
これを手取りの月収に直すと月17万円になる。この17万円を稼ぐには、40万に売り上げが必要だという。
タクシーの売り上げ=荒利になるので人件費率からみたら、妥当だろう。
朝7時から16時までの勤務だが、その売り上げを上げるためには、19時まで働かないと到底無理!
ほとんど毎日12時間以上働いても15~6万円になるかどうかである。
レポーターの勤めたK社の平均一人当たり売り上げは36万なので、一人当たりの手取り月収は13~4万円。
これでは一家の主の収入で家族を養っていけるわけがない。そこで会社に入ってくるのは年金生活者になる構図になる。

このレポートでは、17万円を稼ぐ厳しさを生々しくレポートしていたが、読んていて、そのリアル感には驚かされた。
タクシーの事故率は普通の車の9倍もある、それだけ乗車時間が長いこともあるが、その苛酷な労働条件がベースにある。
売り上げ累進歩合制度は原則的には禁止されているが、この過当競争の中では有名無実になっている。
私自身はタクシーだけは健康と、自分の経済観念のベースを維持するため可能な限り乗らないことをモットーとしている。
(ただケチだけか?)新潟を例えにすると、最近は旧市街にある古町という飲食街には行かない!
タクシー代が馬鹿馬鹿しいからだ。この春から、地元の新潟も完全歩合制に移行と聞いている。
こうなると、会社は車と名義を貸せるだけの商売になってしまう。個人タクシーと大してかわりはしない。
通勤で駅前を歩いていると、お客に見えるのかタクシー・ドライバーの鋭い視線が痛い。

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