ー 貧困とは溜めのない状態 ー
 
格差について、一昨年の今時分に(2007年01月25日(木)階級社会ー不平等社会を考える)で取り上げたことがある。
他にも読書日記で幾つかの本を取り上げた。 ところが先日、図書館で、半年前の08年8月30日号の
「週間ダイヤモンド」を見つけた。
 ー「下流」の子は下流? 格差世襲 ー の特集である。
普段の会話ではタブーに近い内容が次々と出てくる。格差といえば差別である。
自分が上位に立っているときは何とも感じないが、下位にたたされて差別を屈辱を経験した時に
格差社会の実態を知ることになる。 差別からくる屈辱は傷になり、恨みは何時までもまとわりつく。
般若の面は、差別の屈辱に対する怒りの顔。
 この特集では、いろいろな視点から格差を調査しているが、
・「育った家庭によって、機会の不平等が生じている」という「格差世襲」の残酷な調査結果を示している。
・「まるで溜めのない貧困層」、それに対して 「溜めに包まれた富裕層」
 「貧困とは‘溜め’のない状態」と現実は教えてくれる。
その典型が何も考えない若い人の「出来ちゃった婚」。何の経済的な裏づけのない人たちの結婚である。
ここに夫婦格差が生まれる。 その子どもには両親以上の教育が施すことなど、出来ようがないのである。
その結果、下流の子は下流になるしかない。 片方の計画的出来ちゃった婚もあるから一概にいえないが。

「溜めのない貧困層」といえば、大阪・堺市生活保護受給者の四分の一が、親の世代も生活保護を受けていた。
母子家庭にいたっては、四割が‘生活保護二世’。 また母子家庭の26・4パーセントが十代の出産を経験。
まさに貧困の連鎖の構図がここにある。 逆に溜めのある人は、溜めのある人と群れるケースが多くなる。
一例として最近、医者同士の結婚が多い。 最近、女性が医学部に多く進学するようになった結果である。
また医者社会での結婚のチャンスも多く、二人の給料の総額は莫大になる。

1995年以降に自分でのし上がってきたベンチャー経営者や、専門職を中心にした新世代の富裕層は、
お金より自分の知恵や経験を子どもに相続させたいと考えている。
多額のお金を相続させるより、子どもの教育に金の糸目をつけないのが特徴。
無形の財産を与えることで、子どもにも自分の力で成功を勝ち取るように教えている。
「地位獲得競争ゲーム」に、無形の「出来レース」を与えていることになる。
世界の億万長者のトップのビル・ゲイツ、ウォレン・バフェットとも、資産は子どもに残すことをせず、
その大半を寄付をすると公言している。 とはいえ、同じ兄弟でも大きな強弱が出来る。
                            − つづく
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