2004年01月02日(金)
1003, 「2004年日本経済」ー読書日記
  ー円高デフレの恐怖が襲来する。

この人の本はバブル発生時から一貫して「日本経済悲観論者」である。
 中長期的に振り返ってみると、この人のいうとおりになっている。

  ー印象に残った順に列記してみる。
・2005年のペイオフが一つの鍵になる。金融再々編成によって残る大手銀行は二行になる可能性も。
  メガバンク国有化は、日本経済の信用を損なう、そうなる前に再編成をさせる。
・いまのデフレとは、銀行の信用デフレが発端である。 銀行がその役割を終えてしまった。
・さらにリストラ、倒産はつづく。日本経済は根幹から音を立てて崩れはじめている。給料はまだまだ下がり続ける。
アメリカは内部崩壊をはじめてきた。この円高ードル安は、日本では更にデフレ圧力になる。
・EUも深刻なデフレに向かっている。 ドイツ経済が日本化をしていく。
  元東ドイツの住民が社会主義的な政策政党に票を入れ始めた。 その為ドイツ経済は競争力を無くし始めた。
  日本の生産地が中国に移動したのと同じ現象がドイツと元東欧諸国と同じになってきた。
円高は100円を割る可能性を含んでいる。79円も割る可能性も十分考えられる。
  この水準を割り込めば日本経済は完全に息の根を止められる。
  この大不況の中、何とか持ちこたえられたのは輸出のおかげである。 円高はドル安になるといくことである。
  この輸出が円高で激減する可能性 がある。またアメリカの国債を持たされた日本は実質の回収が落ちることになる。
    等々である。

 実際に事業現場に立っていると、この内容は決してオーバーに思えない。
 新潟駅前の夜は、火が消えてしまったように静まり返っている。
 何処の会社も経費節減の為に2時間以内は日帰り圏にしてしまった。
 この数年間でビジネス客は3分の1に減ったという統計も出ている。
 「2003年日本経済」では副題はー世界恐慌の年になる!であった。
 実際のところは恐慌にはならなかった。だから「今年は、この人のいう通りにはならない」と考えるのはおかしい。
 この本では人口の問題には触れてない。 数年先から、本格的な人口の減少が続く。他には若い人の質の低下の問題がある。
 まだ何とか持っているのは、団塊の世代が踏ん張っているからである。

 こと日本に関しては悲観的材料が多すぎる。生存対策をまずは第一にしなくてはならない時代である。
 この情報化社会は世の中を激変させている。健康食品も本も、インターネットで注文するようになった。
 近く「ユニクロ」があっても、わざわざインターネットで注文をする。
 電化製品も必ず「価格ドットコム」で最低値段を調べて、近く大販店で値段交渉をするようになった。
 まさかこんな時代をみることになるとは思ってもいなかった。
 大不況になっているのではなく、違う時代への過渡期の整理過程と見るべきなのだ。
 整理されないよう自分を変えていくしかない。 会社も自分も社会もである。
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「2004年日本経済」ー円高デフレの恐怖が襲来する。
   出版社: 東洋経済新報社 ;
    
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