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ケインズは以下のように、相場と『美人投票』の類似性と、相違から、相場の本質を述べている。
「玄人筋の投資は新聞紙上の美人コンテスト、参加者は100枚の写真の中から最も美しい顔かたちの六人を
選び出すことを要求され、参加者全員の平均的な選好に最も近い選択をした人に賞品が与えられるという
趣向のコンテストになぞらえてみることもできよう。 このようなコンテストでは、それぞれの参加者は自分が
いちばん美しいと思う顔を選ぶのではなく、他の参加者の心を最も捉えそうだと思われる顔を選ばなければならない。
全員が問題を同じ観点から見ているのである。」と 述べている。
結果としてどうなるかというと、他の者は誰を選ぶか、という観点から予想される者が選ばれることになる。
この点に関し、岩井克人東大教授は、「その結果選ばれる『美人』とは、皆が美人として扱うから皆が美人として扱う
という『自己循環論法』の産物にすぎない」という。解りやすい例えである。ソローの論は、この辺もヒントになったのか?。
新自由経済資本主義のフリードマン的な考え方には、再び戻ることはないとしても、時間と共に再び規制が緩和され、
同じような大規模な金融危機が発生する可能性もある。それはさておいて、投資と、投機は違うもの、投機は美人投票論に
近いだろう。『儲かると信じて買い、結果として損をして売る』パターンが一般人の結果としてなる。
上がり切ったところで、逆張りをして反対の流れをつくって暴落させる、これもあるから、素人が儲かるわけがない。
「賭場の八百長ツボふり」と、同じである。 それもNTTの株売却時のように、国家単位で仕掛けてくる。
このケインズの美人投票理論を応用したものが、GoogleのPageRankだと言う。よく考えるものだ。
検索エンジンが、勝手に独自の評価項目を作り上げて選んだページではなく、Webページ同士のリンクという投票行動を、
ページのランキングスコアとして採用したのである。
これによって、検索が原始時代から抜け出すことができるようになった上に、広告効果が飛躍的に伸びたのである。
持っているお金さえ、国家間では相場で決まることから考えても、金を持つこと自体が投機行為である。
その貨幣が現在、一番不安定ときているから・・・・
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