565,、ある逸話ーインドで見たこと

  • 2002年10月30日(水)

インドの空港で帰国の時である。修行僧のいでたちの男、杖一本をつきながらやって来た。
素足で身に付けているののはパンツ一枚である。それで飛行機に乗ろうというらしい。
急を聞きつけた警察が数十名が周りを取り囲んだが誰も手を出せない。
空港の制服の女の人が間に立って説明をしているが、どうしても折り合わないのだ。
パスポートも持たないでパンツ一枚で国際線に乗ろうとしているのだ。
恐らくカースト制で身分が高いのだろう、素裸の男の態度がでかい。大声で入国査察官を怒鳴りつけているのだ。
恐らく「神の指示で乗れといわれたのに何故乗せぬ」と言っているようであった。
最後の結末をみないで飛行機に乗ったが、インドの社会を最後まで見せ付けられた出来事であった。
インドは普通の感覚では考えられない身分社会なのだ。牛が堂々と街を我が物顔で歩いているのだ。 
宗教上で神聖な生き物なのだ。以前にも書いたが、20?のある階級は餞民で人間とみなされないのだ。
交通事故死でも警察が取り合わないという、牛なら騒ぎになるが。
実際その経験談を読んだ事がある。一度はこういう社会を見てみるのも必要な事だ。
  −4年前に書いた文章をコピーしておきます。
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10/11  インド旅行記 ー私のみた北インド 
“ インドとは...”など滞在一週間のツア−では表現できない。
 面白いほど多様な国である。まず印象を列記してみよう。
? 汚く、臭く、多種多様な人種、動物が“ごった煮”されている国であった。 映画の“深い河”や
 二本のTVドキュメント、本は五冊読んで実際行ってみて、ここまで貧しく、奇異に感じるとは!
? 大部分がバスの異動であったため、点というより線でインドを見れた。
“街の生活”や“田舎の街道”よりみた地域ごとの暮らしが印象に残った。
 小さな節穴より垣間見た程度であったとしても沢山の事を見て、感じ取ることができた。
? ヒンドゥ−教の聖地ベナレス。生まれて初めて見た“美しい日の出” その日の出がガンジスに反射する陽光!
 そこでの聖なる沐浴の光景! 三千年前とほぼ変わらぬ宗教的行事という。その岸辺での火葬の情景!
 帰りの道すがらの物乞いの一団。 ふと気づくとライ病の集団に一人囲まれていた。
? インドの2/3が最下層に属し、ほぼ乞食に近い生活をしているといってオ−バ−でない。
 野良犬、野良牛、野羊と全く同じ感覚で一緒に生活している。日本の80%が中流意識とは対極にあるといってよい。
 帰ってきて今でも日本が逆に奇異にさえ見えてきた。−完璧すぎる平等と潔癖症。そして豊かさが。
? インドはヒンドゥ−教とカ−スト制を抜きでは理解できない。おおよそ4階級に身分制があり、皮膚の色により
 白系(一億人)、赤系(一億人)、黄色(一億人)、黒色(四億人)に分類されている。我々が街で目にするのは
 最下層の人たちが主で、動物並みにしか上層の人より見られておらず、本人達もそう思いこんでいる! 
 (ヒンドゥ−教の教えがその裏付けされている)。白色ほど身なりがキチッとしているのは私達でさえ判断できた。
 レストラン、ホテルなどそれぞれ決まっており、決して違う層は入れないという。

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