産経新聞の【ちゃいな.com】という
産経新聞・中国総局長・伊藤正のコラムが、面白い。
中国も、社会主義が抱えている汚職と、一党独裁の矛盾が噴出。更に米国の金融危機の余波を受けている。
やはり米国同様に、これから10年間は動乱になる可能性がある。
 その中国の置かれた現状が先週の産経新聞の一面に掲載されていた。まずは、その内容から・・・・
  ーーー    
 中国が毛沢東の革命路線から改革・開放路線へ転じ、経済発展へスタートを切ったのは1978年12月。
この歴史的転換の主役、トウ小平副首相(当時)は翌1月、外交関係を正常化した直後の米国を訪問した。
トウ氏は経済発展には対外開放が不可欠で、そのかぎは対米関係にあると考えていた。
 トウ氏の外交顧問で訪米に同行した中国の米国研究の権威、李慎之・元社会科学院副院長が、
なぜ対米関係が重要なのか問うと、トウ氏は明快に答えた。「米国についていった国はみな富強になったではないか」
 このエピソードは、先に連載した「トウ小平秘録」でも紹介したが、このとき、トウ氏の頭にあったのは、
米国市場で巨額のドルを手にした日本だったろう。 実際、過去30年間、中国は米国を最重要の経済パートナーに、
対外貿易を振興、急成長を続けてきた。
 中国式発展方式の特徴は、安価な労働力を武器に外資を導入、「世界の工場」として輸出で外貨を獲得することにある。
特に対米貿易は米側統計では数年来、年2千億ドル超の出超を続け、世界一の外貨準備高(約1兆8千億ドル)
に大きく寄与している。
 中国の非公式統計によると、中国の国内総生産(GDP)に占める対外貿易依存度は約70%と異常な高さで、
今般の米国発金融危機の影響をまともに受けそうなものだが、「直接的影響は小さい」と指導者も専門家も冷静だ。
 香港の中国系紙「大公報」は「地球的(金融の)嵐の中で、中国はまれな楽土、安全島」と評し、
英米の自由放任金融方式の終わり」「米国の金融覇権の没落」によって、中国の発展に「世紀のチャンスが訪れた」
と勇ましい。  どんなチャンスなのか。
 中国は日本と並ぶ5千億ドル余の米国債はじめ1兆ドル超の対米債券を保有する。今後予想される米国債追加引き受けを含め、
中国は米国に対する発言力強化をバックに、米国の各種の「理不尽な要求」をはねつけることが一つ。
その中には台湾問題や人権問題も含まれる。中国では、米国式の市場経済が貧富の拡大などさまざまな矛盾を拡大していることを批判、
米国依存からの離脱を主張するグループが発言力を強めており、彼らは今回の危機を「資本主義の終焉(しゅうえん)」として、
発展方式の全面転換を主張している。この背景には、対外貿易で利益を上げているのは外資であり、国内の民族系企業は低迷、
低賃金労働を放置してきたことがあった。 中国外務省傘下の国際問題専門誌「世界知識」最新号は、
金融・経済専門家3人の座談形式で21ページの大特集を組み、金融危機を多角的に分析。その中で、バブル崩壊を経験した
日本の金融界の企業買収などでの素早い動きを評価し、中国が不足している人材の獲得・育成に取り組む必要が説かれる。
 この特集では、米政府の金融機関への公的資金投入を「社会主義」と皮肉る発言がある。中国への影響が当面限定的なのは、
金融市場の自由化をせず、中央政府によるさまざまな規制があるためにほかならないが、社会主義体制下の市場経済という
中国のシステムを誇っているかにみえる。
 しかし、中国が抱える問題の多くは、社会主義の政治体制の欠陥に起因している。しかも世界経済の先行きが不透明な中、
中国式発展方式が試練に直面するのはこれからだろう。 先の座談会のタイトルは「不確定な時代」だった。
 ーーー
 以上だが、米国同様に中国も5〜10年は大混乱は、避けられないが、その後の世界の中心は中国になる。
そのときの日本の役割は、蓄積された経営ノウハウと、技術。 いずれにしても、両国に挟まれ国力は消耗するだろう。

・・・・・・・・