2007年09月21日(金)
2362, コーヒーの由来

エジプトのカイロで、「世界で初の喫茶店はカイロで開かれた」と聞いた。
そこで、コーヒーの発祥を調べてみたが、コーヒーにも長い歴史があった。
アメリカでは、紅茶よりコーヒーが多く飲まれるのは、イギリスよりの独立時に
高い関税をかけられるようになったので、やむなくコーヒーが飲まれるようになった。
アメリカンが薄いのは、紅茶に見立てた名残という説がある。

コーヒーの発祥は、多くの伝説があるが、キリスト教国での「ヤギ飼いカルディの話(エチオピア起源説)」と、
イスラム教国での「僧侶オマールの話(アラビア起源説)」の二つの説がある。

*一つ目は、6世紀頃のエチオピア高原でのこと。
ヤギ飼いのカルディが、放牧していたヤギ達の様子がおかしいことに気づいた。
夜になっても興奮して飛び回っているので、ヤギ達の様子を見てみると、
赤い木の実を食べている。そこでカルディも口にしてみると、全身に活力がみなぎった。
カルディがその奇跡を修道士へ伝えると、「これを飲めば徹夜の宗教行事時に睡魔に苦しまなくて済む」と、
修道士達の間に秘薬として広まっていった。この赤い実がコーヒーの実であった。

*二つ目は、13世紀頃のイエメンのオーザブ山でのこと。
イスラム僧オマールはある日、無実の罪でオーザブ山へ追放され、
山中をさまよい歩いていると、一羽の鳥が赤い木の実をついばんでいるのを見つけた。
オマールもその木の実を口にしてみると、味は不味いが、疲労が回復していった。
彼はその木の実で多くの病人を救った。それにより、罪を許されて町へ迎え入れられ、
聖者として人々に尊敬された。 この町がコーヒー豆で有名なモカである。
その後、オマールは『モカ守護聖人』と呼ばれるようになった。
コーヒーは薬として飲まれていて、豆を煎って飲むようになったのは13世紀頃。
イスラム教寺院の僧だけに門外不出の眠気払いの秘薬として飲まれていた。
その後、イスラム教の信者にもコーヒーの存在が知られ、一般家庭でも飲まれるようになったという。
イスラム教では、酒が中止されていたため、酒代わりの楽しみになった。
そのためアラブでは、ぶどう酒の名前だったカフワを、その飲み物の名前にした。
それがトルコに伝わってカフウェになり、カフェ、またはコーヒーという名になった。
その後、イスラム世界では何度もコーヒー禁止令がだされた。
しかし、その都度イスラム医学者から身体に良いという説が出され紆余曲折に末、結局は容認されるようになった。

13世紀頃に、ひょんなことからコーヒーに革命が起こったのである。
誰かが偶然にコーヒー豆を焼いてみて、それが芳しい匂いがしたのだろう。
そして焙煎したコーヒーを煮出してみて、現在のトルコ・コーヒーのようなものが誕生したのである。

コーヒーがヨーロッパで飲まれるようになったのは15世紀初頭。
ベネチアから広がり、ヨーローッパの各地にカフェができたり、
フランスにてドリップ式コーヒー、イタリアでエスプレッソコーヒーが生まれた。
その後、中南米から世界各地へ渡って行き、それと共に栽培も世界各地へ拡大していった。
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 以上が、コーヒーの歴史と由来である。
ところで余話を一つ・・・・
昨年春のこと、事務所の至近距離に喫茶店が移転してきた。
50歳前後の夫婦が10坪足らずの店を開いているが、一年は持たないだろうと思いきや、一年過ぎても、
それなりに客が入っている。開店・閉店を含め朝の7時から夜は9時過ぎまで、盆暮れを除いて年中無休。
実際のところ、喫茶店という業種は20年以上前から成り立たなくなってしまっている。
一部の例外はあるが、年中無休か、他の収入手段があり、趣味的に運営しているか、喫茶店は表向きで、
実は食堂の店が例外的に生き残っている。 チェーン店のコーヒーショップは、あれは喫茶店とは別物。
この話は長くなるので、ここでは止めておくが・・・

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