H0805エジプト、トルコ感激の旅  
 ーエジプト編 

 まさにタイム・スリップして数千年前の古代を旅している日々であった。

まず最初に訪ねたのがカルナック神殿であった。“まさしく驚愕!”直径が二mの石の大列柱が百数十本並ぶ神殿。
これが三千数百年に本当に!周辺の王侯貴族を驚かす為に造られたというが、今まさに自分が、
目を丸くして驚いているのだ。歴史が私という小さな存在を見下ろしているのだ。日本ではまだ縄文の時代、
これを造りあげた高度の技術があったのだ。
そして壁に刻みこまれたレリーフ、古代文字、現地のまだ若い日本人女性ガイドの熱心な説明も手伝って
古代文明の世界にタイムスリップした気分になってしまった。そらに天を指すオペリスクとラムセス?世
などの王や神の像の数々、今まで何度か海外旅行をしていながら、何故ここにもっと早く来なかったのだろうか?
と考えてしまったほどだ。
 
次に行った“王家の谷”。ここは何代の王様の墓が、隠れるように数々掘られている集団墓地だ。
この中で英国の考古学者カーターの執念でつきとめられたツタンカーメンの墓室にも入ってみた。
また、夕日の長い影を落としていたハトシェプスト女王の壮麗な葬祭殿と
そこにやはり刻まれていたレリーフの数々。その帰りにたちよったネクロポリスの麗に立つ
メムノンの二体の巨像の神秘的な光景も印象的であった。
 
その翌日行ったアブジンベルの大神殿、小神殿、のラムセス?等の巨大な立像も実際
そこに立ってみて古代歴史の深さを実感する事ができた。
またアスワンのナイル川で乗ったのんびりした“ファルーカ”という小さな帆かけ舟の
夕日の中での“ひととき”も、一瞬の中に永遠を感じる事ができるようだった。
旅の後半になってカイロに入ったが、ナポレオンが言ったという“四千年が諸君を見下ろしている!”
というまさに異様なイスラム社会が大きなカルチャーショックになった。

丁度、ラマダン(一ケ月間の日の出から日の入りの断食の行)という事もあり、
異様さがさらに目立ち、我々日本人は西欧社会に感化去れているのが逆に対比する事ができた。
早朝、街中とどろくアラーラの祈りのスピーカーの音も異様そのものだった。
我々の目からみると、接するエジプト人全員が金に特に汚い詐欺師そのもの、
“騙すより騙されるのが悪い!”“車は轢かれるほうが悪い!”、それがイスラム教という。

カイロ郊外にある二百五十万個の巨石を積みあげたピラミッドも本当にすばらしいの一言。
考古博物館のツタンカーメンの黄金のマスクと財宝をみた瞬間、
ゾクゾク身ぶるいをしてしまった。

まだ今にも起きあがりそうなラムネス?をはじめとする数々のミイラも数千年をこえて
不死への激しい希求を魂にかたりかけてくるようであった