2005年09月04日(日)
1615, アメリカインディアンの教え −3

「死ぬことが人生の終わりでないインディアンの生きかた方」 ー著者・加藤諦三
加藤諦三とは懐かしい名前である。 20歳代の頃、よく彼の本を読んだ。
心が休まる内容だったことを憶えている。現在は「心の癒し」系の本は多いが、当時は殆ど見当たらなかった。
癒し系の日本の先がけだった。 心理学系の先生で、理づめであったためか、解りやすく納得のいく内容であった。
彼の本を手に取るのは三十数年ぶりだが、履歴をみるとその後も多くの著書を出しつづけていた。
彼はこれまでも、「インディアンの教え」のシリーズも何冊か書いている。
(このHPでも、過去に二回インディアンの教えについて書いている。)
 この本の構成は、アメリカインディアンにとっての
・生きるということ、 ・死ぬということ、 ・自然という存在 
 の3章になっていて、それぞれアメリカインディアンの根底に流れる哲学に関して記述されている。

冒頭に「死ぬことが人生の終わりでないインディアンの生きかた7か条の教え」が書かれていたが、心に沁みてくる。

ーword 1
変化は必要です。もしあなたが不幸なら、何があなたを幸せにするかゆっくり考えて、必要な変化を受け入れなさい。

  • word 2

あなたの喜びは私の喜びである。だから、あなたにすることは私の負担になるはずはありません。

  • word3

誰かに判断をくだす前に、その人のモカシン(インディアンの革靴)を二週間は履いて歩いてみましょう。

  • word4

あなたが生まれたとき、あなたは泣いていて周りは笑っていたでしょう。
 だから、あなたが死ぬときは周りが泣いていてあなたが笑っているような人生を歩みなさい。

  • word5

魚は水のことを考えません。インディアンは死のことを考えません。

  • word6

生きることと死ぬことは ひとつのサイクルです。だから、死ぬことは 季節の移り変わりのように素晴らしいのです。

  • word7

自然は、正しい者の上にも、悪い者の上にも同じように甘い雨を降らせます。
 
 仏教もアメリカンインディアンも、ともに人間にとって死に関しての死生観がはっきりと現わされている。
この根底には、アメリカインディアンにとっての基本原点は自然であり、この自然に溶け込むことによって、
そこからエネルギーを得て心身ともにリフレシュするような感覚であることが分かりる。

アメリカインディアンは自然の中のすべてのもの、例えば木とか岩が「神の存在」として扱われます。
さらに、あらゆる物に精神が宿るとしている考え方がある。

 また、アメリカインディアンの宇宙観として、全体あるいは「統合」という考え方が基本になっている。
即ち、生と死がペアーであり、夜と昼がペアーであるように、あらゆるものの間にはこのようなペアーの
考え方による宇宙の秩序があり、これらを反映したものと考えられている。

 シェイクスピアは生まれるという「生」に関して、「人間は泣きながらこの世にが生まれてくる」
という言葉を残したが、その対極にある「死」に対して笑って死んでいくというアメリカインディアン的な
考えはなかったようで、この考え方は東洋的な考えである。

 アメリカインディアンは、そのルーツを探ると我々東洋人と深い関わりがある。
氷河時代の終わりごろアジアに起源する集団の一部がベーリング海峡を渡り、アメリカ大陸へ移住した。
1987年、日本人の一部と北米インディアンが、DNAの比較から明らかになったことが研究成果として発表された。
彼らの自然崇拝の背景には、同じような感覚がDNAとして残っているとも解釈できる。四季を考えてみて、
春は花が咲き、秋が来ると木々は紅葉し、散って行きます。この様を見て死というものを考えてしまいます。

アメリカインディアンは、これらの自然の繰り返しを見ながら美しく死んでいくことを教えていると理解する。
死は最後の人生経験との位置づけで、アメリカインディアンは、死は我々の魂の再生であるとの考え方に立っていて、
仏教の輪廻転生の考えに近い。 アメリカインディアンは、死は人生の最後の経験であり、
自然界の中のサイクルの一つでしかないとみているのです。

ー以前に書いたインディアンの教え」をコピーしておきますー
 2005/02/27 −1426, アメリカインディアンの教え−2

ー何処かの国の教育学者のように、私の「インディアンの教え」を書いてみる。

・両親の仲が良い子供は、暖かい心の子供になります。
・卑しい両親の子供は卑しくなります。
・人の悪口を家庭内で言っている親の子供は、冷たい子供になります。
・期待過剰の両親の子供は、無気力の子供になります。
・厳しすぎる親の子供は、影で悪いことをします。
・家庭内離婚の子供は、社会に対して敵愾心を持つようになります。
・男女間にだらしない親の子供は、離婚をする確率が高くなります。
・親の愛情をタップリ受けた子供は、心の芯の強い人になります。
・子供を自分の所有物と信じて疑わない親の子は、親を憎むようになります。
・子供に一流の音楽や芸術をシャワーのように与えた子供は、 一流の人物になる傾向が強くなります。
・常に夢を持っている両親の子供は、創造(想像)豊かな人になります。
・他人に思いやりのある親の子供は、幸せな一生を約束されます。
・子供を優しく見守れる親の子供は、自主性のある自由な人生を過ごせます。

ー作成時間30分で熟慮はしてない。
  ーー
租借と熟慮をしていない分だけ、アメリカのドローシー・ロー・ノルトの「子供が育つ魔法の言葉」の方がよいが、
数時間かけて考えれば近いのは作れる?! インディアンの教えと、ノルトの言葉を声を出しながら何回か読んで
頭に何か浮かぶのを待てばよいのだが。 この位で止めておく。

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