2004年07月24日(土)
1208, 自殺 3万4427人

昨日の新聞の一面トップに、昨年の自殺者が前年より7?も増加して3万4427人と報じていた。

 ー内容をまとめてみるとー
・原因として、病苦が45?、経済苦が25? 特に経済苦の増加が目立って増えている
・40歳以上が、4分の3を占め
・男女の比率は、男子が70?、女子が30?
鬱病が30〜70?。 他の精神疾患を入れると、殆んどが精神疾患があった
・1997年まで、年間2万〜2万5千人と推移していたが、
 1998年から3万人台になり、ついに3万4千人になってしまった
・職業別に見ると、無職が半分近くだ
20万都市で一週間に一人が、日本全体では、毎日94人が自殺で亡くなっていることになる。

大都会の真ん中で失業をして、駅などの人ごみの中にいると、ふっと虚無が
自分を覆いこみ電車に飛び込みたくなる衝動に駆られるという。何か解るような気しないでもないが。
「自殺は最後に残された意思の遂行」というが、その心中は当人でなくては解るはずがない。 
しかし自殺をしようとする人の大部分が「ほんとうは死にたくない、誰かに声をかけてもらいたい」という。

歳をとり、連れ添いに先立たれ、重い病に侵され、一人孤独に毎日を過ごしていたら、自分でも死にたくなる。
簡単に「自殺はすべきでない」というが、絶望と孤独の岸辺に立っている人の立場からみれば、
その苦しみから解放される唯一の方法かもしれない。ゲーテの「若きウェルテルの悩み」の中で、
主人公ウェルテルと愛するロッテの恋人(後の亭主)のアルベルトとの自殺の議論があった。

ーウェルテルは人間の本性には限界があり、喜び、悩み、苦しみもある程度まで耐えられるが、
限界を超えると破壊してしまう。自殺は、けっしてバカな人間や卑怯者するのではなく、生きることに悩み、
迷ってどうしても出口が見つからない時に仕方なくとるものと主張した。

一方、アルベルトは、自殺に対して徹底的に反感を持つ。
彼は「苦しい人生を対し忍ぶ事ができない弱さから引き起こされる」と考えていた。
この世で最も尊いものは、愛である。しかし、人間に喜びを与えるはずの愛が
悲劇のもとになることもある、それがまさに、ウェルテルの悩みを引き起こした。
最後には、そのウェルテルが自殺をしてしまった。

死ぬには死ぬなりの悩みと苦痛の蓄積がある。しかし、生きることも、生きるだけの理由もある。
自殺について語る資格は私にはない。ただ、死にたいと思ったことは一度もない!いや、若い時にあったか?
地獄も天国も、この世にあるものだ。 地獄の業火(精神の激痛)に焼かれてこそ、自殺の意味が解る!

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