2003年07月23日(水)
840, プロジェクトー?

 NHKTVのプロジェクト?がなかなか面白い内容だった。
このシリーズは三回に一回は見ているが、昨夜はソニーのロボット犬『アイボー』の
開発プロジェクトのチームリダーとメンバーの苦労話であった。
一つの商品の中に、多くのメンバーの思い人生とエネルギーがぎっちりとつまっている。
社長の井深大の『人の真似をするな!』が、ソニーの商品開発のコンセプトの一つ
ということは知っていたが、しかし現場の技術者にそれが貫かれていたのをみせつけられた。
 
 新規開発では、重役や周辺の無理解が大きな壁になるのが何処も同じである。
特に若い技術者が『オモチャを創るためにソニーに入ったのではない!』という言葉がその象徴であった。
何度も何度も大きな壁ー障害が立ちふさがってくるのを、切り抜けていく姿が感動的だった。
プロジェクトとは、その壁を乗り越えていくのが任務である。一度、会社を辞めてゲーム会社の部長になっている男を、
このチームに呼び戻そうとした時、その男がゲームメーカーのナムコの社長と供に断りに来る。
その時、チームリーダーは本来は絶対に見せてはならない創りかけのロボット犬を見せる。
それを見た本人は興味を示し、ナムコの社長は直ぐに翻意してソニーの復帰を認める。
ナムコの社長の一言がよい「日本の為になることだ!」

 復帰したこの男が、大きな壁にぶつかっていたプロジェクトに入るやいなや、根こそぎロボットを否定する。
自分の役割を知っていたのだろう。そして対立。しかし、そこからアップスケールー脱皮が生まれてくる。
 たった一匹?のロボット犬の中に多くドラマと感動が詰まっているからこそ多くの人にそれが伝わるのだ。
プロジェクトX」に流れているテーマ は今の日本に『起業魂』を思い出させるのが目的だ。
その気持ちが直に伝わってくる番組である。チームリーダーと復帰してきた二人の最後の言葉がよい。
『ものつくりは面白い、出来上がったときの感動が、それまでの苦労を総て流してくれる!』

商品に対する思いや感動が薄くなったら引退の時期としなくてはならない。
それは年齢と関係なく。いま一度仕事に対する自分の気持ちを内省してみる必要がある。

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