2004年05月09日(日)
1132, 「ライフレッスン」ー 12
 ー 幸福のレッスン
 
 不幸論なら書けるが、幸福論となると何か書きつらいものだ。
幸せ感なんてものは、一時の気分でしかないと思ってしまうからだ。
といって幸せを意識して求めてないと、その時間を知らないうちに過ごしてしまう。
また、せっかくの幸せを得る機会を失ってしまうことも事実である。
ハッピーはハプニングが語源という。偶然におきた中に幸福を見出すセンスをいうのだ。
良い偶然を得たことを喜ぶ気持ちと感謝である。考えてみたら、生まれてきたことも、いまあることも偶然?

後にある抜粋の、一番初めの「幸せを私たちは、不自然と感じ、それに値しないと
思い込むように子供の頃から洗脳されている」のかもしれない。
しかし、幸せ感を得ようとするなら、少しの訓練があれば、誰でも可能である。
心の底から「ありがとう」と言えているときが幸せなのである。
 
 幸せの格言の中にも多くの幸せに対する示唆がある。
「幸福人とは過去の自分の生涯から満足だけを記憶している人々であり、
 不幸人とはそれの反対を記憶している人々である。」という萩原朔太郎の言葉が真髄をついている。
それは、訓練でも可能になるのだ。いま私が実行していることは、マイナスの気持ちや言葉が出てきたとき、
自動スイッチとして「ありがとう」という言葉を繰りかえしていうことにしている。
お陰で「ありがとう」という言葉を繰り返しいうことになってしまった。

知人に万年欝の人がいるが、過去の生涯の嫌なことだけを記憶している人である。
よく記憶していると感心するくらい憶えているのだ。 むしろ不幸にいることが、
自分の存在意義であるようにさえ思える。やはり基礎的な知識を持ってないからであろう。
それだけ深い心の傷をためこんでいるいるのだろう。
「愚人は終夜睡眠し、昼間は交際を楽しむ。いったい、苦悩を消滅するのは何時のことか」
  という言葉もあるが。
 ー抜粋ー「ライフ・レッスン」

・幸福は人間の自然の状態なのだが、わたしたちは不幸な状態に安住するように
訓練されている。わたしたちは幸福になれてないのだ。
せっかく幸福の状態にあるのに、それを不自然と感じ、それに値しない人間とおもってしまう。
だからこそ、幸福の状態をいいことだと感じる訓練や幸福になる為の訓練が必要になる。

・幸福になるか不幸になるかは、周囲におこることによって左右されるのでなく、
おこることにどう対処するかによって左右される。
おこっていることをどう解釈し,どう了解し、こころにどう対処するかがその人の幸福を決定するのだ。
そして、ものごとをどう了解するかは、その人がものごとのかかわり方によって決まる。
ものごとからレッスンを学び、ものごとと自己との真実を想起するバランス点はそこにある。
ものごとのや相手の状況の最悪の側面をみる傾向にあるか、最良の側面をみる傾向があるか
によって、事態は大きく変わる。最良、最悪、いずれの側面をみるかの傾向も、その人のなかで育ち大きくなる。

・不幸への最短経路は、ものごとを比較することにある。
比較というこの自己破壊な行為には、しかも、比較する他者さえ必要でない。
過去または未来の自分と比較するだけで,おなじ惨めさが味わえる。
ところが幸福は、だれと比較することもなくて、いまここで、ありのままの自分を
「これでよし」と感じるところからやってくるのだ。

・人は矛盾のかたまりである。つねに『もっと』を望みながら、一方では、
あるがままの自分をうけ入れ,愛そうとしている。
自分が霊的な存在でもあることを知っていながら、世俗的な経験が織りなす現実を
受け入れようとしている。苦しみながら、一方で苦しみを乗りこえようとしている。
わたしたちは多いものと少ないものの、優れたものと劣ったもの、足りないものと
豊かなもの、大きいものと小さいものに満ちた世界に住んでいる。
その両極に気づいたとき、わたしたちは以前より豊かになる。
宇宙の中のわたしたちという部分はつねに、みごとにバランスを保っている。

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ー幸福の格言
コロンブスが幸福であったのは、彼がアメリカを発見した時ではなく、それを発見しつつあった時である。
 幸福とは生活の絶え間なき永遠の探求にあるのであって、断じて発見にあるのではない
                  − F.M.ドストエフスキー
・人間は、死、悲惨、無知を癒すことができなかったので、
 自己を幸福にするために、それらを敢えて考えないように工夫した。
                  −パスカル「パンセ」
・自分の仕事を愛し、その日の仕事を完全に成し遂げて満足した。
――こんな軽い気持ちで晩餐の卓に帰れる人が、世の中で最も幸福な人である。
                  ーワナメーカー
・幸福の秘訣は、自分がやりたいことをするのではなく、
 自分がやるべきことを好きになることだ。 ージェームズ・バリー
・幸福は対抗の意識のうちにはなく、協調の意識のうちにある。 −ジイド「文学と倫理」
・私達は踏みなれた生活の軌道から放り出されると、もうダメだ、と思います。
しかし、実際はそこに、ようやく新しい良いものが始まるのです。生命のある間は幸福があります。
                   −トルストイ
・人は幸福を探し始めると、たちまち幸福を見つけられない運命に陥る。
しかしこれには不思議はない。幸福とは、あのショーウィンドウの中の品物のように、
好きなものを選んで金を払えば持って帰れるというものではない。
                   −アラン
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